2017.05.09
(Tue)

ストラディバリウスvsモダン楽器再び

ストラディバリウスのバイオリンと現代の楽器とをコンサートホールで専門家に聴き比べさせたところ、現代製の楽器の方が好まれたという結果がニュースになっていました。

ストラディバリウス負けた!聴衆は現代製に軍配 [読売 17.05.09]

数億円の値段がつくバイオリンの名器「ストラディバリウス」と、現代のバイオリンの演奏を聴衆に聞かせると、聴衆は現代のバイオリンの方を好むとする実験結果を、仏パリ大などの研究チームがまとめた。…

もしや、と思って他の報道[Telegraph, NPR]も見たら、やはり以前からストラディバリウスvsモダン楽器の実験を繰り返しているフランスの同じ研究者のその後、でした。

5年前にはバイオリニストに聴き比べさせて現代製に軍配、
3年前にはコンサートホールで弾き比べさせてやはり現代製、
そして今回はパリとニューヨーク、2つのコンサートホールで音楽批評家など専門家の耳を持つ聴衆に聴き比べさせても、やはり現代製に軍配が上がった、という実験結果。

今回の論文はこちら[PNAS.org]。

なんというか、粘り強く同じテーマで、少しずつ大がかりな実験を重ねていることには感心します。

今回の論文で(まだAbstractを読んだだけですが)おやっと思ったのは、よくストラディバリウスのような名器は「近くで聴くよりも遠くで聴く人のところに音がよく飛ぶ」という(現代製の楽器にはない)特長があると言われますが、この実験ではそのような特長は確認できなかった、とこれも否定されていることでした。

ちょっとストラディバリウス、分が悪いですね…。

[追記] このニュースを伝えるSlippediscにバイオリニストのマキシム・ヴェンゲーロフコメント。自身もストラディバリウス(1727年「クロイツェル」)を使ってきた経験から「ストラディバリウスはただ使えばいい音が出るものではなく、楽器がどう弾けば歌ってくれるかを演奏家に教えてくれ、それに従って弾き方を探究し、優秀な職人に調整してもらって、はじめて最高の音が出るものだ」…と反論。上の研究者は当然こういう声も聞いた上で次の実験を考えることでしょう。

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