2012.06.27
Wed

「楽譜を読むチカラ」

楽譜を読むチカラ ゲルハルト・マンテル (著), 久保田 慶一 (翻訳) 今月、ドイツのチェリストで指導者のゲルハルト・マンテルという方が亡くなったというニュースを見て(享年82)、氏は良著を残した人でもあると知り、去年日本語の翻訳が出たばかりの「楽譜を読むチカラ」(音楽之友社)という本を読んでみました。

丁度このところ、チェロソナタでも、オーケストラでも、室内楽アンサンブルでも、演奏の上手な人というのは、同じ楽譜を見ていてもこちらが考え及ばなかったことまで「読み取って」いるのを感じ、その違いは何なんだろう?と思っていたところでした。

たとえば、「同じフレーズの2度目は1度目より弱く」といった「ルール」は、強弱記号で明示されていることもあるし、されていないこともあるけど、上級者のあいだではほぼ「常識」あるいは「定型句」のようになっていて、そんなことを知らずに、また考えもせずに弾いていると、ちょっと恥ずかしい思いをすることがある…

本書は、音楽を専門に学ぶ人向けではあるものの、語り口はやさしく、なるべく平易に伝えようとしているようで、日本語訳にもその心遣いを感じます。

さらにチェロ弾きにとってうれしいのは、チェリストが書いただけあって、解説に出てくる豊富な譜例にチェロの名曲が満載なこと!アルペジオーネソナタ、ベートーベンのソナタ、ブラームスのソナタ、ドボルザークの協奏曲、ハイドンの協奏曲、バッハの無伴奏組曲…

「こう弾くのが正解」という「答え」が書いてあるわけではないけれど、演奏する上で「意図した変化」をつける価値のある要素がこんなにいろいろあるんだな…と考えさせてくれる本でした。これからまた上手な人の演奏を聴いたり一緒に演奏したりすると、ああ、これはあそこに書いてあったことだな、と思い出すかも。

関連記事

タグ :  

コメント

NoTitle

こういうの、読んでみたかったんですよね。
早速図書館で調べてみたらあったので、借りて読んでみたいと思います。

2012/06/28 (Thu) 22:47 | たこすけ #vkcXtX9g | URL | 編集

> たこすけさん
こういう、いわゆる「演奏論」というのでしょうか、たいていはとっつきにくいんですよね。この本は読み進められました。たこすけさんの感想も聞いてみたいです。

2012/06/29 (Fri) 09:25 | yoshi #mQop/nM. | URL | 編集

自己レス

> 「同じフレーズの2度目は1度目より弱く」
もちろんこれは「よくある」パターンではあるけど「いつも」そういうわけではなく、たとえば今オーケストラで弾いているチャイコフスキーなどは、1度目よりも2度目、3度目をより大きく、盛り上げていくのが特徴だと指揮の先生にうかがって、なるほどと思いました。

2012/07/11 (Wed) 22:31 | yoshi #mQop/nM. | URL | 編集

コメントの投稿


非公開コメント

トラックバック