2017.10.19
(Thu)

ジャクリーヌ・デュプレ没後30年にバレンボイムが語る

きょう10月19日は、夭折したチェリスト、ジャクリーヌ・デュプレ(1945-1987)のちょうど没後30年にあたりますが、 それを前にイギリスのフィナンシャル・タイムズ紙にデュプレの夫でもあったダニエル・バレンボイム(74)へのインタビュー記事が載っていました。

‘Mind-boggling’: Daniel Barenboim on Jacqueline du Pré – and speaking out [FT.com 17.10.13]

バレンボイムが7月、プロムスの壇上からイギリスのEU離脱(Brexit)批判ととれるスピーチをしたことに関しては、音楽と文化に関わると思ったから自然と口に出ただけで、EU離脱批判というのは誤解だ、とのこと。

デュプレについて「音楽家としてユニークな存在で、理論的なことには詳しくなかったが、初見の楽譜でも本能的に本質をとらえて演奏することができたのは信じられないほど(mind-boggling)だった」。 彼女のエルガーのチェロ協奏曲について、パブロ・カザルスが「彼女のようにこの曲を弾けた者はいないし、今後もいない」と言って涙を流した、というエピソードも。

今月28日と29日、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで行われる記念コンサートのプログラムにそのエルガーのチェロ協奏曲がない理由を問われて、バレンボイムの答えは「気持ちの上で重すぎるから(emotionally too much of a burden)」というものだったそうです。

(リンク先記事は初めはユーザー登録していなくても読めましたが、登録を求められるようになりました。条件によって違うかも知れません。[追記] フィナンシャル・タイムズのFacebookページTwitter経由でクリックすると読めるかも。

2017.10.17
(Tue)

銀行のCM

アメリカの大手銀行の一つ、PNC Bankのコマーシャル。チェリストになる夢に向かってがんばる娘、それを支える母…

いいCMだと思います。「私たちがお手伝いします」と銀行が出てくると、ちょっと現実に引き戻される感じがしますけど。 pnc_ad.jpg

タグ : CMのチェロ 

2017.10.17
(Tue)

アルバン・ゲルハルトのロココ変奏曲

アルバン・ゲルハルトが先月28日、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団とチャイコフスキー「ロココ風の主題による変奏曲」を弾いた演奏会のもようが、同楽団のサイトからオンデマンドで見られるようになっていました。

53RD BRATISLAVA MUSIC FESTIVAL OPENING CONCERT

アルバン・ゲルハルトがロココ変奏曲(フィッツェンハーゲン版)を弾くのは、前半Part1の23:40くらいから。指揮はジェームス・ジャッド。

アンコールに、アルバン・ゲルハルトが好んでよく弾いている、ロストロポーヴィチ作曲「モデラート」という曲と、バッハの無伴奏チェロ組曲第6番プレリュード。

「モデラート」は、ロストロポーヴィチが書いたエチュード(?)の1つということではなかったかと思います。アルバン・ゲルハルトが今年出した「ロストロポーヴィチ・アンコール」というCDにも入れていましたし、彼が2年前に弾いた動画がありました。

タグ : アルバン・ゲルハルト 

2017.10.16
(Mon)

ベルリンの千人のオーケストラ・フラッシュモブ動画

先月23日、ベルリンのショッピングモールで行われた千人のオーケストラ・フラッシュモブ[過去記事]の公式動画が、ベルリン・ドイツ交響楽団(DSO)から公開されていました。

ドイツ語はよくわかりませんが、参加した人たちが「大勢と一緒に弾けて、とても楽しい!」と言っているのはわかりました。

タグ : フラッシュモブ 

2017.10.13
(Fri)

ラン・ランの代役にユジャ・ワン

かねてから左手を痛めて治療中だったピアノのラン・ランは、11月に予定されていたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との来日公演を含むアジア・ツアーをキャンセルすることになったそうです。代わりに11月24日にサントリーホールでベルリン・フィルと弾くことになったのはユジャ・ワン

ベルリン・フィルの発表→Lang Lang forced to withdraw from concerts in November 2017 and April 2018 [Berliner Philharmoniker]
サントリーホール公演主催元フジテレビの発表→「11/24公演 ソリスト変更のお知らせ」 [フジテレビ]

ラン・ランの代役がやはり人気のユジャ・ワンということで、お客さんにはあまり不満がないかも知れませんが(希望があれば払い戻しに応じるとのこと)ベルリン・フィルの発表によると、ラン・ランは来年4月のベルリンでのリサイタルもキャンセルするとのことで、治療・休養が意外と長引きそうなのが心配です。

2017.10.13
(Fri)

ビル・マーレイ、詩の朗読とサン=サーンス「白鳥」

詩の朗読と音楽とを融合させた舞台をやっていることで前にも書いた、俳優のビル・マーレイ(1984年「ゴーストバスターズ」、2003年「ロスト・イン・トランスレーション」など) とドイツのチェリスト、ヤン・フォーグラーとが、きのう12日夜の米CBSテレビ"The Late Show with Stephen Colbert"に出演した映像が公開されていました。

この番組は、ヨーヨー・マが2年前に出演して60歳の誕生日をお祝いされていた番組。

サン=サーンス「白鳥」の演奏に合わせてビル・マーレイが朗読しているのは、 アメリカの黒人女性作家、ルシール・クリフトン(1936-2010)の"Blessing the Boats"という詩[原文]。 英語の詩が味わえるほどわかったらいいなと思いますが、静かな水面が音楽と共通したイメージでしょうか。

ちょうどいま朗読を題材にした「この声をきみに」(NHK、金曜10時~)というドラマをやっていて、人の声で伝わることの良さを感じたりしますが、このように朗読と音楽とが融合した舞台がもっとあってもいいなと思いました。

2017.10.12
(Thu)

チェリストのステージ・フライトを描いた映画

ソロを弾くチェリストが本番で失敗しないかと過度に緊張してしまう、いわゆるステージ・フライト(stage fright、あがり症、本番恐怖症)と闘う姿を描いた映画がネットで公開されていました。2016年にオランダで製作された"Hold On"という20分ほどの短編映画で、シャルロット・スコット=ウィルソン監督作品。昨年のトライベッカ映画祭で最優秀短編作品賞に選ばれた作品だそうです[IMDb]。 holdon.jpg

若く才能あるチェリスト、キラ(Kyra)はオーケストラでソロを弾く本番で弦が緩むトラブルに見舞われてから、ステージ・フライトに襲われるようになってしまう。 苦しんだ末に彼女がした決断とは…

HOLD ON [vimeo]

主役のキラを演じる女優(チャーリー・デージレット)の演奏する演技が見事だと思ったら、母親がビオラ奏者で、彼女自身も実際にチェロが弾けるようです。 同じチェリストを描いた映画でも"CELLO"のリン・ハレルのように「演技のできるチェリスト」が演じるケースもあれば、この"Hold On"のように「チェロの弾ける女優」が演じるケースもあるわけですね。

彼女が弾いているのはリムスキー・コルサコフ「シェヘラザード」Op.35。私も、この曲ではありませんが、今度のオーケストラの本番でフォーレの組曲「ペレアスとメリザンド」に少しだけあるチェロのソロを弾くことになっているので、まんざら他人事というわけでもありません。

本番が近い人は、あまり感情移入して見ないほうがいい映画かも知れません。

タグ : ドラマのチェロ 

2017.10.08
(Sun)

クロアチアの観光PR動画

クロアチアの歴史ある街、ゴスピッチの観光PR動画。今月1日から公開されたもので、クロアチアのチェリスト、アナ・ルツネルさんが出演と演奏に大活躍していました。

クロアチアのチェリストというと多くの人はまずあの 2 CELLOS の二人を思い出すんじゃないかと思いますが、このアナ・ルツネルさんも有名だそうで、5年前にはクロアチア政府の観光PR動画にも出演してベートーベン「歓喜の歌」の演奏をしていました。

今回PRしているゴスピッチという街は、歴史と自然が豊かなだけでなく、発明家ニコラ・テスラ(1856-1943)を生んだ街でもあるそう。ルツネルさんは2分50秒過ぎには岩壁にぶらさがりながらチェロを弾く奮闘ぶり。

[Total Croatia News 17.10.02より]

2017.10.06
(Fri)

ミッシャ・マイスキーのライブ@ニューヨーク

ニューヨークで現地5日夜、オルフェウス室内管弦楽団とミッシャ・マイスキーが共演したコンサートがFacebookのライブ動画で見られるようになっていました。

Orpheus Chamber Orchestra : Videos [Facebook]

曲目は、アレンスキーの「チャイコフスキーの主題による変奏曲」の後、20分過ぎからマイスキーが登場して、シューベルトのアルペジオーネ・ソナタ(チェロと弦楽合奏版)。 52分頃からアンコールにチャイコフスキーのアンダンテ・カンタービレ。全体で1時間ほどのライブ動画。

ニューヨーク92Yセンターのシーズン開幕記念ということでのライブらしいので、リンク先動画の公開が終わっていたらごめんなさい…

タグ : ミッシャ・マイスキー 

2017.10.04
(Wed)

ジャクリーヌ・デュプレ没後30年

今月19日は、夭折したイギリスの伝説的チェリスト、ジャクリーヌ・デュプレ(1945-1987)の没後30年にあたるのだそうで、イギリスBBCではデュプレの生前の映像や交流のあった人へのインタビュー映像を交えた1時間のドキュメンタリー番組を、20日夜に放映することになっているのだそうです[BBC]。下はその予告動画[TheStradより]。

最初のほうに出てくるのは、イギリスのチェロ奏者ウィリアム・プリース。後半に出てくるのはチェリストで指揮者のジョン・バルビローリ。

他にもデュプレの没後30年に関連しては、10月28日と29日の両日ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで、デュプレの夫だったダニエル・バレンボイム(1942-)が、自身が設立したウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団を率いて、記念コンサートを行うのだそうです。 曲目は、R.シュトラウス「ドン・キホーテ」とチャイコフスキーの交響曲第5番。「ドン・キホーテ」のチェロソロは、バレンボイムがたびたび起用している若手チェリストのキアン・ソルタニ

デュプレを記念するなら、とまず思い浮かぶエルガーのチェロ協奏曲もなく、プログラムからはデュプレがあまり前面に出てきませんが、このコンサートの収益は、デュプレが苦しんだ多発性硬化症の患者支援団体に寄付されるのだそうです。

ただ全体的に、20世紀の偉大なチェリストの没後30年という区切りのわりには、記念のCDが発売されたという話も聞かないし[追記注: Warner Classicsからリマスター音源による"The Heart of the Cello"というアルバムが発売されたそう→tower.jp]、 あまりデュプレのことが話題になっていないような気がするのはなぜなのかな?…とちょっと不思議に思いました。

まあ、30年なら、まだデュプレが生きていたときのことを記憶している人も、バレンボイムをはじめたくさんいるからいいのかも知れませんが…

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