2017.03.23
Thu

エリザベート王妃国際音楽コンクール2017チェロ部門

5月8日からベルギーのブリュッセルで行われるエリザベート王妃国際音楽コンクール2017[公式サイト] で今年初めて開催されるチェロ部門の参加者70名と、審査員の名前が発表されていました。

日本からも7名の方(二重国籍2名含む)が参加するようなので、がんばってほしいです。 このコンクール、これまでピアノやバイオリンの部門で日本人が入賞するとニュースになったりしていたので、注目されることでしょう。

審査員には、ゴーティエ・カプソン、ミッシャ・マイスキー、トルルス・モルク、アントニオ・メネセス、ピーター・ウィスペルウェイ、 ジャン・ワン、フランス・ヘルメルソン、ダヴィド・ゲリンガス…らビッグネームがずらり! これは相当力が入ったコンクールと言っていいのではないでしょうか。

コンクールは、第1ラウンド-セミファイナル-ファイナルとあって、ファイナルではオーケストラをバックに参加者の選んだ協奏曲のほか、大会が委嘱した未発表作品を弾くことになっているのが特徴的。 また、第1ラウンドではピアノ伴奏曲のほか、大会側が指定したチェロ奏者の伴奏でボッケリーニのチェロソナタを弾くことが課題になっていて、これはあまり他のコンクールにはないことなんじゃないか?…と思いました。

このコンクール、今どきのコンクールですから当然ライブストリーミング中継もあると思います。情報は公式サイトの他、フェースブックツイッターでも。

2017.03.22
Wed

楽器ケースに入れるもの

バイオリンの情報サイトViolin Channelに、バイオリンのパールマン、チェロのイッサーリスら弦楽器奏者30人余りに楽器ケースの中に入れているものをたずねてみた、という記事が載っていました。→“What Essentials Do You Keep in Your Instrument Case?” [Violin Channel 17.03.16]

これによると、楽器と弓(複数)、松脂、スペアの弦…までは当然ですが、以下多かった順に挙げると、まずミュート。これは練習用ミュートも。旅先のホテルで練習することも多いプロならではでしょうか。それに爪切り鉛筆、あとは楽器や弦を拭く布、楽譜、ダンピットなど加湿器具、家族の写真、常備薬…など。

パスポートを楽器ケースに入れているという人も複数いました。旅先でも楽器ケースさえ取られなければ生きていける…ということでしょうか。 あまり考えたくないことですが、万一盗難や紛失といったとき、身元の分かるもの(名刺1枚でも)が入っていると発見の助けになるということはあるかも知れません。

逆に、だれも挙げている人がいなくて意外だったのがチューナーとメトロノーム。いらないんでしょうか。

これで思い出したのですが、以前、エマーソン弦楽四重奏団のチェロ奏者(当時)、デヴィッド・フィンケル氏が彼の動画シリーズでチェロケースの中身を披露してくれていました。 フィンケル氏のチェロケースにはチューナー、メトロノーム、それに練習を区切るためのタイマーまで。

タグ : チェロ道具  デヴィッド・フィンケル 

2017.03.18
Sat

クラシック音楽館

あす19日(日)夜9時から放送のNHK Eテレ「クラシック音楽館」で、N響の楽員紹介コーナーにチェロの藤村俊介さんが登場するそうです。コンサートプラスではN響メンバーのチェロ・カルテット、ラ・クァルティーナによる演奏も。

番組HPで予告されているクァルティーナの演奏曲は、ガルデルのタンゴ「首の差で」。 ハバネラ~チェロ小品集~ 藤村俊介

藤村さんのインタビューは、プライベートの趣味のお話が聞けるということで、どんな収録のようすだったかは、ポンセ「エストレリータ」が流れる藤村さんの公式サイトのMessageのコーナーで(Flashプレイヤー要)。なかなか面白いお話になりそうです。

2017.03.17
Fri

マラソンとドボコンを一日で

アメリカのアイオワ大学で教えるチェリスト、アンソニー・アルノーニ氏は昨年9月17日、フルマラソンを完走したその日にドボルザークのチェロ協奏曲のソリストとして演奏する快挙を達成したのだそうで、 米Strings誌のサイトにアルノーニ氏がその日のことを回顧するコラムが載っていました。

アルノーニ氏の正確な年齢がわかりませんが、プロとして30年、とありますから50代というところでしょうか。 元々熱心なマラソンランナーでもあったところ、米ノースダコタ州の地方オーケストラ、ビスマーク・マンダン交響楽団でドボコンを弾くことになったちょうどその日に、 同じ街でビスマーク・マラソンという大会が行われることを知って、この「マラソン+ドボコン」の挑戦を思い立ったのだそうです。 「ドボコンを弾いたチェリストはたくさんいても、マラソンの後に弾くなんてことは、ヨーヨー・マでもしたことがないはずだ!」

朝7時半からのマラソンは4時間を切るタイムでゴールし、シャワーと食事と仮眠をとって、夜7時半からのコンサートでは、 マラソンで出たエンドルフィンはそのままに、足の痛みは忘れ、家族や友人たちのことを思いながらドボコンを弾き切ったのだそうです。

確かに、フルマラソンとドボコンの両方を達成したチェリストは他にいないでしょう。これを超えるならフルマラソンの後にバッハ無伴奏組曲全曲とか?…

2017.03.16
Thu

ヨバノ・ヨバンケ

ずっと前に評判になった、チェロ1本をふたりで弾くデュオ演奏。

6年前にYouTubeにアップされたこの動画がClassicFMのフェースブックページにあらためてアップされたところ、コメント欄が少し荒れていたので何事かと思ったら、"Jovano Jovanke"というこの曲が"Macedonian love song"(マケドニアの求愛の歌)と紹介されていることに対する反発でした。

確かにこの曲についてWikipediaには"Macedonian folk song"と書かれているのですが、 マケドニアというのは、現在のマケドニア共和国だけでなく、歴史的にはブルガリア、ギリシャ、アルバニア、 コソボ、セルビアなどの一部を含む、国境や言語、民族などが複雑に入り組んだ地域全体のことを指すので、この曲に愛着のある人にとっては(国名の)「マケドニア」と限定されることに抵抗があるようです。 反発している人は「ブルガリアの民謡だ」と主張していました。 「(古い)マケドニア地域の民謡」と言えばいいのかも知れません。

この曲の歌詞は、Jovanoという名の娘(英語ではJoan, Joanna. Jovankeは指小辞)に恋する若者が、親の反対で彼女に会えないことを嘆く内容。7/8拍子の不思議なリズム。 この演奏はソッリマの編曲

上で演奏している二人ともチェロを学ぶ学生で、6年経った現在、女性のほうはボストンのニューイングランド音楽院、 男性のほうはパリにいて、今は離れ離れでそれぞれの道を歩んでいるようです…(余計なお世話ですが)

2017.03.15
Wed

「カルテット」の演技指導したチェリスト

放映中で最終回を残すのみとなったTBSのドラマ「カルテット」で満島ひかりさん演じるチェリストの演技指導をしているチェリスト、上地さくら(うえち-)さんが沖縄タイムスで紹介されていました。

クラシック・テレビ・舞台と幅広く活躍 満島ひかりら俳優に演技指導も [Yahoo!News経由沖縄タイムス]

そういえば、満島ひかりさんも上地さくらさんも同じ沖縄県出身。 カルテット DVD-BOX(オリジナルコースター4枚セット)

このドラマ、初回からずっと、登場人物の交わす会話に引き込まれながら見ているのですが、 4人が演奏するシーンでは特にチェロの満島ひかりさんがちゃんとブレスをする姿がすばらしいと思っていて、これは満島ひかりさんの演技力もあるでしょうが、指導をされた方の功績も大きいだろうと思っていました。

ドラマの中での弦楽四重奏は実際に幅広いジャンルで活動しているクァルテットパパスだというのも、 番組公式サイトでクレジットされているのですでによく知られたところ。

クラシック界でやっていくだけではない、自分独自の居場所を模索する姿は、ドラマの中のカルテットドーナツホールと重なって見える部分もあります。

タグ : ドラマのチェロ 

2017.03.14
Tue

ヨーヨー・マがサロネンのチェロ協奏曲を初演

指揮者として有名なエサ=ペッカ・サロネン(58)が新しくチェロ協奏曲を作曲し、 先週9日から11日まで3日間、サロネン指揮シカゴ交響楽団の公演で、ヨーヨー・マによって初演されたそうです。

この曲は、サロネンがヨーヨー・マが弾くことを想定し、シカゴ交響楽団やニューヨーク・フィルなどの共同委嘱作品として、2年間をかけて作曲したチェロ協奏曲で、 サロネンとしては初のチェロ協奏曲(過去にピアノ協奏曲とバイオリン協奏曲が1曲ずつ)。 3つの楽章から成り、12音技法の音の塊の中からチェロの旋律が立ち上がると、やがてオーケストラの楽器群が チェロのソロを"彗星の尾のように"追いかけ、後半にはチェロのソロを電子機器を使ってループさせる箇所もあるのだそう。

終楽章でチェロと民族打楽器がやりとりするところは、ヨーヨー・マのシルクロード・アンサンブルに着想を得ており、 最後はチェロが最高音のB♭まで上っていくらしいのですが、 初めサロネンは1オクターブ下で書いていたけど、ヨーヨー・マは1オクターブ上で弾けると言ったのだそうです[Alex Ross, New Yorker]。

今週15日からはニューヨーク・フィルハーモニックの公演で披露されるそうで、ニューヨーク・タイムズの13日付けの記事でも、サロネンとヨーヨー・マの対談と共に紹介されていました。「数年前、二人はコンサートの後、マティーニを飲みながらチェロ協奏曲を書く約束をした。問題はその翌朝、何を約束したかよく思い出せないことだった…」。

先日、プロコフィエフの交響的協奏曲を聴いたときに読んだ話ですが、かのロストロポーヴィチが同時代の作曲家に書かせた曲は、チェロ協奏曲だけで70曲以上あるそう。 その演奏家のために作曲家がどれだけ新しい曲を書いてくれるかも演奏家の偉大さを示すものと言えましょう。

タグ : ヨーヨー・マ 

2017.03.12
Sun

インタビュー記事

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者で、日本人の母を持つベルンハルト・直樹・ヘーデンボルクさん(37)のインタビューが毎日新聞に載っていました。

「チェロをやめようと思ったことはありません」 ベルンハルト・直樹・ヘーデンボルクさんインタビュー【前編】 [毎日 17.03.10]
「音楽を聴いて、人間としての深みを感じ取ってほしい」 【後編】 [同 03.11]
※全文読むには登録(無料)要

音楽一家の3兄弟の連続インタビューで、よくチェロ奏者には上のお兄さん(お姉さん)がバイオリンをやっている方がいますが、子供の時チェロを始めるきっかけというのは、こういうものなのかな、と思いました。先日亡くなったハインリヒ・シフに学ばれたのですね。後編では、ウィーンフィルで弾くということについて。

ベルンハルト・直樹さんといえばこの動画…と思い出すのはご本人にとっては不本意かも知れませんが、ウィーンフィルのチェリスト仲間たちとの演奏。

2017.03.10
Fri

"走る"理由

合奏しているうちに無意識的にテンポが速くなるメカニズムが、東京大学の研究で解明されたとのこと。

東大、合奏のテンポがしばしば無意図的に速くなってしまう原因を解明 [日経プレスリリース 17.03.09] YAMAHA メトロノーム ブラック MP-90BK

音楽を演奏する際、演奏のテンポがしばしば意図しないのに速くなってしまうのは、従来は演奏者の緊張や高揚によるものと思われていたけど、二人組で一定リズムを保つタッピングをやらせると、単独で行った場合より速くなりやすく、これは速くなりがちな人が一方的にリードしたためというより、二者のうち早いほうに合わせて修正しようとするためだということがわかったのだそう。原論文はこちら[Nature 英語]。

これはなんとなく経験的にうなづけるところがあります。逆に、ゆっくりのテンポの楽章だとだんだん遅くなってしまうことがあるような気がしますが、あれは遅いほうに合わせてしまっているのかも。

2017.03.09
Thu

ゲリンガス氏の「熊蜂の飛行」

YouTubeでたまたま見つけたのですが、日本にも馴染みの深い巨匠ダヴィド・ゲリンガス氏(70)が、何やら打ち解けた場でアコーディオン奏者とリムスキー=コルサコフ「熊蜂の飛行」を披露。

動画の説明によると、今年2017年(日付は不明)ベルリンで、ダヴィド・ゲリンガスとタチアナ夫人の金婚式だそうです! 窓の外の景色が動いているところを見ると、船上パーティでしょうか。

タチアナ夫人は、ゲリンガス氏がロストロポーヴィチに学んだのと同じモスクワ音楽院で学んだピアニストで、二人のデュオ活動も長くされていたはず。金婚式にしてゲリンガス氏、まだまだ元気ですね。

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