黒くないエボニー
ときどき拝見している「チェロ初心者絵日記」のほんとにエボニー??という記事で、日頃から疑問に思っていたことにピンと来たので。
量産品のチェロなのに指板(しばん)がエボニーとうたっているが、黒い塗料の塗り残しがある、「エボニー=黒檀」なら黒いはずだから、これは「今はやりの不正表示でしょうか」、と。
たしかに指板に黒い塗料が塗ってあることがあるのは、前にN響の奏者の方に教えていただいた通り。このかたが教えている音大の生徒さんのイタリア製の楽器でも同じことがあったそうだから、あまりショックをうけることではなさそう。
それから、「エボニー」とわざわざカタカナで表示しているのがなんとなくアヤしいと前から思ってました。「エボニー=黒檀」のはずですが、「コクタン」と聞くと仏壇に使われるような高級な材料をふつうは思い浮かべます(よね?)。
でも、黒くない、それほど高級でない材料も「エボニー」と言っているよう。
樹種名: コクタン【黒檀】 [その他の名称] エボニー (ebony) 、カマゴン、ウブンボク 【烏文木】、ウボク 【烏木】、クロキ 【黒木】とも言う。科目: カキノキ科カキノキ属の常緑広葉樹。 学名 : Diospyros philippensis Gurke
産地: インドネシア(セレベス島)を中心に東南アジア全域に生育。また、アフリカの一部にも分布。
色調: 辺材は淡い赤色を帯び、心材は黒色と淡赤色の帯びが交互に配列して縞目を有する。稀に真っ黒なものもあり、それを本黒檀又は真黒 (マグロ) と称し、縞杢を有したものを縞黒檀(シマコクタン)と言う。.... [木材図鑑 府中家具工業協同組合]
黒檀がカキノキの仲間だというのがちょっと意外。たしかに柿の木は固くて丈夫。
それから、黒い本黒檀と、縞のある縞黒檀とがあるということ。この縞黒檀のほうが、安くて手に入りやすいのではないか。
ふたたび検索して、木材の輸入販売を手がける株式会社ダイキンの楽器部材というカテゴリーの情報を参考にさせてもらうと、指板に使う部材として「本黒檀」「縞黒檀」「カリマンタンエボニー」(このあたりまでが楽器に「エボニー」と表示される範囲でしょうか)のほかに「マダガスカルローズウッド」「ソノケリン」などがあり、だいたい今書いた順に3〜4倍単価に違いがあります。
ようするに、「指板はエボニー」とうたっていても、わたしたちが「黒檀」と聞いたときに思い浮かべるほど高級なわけではなく、また必ずしもエボニーは黒くない、ということのようです。
- [チェロと音楽]
- TB(0) |
- Comment(0)
Comment[この記事へのコメント]
Post a Comment