2011.11.14
Mon

記憶を失ったチェリスト

病気が原因でほとんどの記憶を失ったドイツのチェリスト(71)が、音楽に関する記憶だけは残っていて、しかも楽譜を読んで新しい曲を覚える能力も残っていることがわかり、医師たちを驚かせているそうです[guardian.co.uk 11.11.13]。

このチェリストは、ドイツのオーケストラで弾いていたプロ奏者で、名前は'PM'としか明かされていませんが、 2005年にヘルペス脳炎が原因で近親者や住んでいたところなどほとんどの過去の記憶を失ってしまったものの、その後の診断で自分が弾いた曲など音楽に関する記憶のほとんどは残っていることがわかったのだそう。 PM氏は家ではチェロを弾き続けているとのこと。専門家の一人によると、人間の記憶の中で音楽演奏のスキルは他の記憶とまるで自転車の乗り方と同じように独立しているのだそうです。

演奏スキルだけなら自転車の乗り方と同じように忘れないのはまだわかりますが、「この曲を勉強した頃はああいうことがあったな」とかいう記憶はどこに行ってしまうのだろうか?…と考えると不思議です。

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コメント

脳科学

つい先日、脳梗塞で全失語症に陥ったけどかろうじて指揮は出来ると言う指揮者の話を興味深く読みました。
ハロルド・クローアンズ著「失語の国のオペラ指揮者」早川書房
ここには、音楽家がプロとして技量を身につけるためには13歳未満に勉強を始めることがmustと言う研究結果も書かれてあり、なるほどなあと感心しました。

2011/11/15 (Tue) 12:48 | そると #MqJL/22g | URL | 編集

Re: 脳科学

> そるとさん
上の記事にも脳炎が原因の記憶喪失の指揮者の例が出てきますが、ようするに音楽を習って得たものって脳のどこにどうやって刻み込まれるのだろう?と不思議に思いますね。スポーツと似ているのだろうか?とか、子どもの頃からやっている人と大人からやった人とではその記憶の刻み込まれかたの「深さ」も違ったりするのだろうか?などとも思ったりして。

2011/11/15 (Tue) 20:59 | yoshi #mQop/nM. | URL | 編集

NoTitle

今読んでいる"Musicophilia" by Oliver Sacksに脳と音楽との関係が書かれていてます。どの辺りのニューロン君が音楽に関係してるんだろうと不思議に思いながら読んでいます。もう一冊、これも読んでる最中ですが、"The Brain that changes itself" by Noman Doidgeに頭のplasticityについての記載がありました。子供のような柔らか頭になりたい~!

2011/11/17 (Thu) 10:04 | Su #- | URL | 編集

> Suさん
ありがとうございます。前者は「音楽嗜好症」、後者は「脳は奇跡を起こす」という書名で日本でも出ていますね(読んでいませんが)。
記憶が消えずに残ることも神秘ですが、おっしゃるように脳に「可塑性」があって(しかも大人の脳にも!)新しいことを身につけることができるという話も心強いですね。

2011/11/17 (Thu) 20:34 | yoshi #mQop/nM. | URL | 編集

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