2016.01.29
(Fri)

シュタルケルのマスタークラス

ヤーノシュ・シュタルケル(1924-2013)がエルガーのチェロ協奏曲を教えているマスタークラスの動画。2004年、アメリカのオレゴン州ポートランドで。

去年、G線が切れてもベートーベンのソナタを弾き通したチャイフェッツ氏がアップしていたので見つけ、 今ちょうどシュタルケル編の楽譜でエルガーの協奏曲を弾いているので、時々見ていました。

2004年ということは、シュタルケルはこの年、80歳。 チャイフェッツ氏はかつてシュタルケルに学びポートランド州立大学で教えているので、おそらくその縁でシュタルケルがポートランドを訪れることになったのでしょう。

starker.jpg 言語的・音楽的に理解できないところがあるのがもどかしいのですが、印象的なのが80歳のシュタルケルの圧倒的な存在感。 こんな目で睨まれながらチェロを弾くなんてどんな気持ちがするものか…。

シュタルケルは、この生徒が気持ちを込めるのはいいけど安易にテンポをくずしてしまうのを、言い方は優しいけど厳しく戒めているように思えるのですが…

昔、エルガーの協奏曲を弾く前に、指揮者でこの曲の初演(1919)当時チェロ奏者として立ち会ったジョン・バルビローリ(1899-1970)に電話してアドバイスを求めたら「指揮するの?」と言われたとか何とか(?)…

弓先まで強く弾くために、楽器をヒザで押し返すcounter-pressureというテクニックについて話しているのが10分頃。これは昨年の10月サントリーホールでのマスタークラスで、シュタルケルに学んだバルビさんもおっしゃっていたこと。それまでこのテクニックのことを聞いたことがなかったのですが、シュタルケルが本当にこんなことを言っているんですね。

151228.jpg シュタルケル編の楽譜のフィンガリングを見ると、まず1楽章冒頭で、2小節4拍目のラでG線に下りるように書いてあって、そんな所からG線?と驚くのですが、そのあたりを実践して見せているのが20分あたりから。

ここはデュプレのように3小節のドでG線に下りたくなるところで、私も結局そう弾いているし、この生徒もそう弾いていたよう(ちなみにヨーヨー・マはこの3小節のドでいきなりC線に下りる)。 ポジションがしっかり身についていれば何ということはないんだよ、ということのようです[譜例はIMSLPから]。
elgar1.png

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コメント

No title

こんにちは!いつもyoshiさんのプログ楽しみに見させていただいています。今回は勇気を出してコメントしてみました^^

僕もアマチュアチェロ弾きで今年で10年になります(ぼちぼちやってます)
エルガーを弾かれるのですね!憧れます。いつか弾けたらいいな。

善福寺手帳さんがこの動画を紹介していて驚きました。
僕もよくこれを見ていました。
シュタルケルのフィンガリング滑らかですよね。

手首と肘をよく使って回転運動してるよう見えます。どうやってるんだろう。

yoshiさんも頑張ってください!僕も頑張ります!

2016/01/30 (Sat) 14:37 | TT #- | URL | 編集

> TTさん
こんにちは!コメントありがとうございます!同じようにチェロを弾いておられる方が見てくださってうれしいです。
この貴重なマスタークラスの動画、去年見つけたときからいつかブログに書こうとねらっていました(^^;)。
よく楽譜にあるフィンガリングは書いたひともその通りには弾かないという話を聞きますが、シュタルケルは本当に自分の編纂した楽譜のフィンガリングで弾いていて感心しました。その通りにするかどうかはまたちょっと別ですけど…
今年はしばらくエルガーの協奏曲をがんばるつもりです。TTさんもがんばってください!

2016/01/30 (Sat) 21:23 | yoshi #ZQHR2uUw | URL | 編集

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