2015.08.31
Mon

シューマンの弦楽四重奏曲第1番のこと

先日の伊豆で弾いたシューマンの弦楽四重奏曲第1番Op.41-1のことで、いくつか追記。

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調べてみたら、シューマンは生涯に弦楽四重奏曲をこのOp.41-1から3までの3曲しか遺していない。 ところがこの3曲は、シューマンが32歳の1842年6月から7月にかけて、たった2ヶ月の間にほとんど同時並行で書きあげてしまってしまったもので、 しかも同じ年に(弦楽四重奏よりも有名な)ピアノ四重奏と五重奏も書いている。この年がシューマンの「室内楽の年」と言われる所以 [参考:「作曲家別名曲解説ライブラリー シューマン」(音楽之友社)]。

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今回、仲間4人で参考にしたYouTubeの動画。若々しくて、いい演奏だと思ったのと、全曲が収録されている(約27分)のが助かる。

最後の拍手と歓声がすごい。ぜいたくを言えば、もう少し「寄り」の映像だったらボウイングやフィンガリングを参考にさせてもらうのに都合がいいんだけど、遠目でもなんとなくポジションからフィンガリングがわかる。

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この曲、チェロにもちゃんと美しい旋律が任されている。1楽章序奏の冒頭のイ短調の旋律は、第1バイオリン→第2バイオリン→ビオラ→チェロへと受け渡される。このあと1楽章のヘ長調の明るい旋律が楽しい。

この曲でチェロの旋律といえば、なんといっても3楽章冒頭(上の動画では14分過ぎ)にソロで弾き始める旋律。
schumann-sq1-3.jpg
弾きながら気がついたのだが、これもシューマンの曲によく出てくる「ふわっと上昇して、ちょっとだけ下降」するパターン![過去記事:シューマンの浮遊感]。

上の譜例は、今回使用したIMSLPから。

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速い最終4楽章は苦労した。落ちずについていくことはできたけれども…。
最終小節、イ長調で力強く締めくくるところ、なぜかチェロだけがもう一つ低いAの音をズンと弾いて終わるところが、決然と弾けばいいのだけれど、そうでないと、なんだかチェロだけ「字余り」で間違えたみたいだ、と4人で笑い合った。

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シューマンというと兎角、「シューマンはピアニストだから」という評価を目や耳にし、アマチュア弦楽器奏者もその口真似をして「シューマンは弦楽器のことをわかってないから…」と(自分の腕は棚に上げて)言うのが、なんとなくお決まりのセリフになっているけど、具体的にどのあたりが「ピアニスト的」なのかはよくわからないし、今回弾いてみると、そんなことはどうでもよく、なかなかの名曲ではないかと思った。

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