2014.12.17
Wed

ドイツのオーケストラが無形文化遺産?

イギリスの弦楽専門サイトThe Stradのニュースに「ドイツのオーケストラと劇場が無形文化遺産に」とあったので、おおっと思いました。 ユネスコの無形文化遺産といえば、つい先日も日本の和紙が選ばれて話題になったばかり。

しかし、本場ドイツのオーケストラが、保護を目的とするユネスコの無形文化遺産になるというのはどうなのか?…もしかしてブラックジョーク的なニュースではないかとちょっと目を疑いました。 無形文化遺産の登録基準には"urgent need of safeguarding"(さしせまった保護の必要)とはっきり書かれています。 イタリアのクレモナの弦楽器づくりが無形文化遺産に登録されたときには、ちょっと話題にしました[過去記事]。

調べてみると、14日、ドイツ国内のユネスコ委員会が、83の候補の中から27の無形文化遺産を選んだということだったようで、この中から将来ユネスコに申請されて、日本の和紙のように認められるものも、そうでないものも出てくるのでしょう。元のThe Stradの記事は "recognised by UNESCO"と書いてしまっていましたが、これはやや早とちりというか誤解を招く表現だったように思えます。

このドイツの27のリストを見ると、オーケストラと劇場の他に、ドイツのパン、アマチュア合唱団、パイプオルガン作り、鷹狩り、ハーメルンの笛吹き伝承と祭礼…などが選ばれていて、「ドイツの人たちが世界に誇りたい文化」として見ると、なるほどとも思えてきます(ビールは選ばれていませんでした…)。

ちなみに、これまでユネスコが無形文化遺産として認めたもののリストには、 ドイツからはまだ1つもなく、日本からは歌舞伎、能、文楽から2013年の和食、今年の和紙に至るまで、22が登録されていました。

このあたり、各国が自国文化をアピールする熱心さの度合いに差が出るのは仕方がないし、その中で比較的わが国は先を行っているらしいことは喜ばしいことだけれど、国際的なバランスであったり、保護の必要性の度合いであったり、ユネスコが無形文化遺産で当初目指したであろう意義からしてこれでいいのかな?…とちょっと思いました。

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