2016.03.03
Thu

サラサーテ4月号

サラサーテ 2016年 04 月号

2日発売の弦楽器専門誌「サラサーテ」4月号がチェロの特集。存じ上げているチェリストの記事が、プロ・アマとも多数。

なんといっても一番のインパクトは、表紙の堤剛さん。

右のイメージはamazonへのリンク、より大きな写真と内容の紹介はサラサーテのFacebookページで。

堤先生に師事されたチェリストの水野由紀さんもツイッターで:

インタビューと連載記事とで協力されている長谷川陽子さんも

堤剛先生のちょい悪オヤジ風表紙もチェロファン必須の一冊です^^ 先生、照れながらも決まってます♡
[Facebookページ長谷川陽子とチェロ好き広場 “ひまわり”]

おそらく堤先生もみんなをちょっとびっくりさせてやろうと思われたのだろうと思います。

堤先生、長谷川陽子さんには20、21日の「チェロの日」でお会いできると思うので、楽しみにしています。本番の衣装を「全員ちょい悪風で」と言われたらどうしよう!

タグ : 堤剛   

2016.02.24
Wed

「チェロと宮沢賢治―ゴーシュ余聞」が文庫版に

チェロと宮沢賢治――ゴーシュ余聞 (岩波現代文庫)

「セロ弾きのゴーシュ」を書いた宮沢賢治(1896-1933)とチェロとの関わりを綿密に取材して書かれた横田庄一郎著「チェロと宮沢賢治――ゴーシュ余聞」(1998年、音楽之友社)が3月16日、岩波現代文庫から文庫版で発刊されることになったそうです。右のイメージはAmazonへのリンクを張りました。

宮沢賢治はチェロをいつどこでどのようにして手に入れ、どのようにして学んだのか? そしてあの「セロ弾きのゴーシュ」はどのようにして発想されたのか?...

私は以前この記事のコメントで「賢治のチェロを(生誕百年祭のとき)ヨーヨー・マが弾いたことが載ってる」
と、たこすけさんに教えてもらって読んだのですが、膨大な資料や証言を元に、賢治とチェロとの関わりについて知りたいことがほとんど全て書かれていると言ってもいい一冊だと思います。著者の横田庄一郎さんもチェロを弾かれる方だそう。

あらためて単行本版に目を通していて、今さら気がついたのですが、「セロ弾きのゴーシュ」に出てくる金星音楽団の指揮者のモデルは、チェリスト・指揮者で、後に小澤征爾さん・堤剛さんらを育てた斎藤秀雄先生(1902-1974)だという説があり(中丸美繪著「嬉遊曲、鳴りやまず─斎藤秀雄の生涯」)、本書ではそれを支持していますね。※後日加筆

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2015.07.25
Sat

ブラームスのチェロソナタ第1番ホ短調を贈られ"初演"したのはアマチュアチェリスト

七夕の会で弾いたブラームスのチェロソナタ1番ホ短調Op.38について、チェリストの山本裕康さんがツイッターで紹介しておられたエピソードが面白く、個人的にもタイムリーだったので、調べてみました。

ブラームス 作曲家別名曲解説ライブラリー 7 調べてみるとこのチェリストは、ブラームスがウィーンで知り合い親友になった声楽教師ヨゼフ・ゲンスバッハー(Josef Gänsbacher,1829-1911)で、ブラームスはこのチェロソナタ1番を、チェリストとしては"アマチュア"のゲンスバッハーに捧げているのです! ゲンスバッハーは、ブラームスが探していたシューベルトの楽譜を手に入れたりするのに助力したので、その感謝のしるしだったようです[「作曲家別名曲解説ライブラリー・ブラームス」音楽之友社,1993]。

チェロソナタ1番が完成した1865年の夏、ゲンスバッハーのチェロ、ブラームス自身のピアノで「試演」されたことは「ブラームスの音楽と生涯」(吉田秀和,音楽之友社,2000)に書かれていますが、このときにブラームスとゲンスバッハーの間で、ピアノの音量をめぐって上のようなエピソードがあったことは書かれていませんでした。

そこでこのエピソードについて書かれているWikipediaの英語版が出典としている "The Chamber Music of Johannes Brahms"(Henry S. Drinker,Philadelphia: Elkan-Vogel Co.,1932)を見てみると:

... In the course of this performance Brahms played so loud that the worthy Josef complained that he could not hear his cello at all — "Lucky for you, too", growled Brahms, and let the piano rage on.
[このとき演奏する光栄を得たヨゼフ(ゲンスバッハー)は、ブラームスのピアノの音量があまりに大きいので、自分のチェロが聴こえないと不平を言ったところ、ブラームスは「それも君には幸運なことだよ!」と怒鳴るとかまわずピアノをかき鳴らし続けた。※拙訳.原文はarchive.orgから]

同じエピソードをドイツ語で紹介しているバイエルン放送の曲目解説では"Lucky for you"のところは、"Glücklicherweise!"(幸いなことに!)と。

なお、正式な公開初演は6年も経って1871年、ライプツィヒでエミール・ヘーガー(ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者でユリウス・クレンゲルの先生)のチェロとカール・ライネッケのピアノによるものだったようです[上記「作曲家別...」より]。

ブラームスの、チェロソナタ1番ほどのチェロの名曲を捧げられて"初演"したのがアマチュアチェリストだったということには、驚きと同時に、親しみを感じました。

また、このエピソードは、この曲やベートーベンのチェロソナタのように、正式には「ピアノとチェロのためのソナタ」と名付けられている曲におけるピアノとチェロの関係──ピアノとチェロとが対等の関係で音量はピアノの方が圧倒的に大きい──を顕著に示したエピソードだともいえると思います。

たしかにこの曲は、演奏技術的な難易度としてはあまり高くなく、大人からチェロを始めたアマチュアチェリストでも挑戦できるソナタですが、ピアニストと対等の関係でこの曲にふさわしい憂愁を帯びた深い音色で奏でるには、一生かかっても追いつかないと思わせる難しい曲なのですよね…

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2015.04.21
Tue

「紅雲町珈琲屋こよみ」(NHK)

歌手・女優の新妻聖子さんが29日NHK総合テレビで放映される特集ドラマ「紅雲町珈琲屋こよみ」に出演します。

富司純子演じる、珈琲屋を営む老婦人が日常の事件を解決するという吉永南央のシリーズ小説のドラマ化で、 新妻聖子さんが演じるのは、郷里に凱旋した国際的ピアニストという役。
萩を揺らす雨―紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫) 文庫 吉永 南央

このシリーズ小説、この機会に何冊か読んでみたのですが、 老婦人が事件を解決するというところで、クリスティのミス・マープルのようでもあり、 とはいっても殺人事件のような事件が起こるわけではなく、日常の流れの中の"小さな"事件が解決されるのを、 趣味の良い主人公の生活の描写と共に穏やかに楽しめる小説だと思います。連続ドラマ化したかったかも。

ドラマの放送は29日夜7:30~8:43。番組ホームページでは予告動画も見ることができます。

[追記] 見ました。ドラマの中にコーヒーや料理や器にも細やかなこだわりを感じる、それでいて台詞や字幕でうるさく説明しない、落ち着いたいいドラマでした。新妻聖子さんはコンサートでピアノを弾くシーンも。シューベルトの即興曲(Op.90 D899 No.3) いい曲でした。

タグ : 新妻聖子   

2014.12.02
Tue

「夜想曲集」舞台化。チェリストはあのひと

夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫) カズオ イシグロ

チェリストが出てくる、ということで興味をひかれて前に読んだ、カズオ・イシグロの短編集「夜想曲集」が来年、舞台化・上演されるそうです。チェリスト役は、なんとあのNHK朝のドラマ「ごちそうさん」の東出昌大で、初舞台・初主演![報知 14.12.01]。共演は他に安田成美、近藤芳正など。

『夜想曲集』
原作 カズオ・イシグロ(原題「Nocturnes」)
脚本 長田育恵
演出 小川絵梨子
音楽 阿部海太郎
出演 東出昌大 安田成美 近藤芳正 長谷川寧 中嶋しゅう 他
2015年5月11日~24日 天王洲 銀河劇場にて上演
2015年2月 チケット一般発売予定
[ホリプロ 公演情報]

主演の東出昌大さんは、夏頃からプロの指導を受けてチェロの「猛特訓中」とのこと。姿の美しい俳優なので、チェロを弾く姿も美しいのではないかと楽しみです。そういえば、共演の近藤芳正さんも弦楽四重奏団を描いた劇でチェロ奏者の役を演じたことがありますね。

この短編小説集は、音楽が共通のテーマにあるもののそれぞれが独立した短編小説なので、舞台ではオムニバス形式で上演されるのか、それとももう少し違った形になるのか、といったあたりも興味深いです。

[2015年3月追記] 後日公開されたPR/インタビュー動画。冒頭にチェロを構えた姿も…。幕が上がるまでには、もっとサマになっていることでしょう!

タグ :   ドラマのチェロ 

2014.09.14
Sun

青木十良さん死去

チェリストの青木十良さんが99歳で亡くなられたそうです。

訃報:青木十良さん99歳=チェリスト [毎日 2014.09.13]
青木十良さん99歳(あおき・じゅうろう=チェリスト)8日、肺炎のため死去。葬儀は近親者で営んだ。(中略)終戦6カ月前にNHKに入り、チェロ奏者としてプロコフィエフなどの日本初演を行った。85歳を過ぎてから録音を始めたバッハの無伴奏チェロ組曲全6曲で注目を集め、ドキュメンタリー映画「自尊(エレガンス)を弦の響きにのせて」が2012年に公開された。05年度新日鉄音楽賞特別賞。

初めて青木十良さんのことを知ったのは、村上陽一郎さんのチェロの先生としてで、村上先生のコンサートのときには同じ紀尾井ホールの客席にいらしたはず。もちろん現在のチェロ界の重鎮の先生方の多くを教えた方。

チェリスト、青木十良 単行本 飛鳥新社 大原哲夫 チェリスト、青木十良」(大原哲夫著、2011)では、チェリストとしての軌跡をインタビューに答えるかたちで語っておられ、特に戦争中から終戦の頃、NHKのラジオ放送局の現場にチェロ奏者として居合わせた時の話は、飄々としておられながら、時代の証言として迫力がありました。

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2014.08.05
Tue

レイトスターターと言わないで

The Late Starters Orchestra [Kindle版]
Ari L. Goldman

ニューヨークタイムズの記者だったAri Goldmanという今年65歳の男性が、憧れだったチェロを始め、オーケストラに加わるまでの道のりを綴った "The Late Starters Orchestra"という本を出版したそう[Slippediscより. イメージはamazonへのリンク. 以下同様]。

このような、チェロのレイトスターターの挑戦を綴った本としては、これまでにも ジョン・ホルト著「ネヴァー・トゥー・レイト―私のチェロ修業」や石川敦子著「Cello Love ニューヨーク・チェロ修行」などがあり、これらの本に勇気づけられた方も多いと思いますが、この本もこうした中の一冊に加わることになるかどうか。
Cello Love ニューヨーク・チェロ修行 石川敦子 ネヴァー・トゥー・レイト―私のチェロ修業 [単行本]
ジョン ホルト (著), 松田 りえ子

***

この機会に、「レイトスターター」の一人として、ここ数年感じていることを書くと…

憧れだったチェロを大人になって弾き始めてからの歓びや苦労は、それぞれの人生──仕事や家庭やいろいろ──の中での「個人的な物語」で、だからこそ同じチェロという楽器を選んだ者の間では、歩んできた人生は違えど、共感せずにはいられないわけです。

ただ、チェロを通じて色々な経験をし、色々な人と出会ってみると、
「レイトスターターなのにここまで来れた」
「上手くならないのはレイトスターターだから仕方ない。でも楽しもう」
といったことを言葉にするのは、少し恥ずかしいこと、という気もするようになってきました。

そうした「無邪気な『レイトスターター』の連呼」は、自分の心の中でだけならいいですが、人前では言い訳のようで潔くないし、「個人的な物語」の押しつけになって、周りの人に苦々しい思いをさせているかも知れない。

たとえばオーケストラやアンサンブルで別の楽器の人と付き合っていると、彼らにとって自分はチェロの一人でしかなく、何よりまずチェロとしての役割を果たさないといけない。彼らがバイオリン奏者としていかに経験があり優れていても、代わりにチェロを弾いてくれるわけではない。そんな中で「自分はレイトスターターだから」と言ってみても何の意味もない。おそらく彼らは心の中で思うことでしょう。「いいから、ちゃんとやれ」と。

(チェロアンサンブルでも事情は同じかも知れませんが、チェロ同士はもう少し優しい)

おそらく「レイトスターター」ということが自分にとって意味を持ち、支えになる時期の後に、それほどでもなくなる時期、あるいはそんなことは言っていられない時期が来る、ということじゃないかと思います。

このブログも、チェロのことを書くとき、「レイトスターターだから」ということは、言葉にしないまでも書いている視点や前提として、もしかしたらぷんぷんと匂ってしまっているかも知れませんが、そこは所詮「個人的な物語」ということでご容赦ください…

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2014.04.16
Wed

トロントのチェリスト

カナダのトロントで連日チェリストが市内のどこかで演奏するThe Travelling Cellistというイベントが3月から開催されていたことを前に書きましたが、これを記録した公式映像がYouTubeにアップされていました。

サラエボのチェリスト スティーヴン ギャロウェイ このイベントは、小説「サラエボのチェリスト」の元になった、22人の市民が犠牲になった現場でひとりのチェリストが22日間毎日「アルビノーニのアダージョ」を弾いたというエピソードを再現したもので、トロント公立図書館が主催。演奏はトロント交響楽団のチェリストたち。

見て思ったのですが、この曲を公共空間、しかも無伴奏で弾くのは、相当に精神性の高さが求められるというか、緊張しそうですね。

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2014.03.19
Wed

トロントで毎日チェリストが演奏するイベント

The Cellist of Sarajevo Steven Gallowa

カナダのトロントで、チェリストが毎日、市内のどこかでソロ演奏するThe Travelling Cellistというイベントが、今週の17日から4月7日まで行われているそうです。これは、カナダの作家スティーブン・ギャロウェイが実話を元に書いた小説「サラエボのチェリスト」[過去記事]にちなんだイベントで、トロント公共図書館が主催する、読書に親しもうというキャンペーンの一つのよう。

(この本は、日本でも邦訳版が出版されているし、元になった実話は高校の英語の教科書にもヨーヨー・マとのエピソードをまじえて載っている話。)

「サラエボのチェリスト」と同じように、22日間毎日、トロント交響楽団のチェリストらが街に出て「アルビノーニのアダージョ」[過去記事]をソロ演奏するのだそう。いまどきのキャンペーンらしく、演奏中のチェリストの写真を撮って、このキャンペーンのタグ #KeepTorontoReading を付けてツイッターでつぶやくと、抽選でiPad Miniやトロント交響楽団の公演チケット、ギャロウェイ氏の新著などが当たる…とのこと。

文化的なイベントのやりかたのひとつとして、面白いと思ったので。

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2013.09.09
Mon

サラサーテに「潮騒のメモリー」

サラサーテ 2013年 10月号

きのう久しぶりにお会いしたチェロ弾きの方もNHKのドラマ「あまちゃん」を熱心に見ているというので教えてあげたのですが、 サラサーテ10月号巻末に挿入歌「潮騒のメモリー」の楽譜が掲載されています。バイオリンとチェロの二重奏版。

少し弾いてみたのですが、チェロにも少しメロディが分けてあり、楽しめそう。チェロ二重奏版にも簡単にできると思いますが、単純にバイオリンのオクターブ下げでは音域が近過ぎ、多少工夫が必要なのかなと思いました。

年末にある教室の発表会のあとの出し物候補にとっておこうと思います(内緒)。とにかく私の周りでも「あまちゃん」ブームはものすごく、年末の紅白あたりまで収まることがないでしょうから…。
連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック

***

サラサーテ10月号のチェロ関係の記事はあまり多くないのですが、チェロのワンポイントレッスンが、ふつうアマチュアが弾くことのない超難曲(ショスタコーヴィチの協奏曲)ながら、生徒がよく一緒に遊んでいただいている方なので読んでいたら、意外と自分にも役立ちそうなアドバイスがあってヒントになりました。

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