2012.02.20
(Mon)

発表会本番、そのときホールがゆれた(ほんとに)

今回、発表会の伴奏をハープにお願いすることになったのは、R子先生の発案で、先生は日頃からせっかくのチェロの音がしばしば伴奏のピアノの盛大な音にかき消されるのは悲しいと感じておられたのと、そんな中、親しい仕事仲間に今回引き受けてくださったハープ奏者の方がおられたことから、ちょっと他では聞いたことがない、贅沢な発表会となりました。

会場は、都内某所の私設の音楽ホール。こじんまりとしたホールながら、2階吹き抜けになっていて音響がすばらしい。オーナーもとてもよくしてくださいました。実はここにもすばらしいピアノがあるらしいのですが、ここを下見に来たときからすでにR子先生の頭の中には、ここでハープと…とイメージができあがっていたよう。

ハープの伴奏とあって生徒の参加も積極的。バッハの無伴奏を勉強している生徒も、1番メヌエットと「白鳥」とか、3番ブーレとパラディス「シシリエンヌ」といった組み合わせで(そりゃ、そうするよね)。

問題は、私の弾くシューベルトのアルペジオーネソナタ1楽章が、他の曲に比べて飛びぬけて伴奏が難しいことでしたが、よくぞ引き受けてくださったと思います。

演奏順は前半の最後。僕がスロースターターなので、リハーサルからなるべく時間をおかないですむように、ということとハープの負担やペース配分に先生が配慮してくださった結果。

実は、午前中のリハーサルで事前の合わせのときに合わなかった息が依然として合わず、焦っていました。ぐっとリタルダンドしたいんだけど伴奏が先に行ってしまう。「そこ、ぐっと落とします」と口で言いながら、もう一度合わせるとこんどは先に行かれるのがこわいものだから、こちらが突っ込んでしまう…他の生徒のリハーサルの都合もあり、正味20分ほどの直前リハーサルでは不安がいっぱいでした。

順番が来てから演奏を始めるまでは前回同様、意識して時間をとったつもり。 イスの位置・高さ、譜面台の位置・高さ、弓の毛の張り、それからチューニング… 最前列正面にR子先生が座って、「低い」というように指を立てている。

ハープの前奏…冒頭の旋律から「飛ばして」いくつもりでしたが、自然と力も入っていたかも。連続する頂点の音がどうだったか。

序盤の難所を弾き終わって、最初のリタルダンドから軽快な長調の旋律への変わり目。ハープがぴったりと待ってこちらを見て合わせてくれたのがわかった!これはうまくいきそうな予感…

16分音符の連続の難所は、指が回り過ぎ気味…なんとか伴奏を聴いてこらえる。

前半最後の3オクターブ駆け上り。ハープがフォルテで盛り上げて乗せてくれる。

譜めくりのあとの中間部はハープとチェロ交互に難所があって、そのたびにもう一方が「どう?」と聴き合いながら弾けている気がしました。

再現部に入る直前、明らかに伴奏と1拍ズレてしまった…でも、聴いている人にはわからなかったかも…

いよいよ再現部。転調後に1箇所、なぜか前日から突然指が回らなくなった箇所があって、直前までだいぶ修復努力をしたけどやっぱり音をとり損ねた。細かいところだけどくやしい…

もう一度冒頭と同じパターンでa tempoに戻ると、ハープが少しテンポを速めに上げたよう。「さあ、行きたいんでしょ!…行けっ!」と言ってくれているような気がした。あとはもう夢中…

ちょうどこのとき、関東地方に地震(14:54、茨城県北部、最大震度5弱。東京23区は震度2)。後で聞くとハープも気づいていて、ホールの中で気づかなかったのは僕だけだったらしい。 そういえば、最後に静かに弾くところでなんとなく客席の「息が荒く」感じたけど、あれは(あまりに感動が深かったせいではなく)地震があったせいだったんだ… 演奏が終わってR子先生と目を合わせたら、先生の口が「ゆ・れ・た」というふうに動いた…

今回は、大曲・名曲を「ただ弾いた」でなく、それ以上の何か「いい演奏」がしたい、と自分にプレッシャーをかけていたように思います。 そのためこの1ヶ月間くらいは他のことをやってもなんとなく上の空だったかも知れません。

今回結果として「いい演奏」ができたかどうかはわかりませんが、そのためにふつうのアマチュアとしてやるべきことはやったかな、という気はしています。だからそれでいい、と納得しているわけでは、まだないのですが。

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コメント

素晴らしい

このように書けるようにできた、というのはやっぱりうらやましいですね。聴きたかったです。

Re: 素晴らしい

> cellokkoさん
ありがとうございます。弾いていた私の頭の中では…ということで。そのうちビデオを見てみたら、ぜんぜん違ってたりして(^^;)

2012/02/21 (Tue) 22:16 | yoshi #mQop/nM. | URL | 編集

おめでとうございます

やるべきことはやったとのことで,発表会成功おめでとうございます。

アルペジョーネはチェロにとってもハープにとっても難曲だったはずですが,この曲をハープで弾くという試みに良い実績を作られたのではないでしょうか。

震度2の地震では熱演のyoshiさんが気づかなかったのは当然でしょうね。

2012/02/22 (Wed) 18:13 | ダンベルドア #- | URL | 編集

新倉さんが弾かれたあの難しい曲を弾かれたのですね。素晴らしいです(*^^*) どれくらい練習したらあんな大曲が弾けるようになるのか、今の私には想像もつきません。どれだけの時間をチェロと共に過ごされたのでしょうか。ただただ素直に尊敬します。

2012/02/22 (Wed) 21:00 | natasha #- | URL | 編集

> ダンベルドアさん
ありがとうございます。ダンベルドアさんも先日ハープの伴奏で2,3楽章を弾かれたということで励みになりました。ハープにとってこの曲の伴奏は実際のところ「どのくらい」難しかったんだろうと、そのへんを十分聞き出している余裕はなかったのですが、いずれにしても貴重な経験ができて幸せでした。

> natashaさん
今回、たくさんの方からこの曲は「いつか弾きたい曲」という話をお聞きし、そんな曲をみんなの前で弾けることを幸せに思う半面、プレッシャーも感じました…
新倉さんもあの日、たくさんの大先生やチェリストの前でこの曲を弾くのプレッシャーがあっただろうなと、もちろんその質も大きさも違うにきまっていますが、そんなことを思いました。

2012/02/23 (Thu) 01:07 | yoshi #mQop/nM. | URL | 編集

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