2013.05.31
(Fri)

N響若手室内楽コンサート

今年はオーケストラでシューマンの交響曲4番を練習していることもあって意識的にシューマンを勉強しようとしていたところ目にとまった「シューマンへの手紙」と題するN響若手による室内楽コンサート。30日、かつしかシンフォニーヒルズにて。

バイオリンが大宮臨太郎さんと横溝耕一さん、ビオラが御法川雄矢さん、そしてチェロが宮坂拡志さんという、聞く人に聞けばすでによく知られている、おそらく次代のN響を担う豪華メンバー。これにピアノの浅川真己子さんを加えた5人はみな桐朋で学んだ同世代の仲間なのだそう。

前半は、バッハ無伴奏チェロ組曲1番プレリュード(宮坂さん)、ブラームスのビオラソナタ2番2楽章(御法川さん)、 ベートーベンのバイオリンソナタ5番「春」1楽章(横溝さん)とそれぞれの楽器のポピュラーな曲。初っぱなに誰でも知っている1番プレリュードを弾く緊張はいかほどかと思ったが、宮坂さんはそんな素振りもなくさらりと、しかし豊かな響きで弾いた(宮坂さんについては前に触れたことがある)。ビオラソナタは初めて聞いたが、旋律が美しくチェロでも弾けたらと思った。ベートーベンの「春」は最近「ドコモ田家」のCMで流れていた曲。美しい旋律をピアノと分け合うのは、この前まで弾いていたベートーベンのチェロソナタ2番を思い出した。

続いて大宮さんとチェロの宮坂さんとがベートーベンのピアノ三重奏「街の歌」Op.11。 大宮さんと宮坂さんとの息はぴったりで、重なり合うフレーズの弓さばきまでが「ここはこうだよね」というように意思統一されているのは見事だと思った。こういうものは個々の持つ技量の高さと、いっしょに練習して練り上げる部分との、両方が不可欠なのは当然としても、どちらがどれくらいの割合で成立するのだろう?…ちょっと野球のセカンドとショートの流れるようなダブルプレーや、テニスのダブルスの動きのことを思った。

この日、宮坂さんは無伴奏のソロ、三重奏、五重奏と3曲に登場して一番の活躍。もっともピアノの浅川さんが無伴奏以外全曲で弾いたのだから、一番大変だったろうけど。

後半は全員でシューマンのピアノ五重奏Op. 44。この曲は1楽章の明るさ華やかさが好きで最近繰り返し聴いていたところ。この第2主題のチェロの旋律のところを聴いてこの日足を運んでよかったと思った。 最終4楽章でもう一度1楽章の主題が出てきて、交響曲4番と似た趣向になっていることに初めて気づいた。

客席の平均年齢は個人的な経験の内では相当高め。地域密着のホール、N響のお客層といったことを考えるとこういうものだろうか。

ピアノ五重奏のときのアンコールはどうするのだろう?と思っていたら、大宮さんが感謝のことばを述べた後「直前にそこの事務所でダウンロードしまして…」(これを真に受けていいのかどうかわからない) シューマン「トロイメライ」のピアノ五重奏版!これも宮坂さんのチェロのソロではじまり、最後は全員の音が重なり合い、みなうっとりと聴き入ったのだった。

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