2017.06.02
Fri

コンクールで弦が切れるハプニング

昨夜のエリザベート王妃コンクール・チェロ部門ファイナル4日目、日本の岡本侑也さんの前に演奏した韓国のJeong Hyoun Cristine Leeさんが1曲目の課題曲、細川俊夫"Sublimation(昇華)"の演奏中、弦が切れるハプニング…

でも、指揮のステファヌ・ドゥネーヴのあたたかい配慮もあって、会場は和やかな雰囲気に。

このようすは当日のライブ映像では開始17分から25分くらいの間に映っていましたが、中断中、弦が切れる瞬間のリプレイ映像をまるでスポーツ中継のように繰り返し流していました。 Cristine Leeさんは舞台袖に下がって弦を張り替えると、約7分後に大きな拍手を受けながら笑顔で登場。もう一度最初から弾きなおしていました。

このハプニングは、審査にはまったく影響なかったのではないかと思いますし、かえってCristine Leeさんは多くの聴衆の心をつかんだような気がします。

タグ : チェロ事件簿 

2017.05.31
Wed

エリザベート王妃コンクール・チェロ部門ファイナル

ベルギーで29日から始まったエリザベート王妃国際音楽コンクールチェロ部門ファイナル、公式サイトから見られるライブは日本時間の午前3時からなので見るのは難しいですが、翌日には各ファイナリストの演奏がVideos→Final というところで見られるようになっているようです。またはベルギーの放送局RTBFのAuvioというページの少し下にスクロールしたところでも。

[追記] RTBFの初日29日のライブ映像では、ファイナリストの演奏の前後に放送席の解説者としてジャン=ギアン・ケラス2日目にはオフェリー・ガイヤールがコメントしていました。フランス語だけなので理解できなかったのが残念でしたが…。中継映像の公開期間は放送から1週間。15秒程度のベルギーのCMの後。

ファイナリスト12人中、今4人が終わった時点でフランスの22歳オーレリアン・パスカルの評判がとてもいいような…いや、わかりませんけど。

ファイナルの日程と演奏順・曲目は公式サイトにあるPDFに。 日本の岡本侑也さんは現地6月1日(日本時間2日早朝)の2人目でドボルザークのチェロ協奏曲。 結果は3日夜(日本時間4日朝)発表の予定。

***

[追記1日] ファイナルを前にした岡本侑也さんの紹介ビデオ[RTBF]。岡本さんの話すドイツ語にフランス語の字幕付き。昨年から借り受けているテストーレのチェロのこと、庭に出て弾くのが好き(?)なこと、本番前にはバナナとチョコレートでエネルギーを補給することなど。

[追記2日] 岡本侑也さんのファイナルの演奏。細川俊夫氏の課題曲"Sublimation(昇華)"とドボルザークのチェロ協奏曲。最後のブラボーの声がすごい。

ベルギーの新聞La Libreのこの記事は、黒い髪と大きな眼鏡、難曲を笑顔で弾き切る岡本さんを「チェロのハリー・ポッター」と表現。

2017.05.30
Tue

ウィスペルウェイの船上コンサート

オランダのチェリスト、ピーター・ウィスペルウェイが、オランダの歴史ある街ドルトレヒト(Dordrecht)で今月25日から3日間開かれたチェロ・フェスティバルDordt in Celloで、 街の水路を巡る舟の上のコンサート。地元テレビ局の映像。

27日土曜日の午前中、1時間ほどの舟の上でチェロを聴いた後、ウィスペルウェイと一緒にランチができて32.5ユーロ(約4千円)というコンサートだったのだそうです。 こんなコンサートがあったらいいですね。

ウィスペルウェイは、いまエリザベート王妃コンクールの審査員で忙しいはずですが、ちょうどセミファイナルとファイナルの間の日程があいていたのでしょうね。29日にはまたファイナルの審査のためブリュッセルに戻ったはず。wispelwey_dordt.jpg

タグ : ピーター・ウィスペルウェイ 

2017.05.27
Sat

マイスキーの「おくりびと」

今月18日、台北で久石譲さんとチェロのミッシャ・マイスキーとが共演したコンサートで「おくりびと」の演奏が!

この日のコンサートでは、久石譲さんの指揮、国立台湾交響楽団の演奏で、ジブリなどの映画音楽作品とマイスキーのチェロでドボルザークのチェロ協奏曲、それに二人だけの共演で「おくりびと」の演奏があったのだそうです。 マイスキー ベスト・アルバム

マイスキーは2009年の小品集アルバムで「おくりびと」を入れていますが、久石譲さんとの共演は初めてだそう。このときのツーショット写真は久石譲さんマイスキー、ふたりともフェースブックにアップしていました。

タグ : ミッシャ・マイスキー 

2017.05.25
Thu

シュタルケルの小物

アメリカのチェロ掲示板でたまたま見つけた話ですが、4年前に亡くなったチェロの巨匠、ヤーノシュ・シュタルケル(1924-2013)の遺品だとする小物が大量にオークションサイトのeBayで売りに出されていました[リンク : eBay]。

これらの小物は、シュタルケルの音楽室や書斎にあったものだとされる約100点で、 チェロや音楽にちなんだ置物、ペーパーウェイト、譜面台、肖像画などの他、ヘビースモーカーだったシュタルケルらしく、たくさんの灰皿も。

どれも開始価格5ドル~20ドルくらいで、あと1週間くらい入札期間があるようです。 コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ(48年録音/Pacific 78rpm)/ファリャ:スペイン民謡組曲(Pacific 78rpm)/コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ(50年録音/Period)
シュタルケル(ヤーノシュ) |

「だとされる」と書いたのは、ふつうシュタルケルほどの巨匠ならば、財団やシュタルケルの場合インディアナ大学などが遺品管理を信託されて、簡単にインターネットのオークションに出てきたりはしないのではないか?と思ったので…それとも、管理する価値もないほどの「がらくた」と判断されたのでしょうか。

もし、確かにシュタルケルが使ったものだという鑑定書のようなものでもつけてくれれば、灰皿1枚でもたいへんな「お宝」になるように思うのですが…

[追記: 関連過去記事] ピアティゴルスキーの旧居売却と遺品アーカイブ

[さらに追記] その後、シュタルケル財団[HP,Facebook]という団体がシュタルケルの遺品を管理しており、シュタルケルの娘さんが記録として残すものを整理する一方、家具等は地元ブルーミントンの古物商で、小物はeBayの上記リンク先で売却する、と書かれているのを見つけました。
だから上のeBayの出品は信用してよさそう。
また、今回売りに出されているもののうち木製の譜面台は、生前のシュタルケルの部屋で収録されたインタビュー動画に映っているものじゃないかという気がしました。

タグ : シュタルケル 

2017.05.24
Wed

コンテンポラリー・チェロのエチュード集

立ってチェロを弾けるストラップを売り出したマイク・ブロック氏が、今度は従来のクラシックのチェロの奏法ではなく、コンテンポラリー音楽のためのチェロ奏法の教則本を出版しようと、クラウドファンディングを募っていました。

"Contemporary Cello Etudes"と題したこの本、コンテンポラリー音楽でチェロを弾くときに独特のピチカートや、 パーカッション的奏法、即興演奏、歌いながらの演奏…など約30曲の「練習曲」を、この分野の先駆者たちが提供していて、 その中にはジョバンニ・ソッリマ"Julie-O"の作曲者マーク・サマー、 ジャズ・チェロのステファン・ブラウン、 奇抜なスタイルでチェロを演奏するラッシャッド・エグルストン(下の動画でも半裸で演奏しているひと)なども。

以下がPR動画。

1冊あたりの価格は35ドルとのことで、クラウドファンディングでは2ヶ月で3万ドルの資金集めと500冊の予約を受け付けたい考えだそうです。

たしかにこのようなチェロの奏法は、ネットの動画で見てちょっと興味を引かれても、なかなか教えてくれる人がいなさそうで、自分でこっそり練習してみたい人にはいいかも知れませんね。

2017.05.22
Mon

超チェロ組

それぞれ活躍中の渡邉辰紀さん、菊地知也さん、植草ひろみさん、渡部玄一さんの4人によるチェロカルテット「超チェロ組」。4人は、東京藝術大学附属音楽高校(芸高)の同級生だったのだそうです(昭和58年卒)。

超チェロ組 Original recording
超チェロ組 上のアンダーソン「フィドル・ファドル」も入ったCDが、6月7日に発売予定だそう。

2017.05.21
Sun

エリザベート王妃国際音楽コンクール・ファイナル進出者

エリザベート王妃国際音楽コンクール[公式HP]チェロ部門のファイナルに進む12人が発表されていました。

Santiago Cañón - Valencia °1995 Colombia
Brannon Cho °1994 United States of America
Sihao He °1993 China
Victor Julien-Laferrière °1990 France
Seungmin Kang °1987 Korea - Korea
Ivan Karizna °1992 Belarus
Maciej Kułakowski °1996 Poland
JeongHyoun (Christine) Lee °1991 Korea
Yan Levionnois °1990 France
Yuya Okamoto °1994 Japan
Aurélien Pascal °1994 France
Bruno Philippe °1993 France
[大会公式Facebookより]

日本からは岡本侑也さんだけが進出。正直、この12人と、ここに選ばれなかった人たちを分けたものが何だったのか、よくわかりません…

ファイナルは少し間をおいて5月29日から6月3日まで行われ、結果は3日夜(日本時間4日朝)発表される予定。

[22日追記] ファイナルの日程・演奏順・曲目が発表[Facebook,公式HP,PDF]。
岡本侑也さんは4日目、現地6月1日20時(日本時間2日午前3時)からの2人目で、ドボルザークの協奏曲を選択。
決勝に進んだ12人のうち6人が選んだのがショスタコーヴィチの協奏曲1番。ドボルザークが4人、シューマンが2人。
従来、コンクール決勝といえば半数はドボコンというものだと思ったけど、ショスタコーヴィチ1番がその座を奪った?前回チャイコフスキーコンクール(2015年)でショスタコーヴィチを弾いたアンドレイ・イオニーツァが1位を獲ったのも影響している?…

[さらに追記] ファイナルまでの間に1週間あくのは、大会ルールによるとファイナルに進む12人は、演奏順にQueen Elisabeth Music Chapelという施設に「隔離」され、そこでファイナルの課題曲(チェロとオーケストラのための未発表曲)を与えられて練習するのだそう。
[28日追記] この課題曲がファイナルを前に公表され、日本の作曲家、細川俊夫氏(1955-)のSublimation(昇華)という曲だと発表された。

2017.05.20
Sat

エリザベート王妃国際音楽コンクール・長谷川陽子さんの見方

チェリッシモ
長谷川陽子

セミファイナルを迎えたエリザベート王妃国際音楽コンクールチェロ部門について、長谷川陽子さん。日本からセミファイナルに残っている3人の方たちについて。

エリザベート王妃コンクール [Cellist Yoko Hasegawa Official Blog 17.05.19]

セミ・ファイナルはまだ続きますが、きっと三人とも
本選に行ってくれること間違いなし!!(中略)
もしかしたら1位から3位まで日本勢が占めてくれるかもしれません?!

3人のセミファイナルの演奏は私もオンデマンドの動画で見ました。

上村文乃さんのハイドンC。後に英語でインタビューでも答えていましたが、ハイドンを弾くときにはバロック弓を(バロック弓そのものではないけど、ハイドンの時代に合わせたスタイルの弓に持ち替えて)使うのだそうです。快速の3楽章で指揮者と目を見合わせてニコッと笑う余裕も。

三井静さんのハイドンD。長谷川さんも書かれているように、終始美しい音で、気品あるハイドンD。

岡本侑也さんのハイドンD。岡本さんはリサイタルの「イタリア組曲」などでもそうでしたが、とんでもない難曲を「それが何か?」というような涼しげな顔で弾いてしまうところが痛快。

(上のリンクはクリックするとはじめに現地ベルギーのCMが10秒程度流れます)

まだセミファイナルの演奏がすべて終わったわけではありませんが、長谷川さんのおっしゃることが決して身内びいきや誇張とは思えないほど、3人の演奏はすばらしいものだったと思います。

2017.05.15
Mon

エリザベート王妃国際音楽コンクール・セミファイナル

エリザベート王妃国際音楽コンクールできょう15日から始まったチェロ部門セミファイナルのようすがライブ動画で見られるようになっていました。

ライブ動画はベルギーの放送局RTBFのAuvioというページのConcours Reine Elisabethというリンク、または公式サイトのVIDEOSというページから。翌日以降もオンデマンドで見られるはず。

セミファイナルは、きょう15日から20日までの間に、24人の参加者がコンチェルト(ハイドンのC,D,ボッケリーニB-durから択一)と40分程度のリサイタルとで2回登場して演奏。大会のルールによると、リサイタルには指定された未発表の新曲とバッハの組曲を含むプログラムを2種類用意して、前日にどちらかを決められて弾くという過酷な条件つき。

スケジュールは公式サイトのこのページにあるPDFに。

ファイナルに進む12人は、20日の夜(日本時間21日朝)に発表される予定。

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