2016.12.28
(Wed)

ストラディバリウスの化学分析

少し前に、ストラディバリウスの弦楽器に使われた木材には現代の楽器とは異なり、防虫目的の化学物質が含まれていることがわかったというニュースがありました[朝日読売]。

ストラディバリウスのバイオリンとチェロ、ガルネリのバイオリンなどのメープルの背板の木材を調べると、 当時の材木業者が防虫処理のために施した化学物質が含まれ、そのため強度を増している可能性があるらしい。 また、長い年月や振動で、木材の中でヘミセルロースという水分を吸収する成分が分解しているという特徴がある…という台湾の研究者らによる研究。

ストラディバリウスは何が特別なのか?を追う研究はこれまでにもたくさんあったと思うので、この研究がどう位置づけられるのかと思って原論文を探して読んでみました。

Chemical distinctions between Stradivari's maple and modern tonewood [pnas.org 16.12.21]

論文の中身は専門的すぎて私にはよくわからないのですが、どうやら「防虫処理の物質」「ヘミセルロースの分解」は2009年にすでにNagyvaryという別の科学者がつきとめていて[論文, plos.org]、今回はその研究を参考にして、より深めた、ということのようです。

ところで、ニューヨークタイムズによると、この研究を発表した戴桓青(Tai,Hwan-Ching)台湾大学助教授の“本業”はアルツハイマー病患者の脳神経の化学研究なのだそうで、同時にオーディオとクラシック音楽マニアでもあるのだそう。台湾大学の研究者紹介には、今回のような研究は"scientific hobby"だとしてありました。本業も趣味もどちらもがんばってほしいです。

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