2015.12.02
(Wed)

木越洋さんのドボコン

チェロを立って弾くといえば、日本ではN響元首席チェリストの木越洋さんですが、 先日その木越さんがアマチュアオーケストラのゲストソリストとしてドボルザークのチェロ協奏曲(ドボコン)を弾いたコンサートを聴いてきました。

(木越さんについては以前、立ってチェロを弾くリサイタルシリーズを聴かせてもらったことがありました)

ドボコンの前、ステージには演奏台が運ばれ、その上に以前見たのと同じ見台のような台が運ばれたときには、 「やっぱり立って弾くんだ…」と密かに期待が膨らみましたが、そこにさらに運び込まれたのは、バス椅子(コントラバス奏者が使う丸くて高さのある椅子)。 木越さんは演奏台に上がるとバス椅子に腰かけ、さきほどの台にエンドピンを刺し、足は台の上に。 いわば二段重ねの台の上で、ちょうど指揮台に立つ指揮者と同じくらいの目の高さ。 一階席で聴いていると、中空高いところからチェロの音が聞こえてくるようなぐあいでした。

さらに驚いたのは、ドボコンの長い前奏が始まると、木越さんがオケのチェロと同じパートを弾き始めたこと。ハイドンの協奏曲だとソリストがオケと一緒に弾くのはよく見ますが、ドボコンではめずらしいのではないでしょうか? アマチュアオケとの共演だからなのか、これが木越さんのいつものスタイルだからなのか… 木越さんは後半のシベリウスの交響曲第1番のときにもオケのチェロセクションの最後列で一緒に弾いておられました。

このような演奏スタイルや、そうした姿から人柄までを勝手に想像してしまうからかも知れませんが、 木越さんの演奏は、この日のドボコンでも体全体で
「おれはこう弾きたいからこう弾くんだよ」(そんな口調でおっしゃるかどうかは知りませんが)
と表現しておられるように感じ、そこがいいなと思うところです。もし木越さんとお話できる機会があったら、いろいろうかがってみたいところです。

この日のほかのプログラム、ドボルザーク「謝肉祭」序曲は、来年われわれのオーケストラでも予定している曲。 楽しい曲で、管の華やかさばかりが目立ちますが、弦もあまり聴こえないところで結構むずかしいことをやってるんですけどね… 後半のシベリウスの交響曲第1番は、先日こちらも第2番をやったばかりなのでチェロのソロがあるところなど曲の作りの類似に気づいて面白く聴けました。このオーケストラ、演奏も運営もしっかりされていて、さすが木越さんをソリストに迎えるだけのことはあるオケだなと思いました。

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