2017.01.05
(Thu)

ポンセ「エストレリータ」(小さな星)

新年が明けて、オーケストラもレッスンも始まるのはまだ来週…というわけで、 年末にNHK名曲アルバムで聴いてとてもいい曲だと思ったメキシコの作曲家、マヌエル・ポンセ(Manuel Ponce, 1882-1948)の「エストレリータ」(Estrellita,小さな星)という曲を弾いてみているところ。

「名曲アルバム」で演奏していたのは、チェロが江口心一さん、ピアノが加羽沢美濃さん。 ポンセが育ったメキシコの街の風景をバックに流れる甘く切ない旋律に、チェロの響きがとても合っていた(残念ながらこの再放送の予定は当面ないよう)。

ポンセは、この「エストレリータ」という曲が最も有名で代表作とされていて、ピアノ、ギター、バイオリンなど多くの楽器で演奏されているが、中でもバイオリンのハイフェッツ(1901-1987)が演奏して有名になったのだそう。

ハイフェッツによる演奏。1939年の映画"They Shall Have Music"(邦題「彼らに音楽を」)の1シーン。

実はこの曲にはポンセ自身が書いた歌詞がついている。ポンセは20代の頃、故郷に向かう夜行列車の中でこの曲と歌詞を書いたという。

遠い空の小さな星 私の悩みを見ている星
私の苦しみを知る星よ
もしもあのひとが少しでも 私のことを愛しているのなら
降りてきて教えておくれ
なぜなら私は生きてゆけない あのひとの愛なしには…
[NHK「名曲アルバム」より]

この甘く切ない歌がポンセにとってどれくらいが「真情の吐露」の部分だったのか、それとも劇伴やカフェなどで「売れる」ことを意識したものだったのかはよくわからない。いずれにしても、ヨーロッパで本格的に作曲を学んだポンセは、後世この曲が「代表作」として弾き(歌い)継がれることになるとは思っていなかったのではないだろうか?…

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日本語歌詞で歌っている録音には錦織健さんのものがあった。アマゾンのほか、レコチョクでも試聴できる。 ハバネラ~チェロ小品集~ 藤村俊介

チェロの小品として弾いているのに、N響の藤村俊介さんの小品集があった。右のアマゾンへのリンク先で冒頭がちょっとだけ試聴できる。また現在、藤村さんの公式サイトにアクセスすると「エストレリータ」が流れるようになっている。※2017年2月追記

楽譜としては:

  • ハイフェッツ編のバイオリン譜がCarl Fischerから出ている。 これをオクターブ下げして使うことが考えられるが、調性が嬰へ長調(Fis-dur,♯6つ)とちょっととっつきにくい。 ハイフェッツはどうしてこんな難しい調にしてしまったのか…
  • 市販のバイオリン小品集などには、ヘ長調の楽譜も出ているらしい。 ちなみに上の江口さん、藤村さんのチェロでの演奏もヘ長調だったように思う。
  • カサド編曲のチェロ譜がInternational Music Co.から出ている。これは変イ長調(As-dur,♭4つ)。estrellita_cassado.jpg
  • IMSLPには、 男声独唱用のニ長調の楽譜があったので、現在はこれを使って弾いてみているところ。

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これまでにも、少し前に聴いた曲に急に夢中になり出す…ということがあって、 フォーレの「子守歌」プーランクの「愛の小径」などがそうだった。 どうもロマンチックな小品に自分は弱いらしい…

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