2017.03.14
Tue

ヨーヨー・マがサロネンのチェロ協奏曲を初演

指揮者として有名なエサ=ペッカ・サロネン(58)が新しくチェロ協奏曲を作曲し、 先週9日から11日まで3日間、サロネン指揮シカゴ交響楽団の公演で、ヨーヨー・マによって初演されたそうです。

この曲は、サロネンがヨーヨー・マが弾くことを想定し、シカゴ交響楽団やニューヨーク・フィルなどの共同委嘱作品として、2年間をかけて作曲したチェロ協奏曲で、 サロネンとしては初のチェロ協奏曲(過去にピアノ協奏曲とバイオリン協奏曲が1曲ずつ)。 3つの楽章から成り、12音技法の音の塊の中からチェロの旋律が立ち上がると、やがてオーケストラの楽器群が チェロのソロを"彗星の尾のように"追いかけ、後半にはチェロのソロを電子機器を使ってループさせる箇所もあるのだそう。

終楽章でチェロと民族打楽器がやりとりするところは、ヨーヨー・マのシルクロード・アンサンブルに着想を得ており、 最後はチェロが最高音のB♭まで上っていくらしいのですが、 初めサロネンは1オクターブ下で書いていたけど、ヨーヨー・マは1オクターブ上で弾けると言ったのだそうです[Alex Ross, New Yorker]。

今週15日からはニューヨーク・フィルハーモニックの公演で披露されるそうで、ニューヨーク・タイムズの13日付けの記事でも、サロネンとヨーヨー・マの対談と共に紹介されていました。「数年前、二人はコンサートの後、マティーニを飲みながらチェロ協奏曲を書く約束をした。問題はその翌朝、何を約束したかよく思い出せないことだった…」。

先日、プロコフィエフの交響的協奏曲を聴いたときに読んだ話ですが、かのロストロポーヴィチが同時代の作曲家に書かせた曲は、チェロ協奏曲だけで70曲以上あるそう。 その演奏家のために作曲家がどれだけ新しい曲を書いてくれるかも演奏家の偉大さを示すものと言えましょう。

タグ : ヨーヨー・マ 

2017.03.12
Sun

インタビュー記事

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者で、日本人の母を持つベルンハルト・直樹・ヘーデンボルクさん(37)のインタビューが毎日新聞に載っていました。

「チェロをやめようと思ったことはありません」 ベルンハルト・直樹・ヘーデンボルクさんインタビュー【前編】 [毎日 17.03.10]
「音楽を聴いて、人間としての深みを感じ取ってほしい」 【後編】 [同 03.11]
※全文読むには登録(無料)要

音楽一家の3兄弟の連続インタビューで、よくチェロ奏者には上のお兄さん(お姉さん)がバイオリンをやっている方がいますが、子供の時チェロを始めるきっかけというのは、こういうものなのかな、と思いました。先日亡くなったハインリヒ・シフに学ばれたのですね。後編では、ウィーンフィルで弾くということについて。

ベルンハルト・直樹さんといえばこの動画…と思い出すのはご本人にとっては不本意かも知れませんが、ウィーンフィルのチェリスト仲間たちとの演奏。

2017.03.10
Fri

"走る"理由

合奏しているうちに無意識的にテンポが速くなるメカニズムが、東京大学の研究で解明されたとのこと。

東大、合奏のテンポがしばしば無意図的に速くなってしまう原因を解明 [日経プレスリリース 17.03.09] YAMAHA メトロノーム ブラック MP-90BK

音楽を演奏する際、演奏のテンポがしばしば意図しないのに速くなってしまうのは、従来は演奏者の緊張や高揚によるものと思われていたけど、二人組で一定リズムを保つタッピングをやらせると、単独で行った場合より速くなりやすく、これは速くなりがちな人が一方的にリードしたためというより、二者のうち早いほうに合わせて修正しようとするためだということがわかったのだそう。原論文はこちら[Nature 英語]。

これはなんとなく経験的にうなづけるところがあります。逆に、ゆっくりのテンポの楽章だとだんだん遅くなってしまうことがあるような気がしますが、あれは遅いほうに合わせてしまっているのかも。

2017.03.09
Thu

ゲリンガス氏の「熊蜂の飛行」

YouTubeでたまたま見つけたのですが、日本にも馴染みの深い巨匠ダヴィド・ゲリンガス氏(70)が、何やら打ち解けた場でアコーディオン奏者とリムスキー=コルサコフ「熊蜂の飛行」を披露。

動画の説明によると、今年2017年(日付は不明)ベルリンで、ダヴィド・ゲリンガスとタチアナ夫人の金婚式だそうです! 窓の外の景色が動いているところを見ると、船上パーティでしょうか。

タチアナ夫人は、ゲリンガス氏がロストロポーヴィチに学んだのと同じモスクワ音楽院で学んだピアニストで、二人のデュオ活動も長くされていたはず。金婚式にしてゲリンガス氏、まだまだ元気ですね。

2017.03.08
Wed

BNPパリバ・マスターズのドロー

四大大会に次ぐグレードの今年最初の大会、9日から始まるBNP Paribasオープン(アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ)のドローが発表。 この大会はGAORAのほかNHKがBSで中継するよう。

ランキング5位の錦織圭選手は第4シードで、シード勢が勝ち上がると:

マレー v ツォンガ
バブリンカ v ティーム
チリッチ v 錦織
(ナダル v フェデラー) v ジョコビッチ

錦織選手は2回戦からの登場で、予想される相手は、エバンス→ミュラー→プイユ(orクエリー)ときて準々決勝でチリッチ(orディミトロフ)に勝てばベスト4というところ。

5位の錦織選手が第4シードになったのは、ラオニッチが2月にハムストリングを傷めて欠場するため。全豪決勝を戦ったナダルとフェデラーはまだランキングが上がらずジョコビッチのブロック。錦織選手が勝ち上がればこの3人の内の勝者1人を待ち受けることになる。上位4シードに入ると準決勝まで上位選手と当たらないのは大きいことが、こうして実際にドローになってみると実感できる。

タグ : 錦織圭 

2017.03.08
Wed

歌う建設作業員

オーストラリアのニュースから。シドニーの建設現場で働く作業員が、作業の合間に「誰も寝てはならぬ」を熱唱しているのを仲間が撮影した動画が、ちょっと話題になっていました[Slippedisc, 9news.com.auより]。

歌っているのは、ブラジルから仕事を求めてやってきた22歳のダヴィ・オリヴェイラさん。彼はお金を貯めて将来は音楽学校に進みたいと考えているのだそうです。

イギリスでは、救急隊員が「誰も寝てはならぬ」を歌っていたのを思い出しました[過去記事]。

2017.03.06
Mon

チェロの音色がするバイオリン弦

ときどきチェロ関連の情報もあるのでチェックしている The Violin Channelというサイトで知ったのですが、弦の「ヘリコア」を製造販売している米ダダリオ社では、このほど通常のバイオリンよりもオクターブ低い音がしてチェロと同様の音域が出せるバイオリン弦、Helicore Octave を発売したそうです。価格はEADG 4本セットで71.5ドルほど。

ダダリオ社の製品担当者の説明と、デモは0:35くらいから。

バイオリン弾きに「たまにはあのチェロの音色を出してみたい」というニーズがあるのだとすると、まあ微笑ましいことです。

ただバイオリン弾きが、この弦を使ってバッハのチェロ組曲やアルペジオーネソナタなど、チェロのレパートリーをガンガン弾き始めたらちょっといやなので、バイオリン弾きには教えないでおくことにします。

2017.03.04
Sat

ららら♪クラシックに宮田大さん

きのう3日、水戸芸術館での宮田大さんのリサイタルに行った友だちから知ったのですが、このリサイタル本編もすばらしいものだった上に、アンコールにポンセ「エストレリータ」[過去記事]を弾いてくれたとのこと。

宮田大さん、3月11日放送のNHK「ららら♪クラシック」で、この「エストレリータ(小さな星)」を弾いているのだそうです!

ららら♪クラシック「胸がキュンとなる名曲集」 [NHK 3月11日土曜 Eテレ 21:30 再放送木曜10:25]

司会の加羽沢美濃さんのピアノということなので、少し前に名曲アルバムで江口心一さんのチェロで流れたのと同じ編曲だと思いますが、宮田大さんのチェロとピアノとが語り合うような、すばらしい演奏が聴けることと思います。もちろん録画予約して見ようと思います。

[追記03.10: 番組リンク先の予告動画で演奏がほんの少し聴けるようになっていました。]

タグ : 宮田大 

2017.03.03
Fri

ゴーティエ・カプソンのマスタークラス

フランスのゴーティエ・カプソンとルイ・ヴィトン財団は毎年、世界から若手チェリスト6人をパリに招いて公開マスタークラスやコンサートのシリーズを開いていますが、先週26日にパリで行われたコンサートの様子がmedici.tvで見られるようになっていました →THE CONCERT OF THE LAUREATES[medici.tv]。

これまでに行われた公開マスタークラスの様子も→ 去年11月20日(ラフマニノフのソナタ1楽章、ドボコン1楽章)、 今年1月7日(ドボコン3楽章、ブラームスのソナタinF)、 今年2月25日(フランクのソナタ、ショスタコ協奏曲)。

カプソンは生徒によってフランス語と英語を使い分けているよう。

YouTubeにあった紹介動画。

チェロ界は毎年のように世界中からすごい若手が現れてきますが、ここに映っている若手チェリストたちも、まもなくその名を聞くことがあるかも。

2017.03.01
Wed

リン・ハレルの"主演"映画

チェリストのリン・ハレル(73)が"主演"する映画が製作されるらしいという話を一昨年書きましたが、その映画が完成間近なようで、予告編が公開されていました。

映画の題名はその名も"Cello"で、リン・ハレル演じる老チェリストが難病ALSに冒され、家族との絆や人生を見つめ直した末に、尊厳死を選ぶというという重いテーマの短編映画のようです。

クラウドファンディングで支えられた小さなプロダクションであることや、テーマの重さなどから、一般の映画館で公開されるような映画ではないようですが、この予告編を見る限り、"俳優"としてのリン・ハレルがいい味を出しているように思いました。

タグ : リン・ハレル  ドラマのチェロ 

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