2013.02.12
(Tue)

アルバン・ゲルハルト、空港職員に弓を折られる

ドイツのチェリスト、アルバン・ゲルハルトが今月6日、公演先に向かうために立ち寄ったシカゴ・オヘア空港で、保安検査職員にチェロケースの中身を調べられ、職員が弓をケースに戻す際に、あやまって弓を折られてしまったのだそうです!

このときの写真を、アルバン・ゲルハルト自身がFacebookにアップしているのを、ICSのCelloChat掲示板経由で知りました。アルバン・ゲルハルトが好きなしるくらさんもいち早くブログに書いておられたし、SlippedDiscThe Stradにも取り上げられていました。 ブリテン:無伴奏チェロ・ソナタ第1番/J. S. バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番/コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ アルバン・ゲルハルト

アルバン・ゲルハルト自身のコメントによると、折れた弓には保険が掛かっており、修理は可能。公演は借りた弓で無事行うことができたとのこと。

しかし、こういう話を聞くと、楽器だけでなく弓もたいへん精妙で高価な道具だということを理解していない人に扱われるのがこわくなりますね。

アルバン・ゲルハルトについては、演奏するとき耳栓をしているという話で以前、触れたことがありました。

***

そういえば今回の「チェロの日」で倉田澄子先生にうかがったお話で、以前、テレビ番組の収録で宮沢賢治のチェロを弾くよう依頼されたものの、番組スタッフが用意した弓は、地元の楽器店で安く買ってきたばかりの、松脂もついていない弓だった(音は別録り。それでも倉田先生は一生懸命弾いた)…ということでした。

一般の人は、楽器にはストラディバリなど高価なものがあることは知ってはいても、弓は
「ただの棒に“毛が生えたようなもの”」
だと思っている人は、案外多いんでしょうね。

[追記]: このあと2週間ほど経って、アルバン・ゲルハルトはゴフリラーのチェロ本体の不調にも気づいて、点検したところ、弓が折られた際に駒が押されたためと思われる裏板のヒビが見つかったとのこと[Slipped Disc 13.02.24]。災難でしたね…。

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タグ : チェロ事件簿  アルバン・ゲルハルト 

コメント

。。。。

写真から判断すると、修理し難いうえに、強度の点で修理をしても非常に難しい(もとのようにはもどらない)ところで折れているようですね。なんといっても、高い弓ですし、彼が10年以上も弾いてきた弓のようですから、修理するのでしょうけれど。。。

2013/02/18 (Mon) 11:52 | wasac #- | URL | 編集

Re: 。。。。

> wasacさん
こんにちは。その後、上のSlippedDiscにアルバン・ゲルハルト自身がコメントした詳しい記事がありましたが(13/02/13)、折れた弓は昨年買った、ドイツの弓製作家Heinrich Knopfのもの、その前12年使ったNikolaus Kittelの弓は、"for the cost of a (very nice) Mercedes"とのことでしたから、まあそうなんだろうとうなずけます…。
修理がどうなったのかまだわかりませんが、その記事によると弓は1度折れるとたとえ修理で前のように使えたとしても実際上の(金銭的な、という意味だと思いますが)価値はなくなるのだそうですね。
それにしても、彼はとてもショックだったと思うのに、(少なくともニュースやネットでの発言を見る限り)決して空港職員や当局を批判したりしていないのは、なかなか自制のきいた態度だと感心しています。

2013/02/18 (Mon) 23:09 | yoshi #mQop/nM. | URL | 編集

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