2015.07.03
Fri

ヘリコプターとバッハの組曲

チェリスト、スティーブン・イッサーリスがきのうフェースブックに書き込んでいた文章が面白かったので。

聴衆が演奏をどう受け止めるかに影響する要因はたくさんある。
音楽そのもの(これが一番大きいと思いたいが)であることもあるが、外的な要因が強く影響することも確かにある。私は先日、その一つの典型例を経験した。
ある友人の葬儀のために教会で演奏したときのこと。 私が選んだのは、静かに光に溢れ、まるで感謝の祈りのようなバッハの無伴奏チェロ組曲第3番サラバンドだった。
演奏しながら、教会の外から聴こえるブーンという音に気づいた。後で聞いたところによると、ヘリコプターの音だったらしい。最後のハ長調の和音になったとき、わかった。外から聴こえるヘリコプターの音はハ音、ドの音だった!
葬儀の後の席でたくさんの人が話しかけてくれ、私が最後の和音を長く伸ばしたのが良かったと褒めてくれた。「魔法のようだった」と。私は、その音は私じゃなくて…と言い出すことができなかった。彼らが真に感謝すべきだったのは、ヘリコプターのパイロットだったのだ!
[拙訳。原文はExternal effects Steven Isserlis - Facebookより]
Cello Suites CD, Import
Johann Sebastian Bach

ヘリコプターの音がドの音と重なることがあるのだろうか?…という興味もさることながら、いまちょうど、七夕のチェロ弾きの集まりでこの3番サラバンドが“課題曲”になっているので練習していたところなのと、イッサーリスのいつも控えめながらユーモアを忘れない視点が面白いと思ったので。

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タグ : スティーブン・イッサーリス 

コメント

No title

イッサーリス、楽しい方なのですね!
数年前、紀尾井ホールのコンサートで初めて聴いて、私には「神」に思えました。。。
あー、一日でいいから絶対音感の世界に住んでみたい・・・。
いつも楽しい記事のご紹介、ありがとうございます(^_-)-☆

2015/07/04 (Sat) 00:14 | yuriha #G.IGLzVk | URL | 編集

イッサーリス

> yurihaさん
ありがとうございます!私もイッサーリスが来日したとき聴いて表現力がすばらしいと思ったのと、その後、著書やメディアでの的確なコメントから温かいユーモアがある人だと感じて、ずっと注目しているチェリストの一人です。
著書は「もし大作曲家と友だちになれたら」(音楽之友社)とその続編とがあります(ご存知かも知れませんが、知らない方のために)。

2015/07/04 (Sat) 08:52 | yoshi #ZQHR2uUw | URL | 編集

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