2017.04.02
(Sun)

ヨーヨー・マと首席チェロ奏者が乱闘...

4月1日、ヒューストン交響楽団が発表したところによると、世界的チェリストのヨーヨー・マと同楽団が今年2月に共演した際、同楽団の首席チェロ奏者ブリントン・アヴリル=スミス氏とヨーヨー・マとが乱闘に及んでいたことがわかった…

yoyoma-smith.jpg

原因は、ヨーヨー・マの使うモンタニアーナ1733年のチェロ "Petunia"をめぐる「三角関係」で、 スミス氏が楽屋にあった"Petunia"と自分の楽器をこっそり入れ替えたことにヨーヨー・マが気づいて口論に… スミス氏は後に謝罪し、チェロはヨーヨー・マのもとに返された…とのこと。 ヒューストン交響楽団の公式発表はこちら

ヒューストン交響楽団、なかなかやりますね。

(※追記: Petuniaというとヨーヨー・マが1999年、ニューヨークでタクシーに忘れて有名になったチェロでもありますね)

スミス氏の名誉のために、彼の演奏でポンセ「エストレリータ」。ハイフェッツのバイオリン編曲(Fis-dur)に忠実に弾いていると思われます。

タグ : ヨーヨー・マ  チェロ事件簿 

2017.03.14
(Tue)

ヨーヨー・マがサロネンのチェロ協奏曲を初演

指揮者として有名なエサ=ペッカ・サロネン(58)が新しくチェロ協奏曲を作曲し、 先週9日から11日まで3日間、サロネン指揮シカゴ交響楽団の公演で、ヨーヨー・マによって初演されたそうです。

この曲は、サロネンがヨーヨー・マが弾くことを想定し、シカゴ交響楽団やニューヨーク・フィルなどの共同委嘱作品として、2年間をかけて作曲したチェロ協奏曲で、 サロネンとしては初のチェロ協奏曲(過去にピアノ協奏曲とバイオリン協奏曲が1曲ずつ)。 3つの楽章から成り、12音技法の音の塊の中からチェロの旋律が立ち上がると、やがてオーケストラの楽器群が チェロのソロを"彗星の尾のように"追いかけ、後半にはチェロのソロを電子機器を使ってループさせる箇所もあるのだそう。

終楽章でチェロと民族打楽器がやりとりするところは、ヨーヨー・マのシルクロード・アンサンブルに着想を得ており、 最後はチェロが最高音のB♭まで上っていくらしいのですが、 初めサロネンは1オクターブ下で書いていたけど、ヨーヨー・マは1オクターブ上で弾けると言ったのだそうです[Alex Ross, New Yorker]。

今週15日からはニューヨーク・フィルハーモニックの公演で披露されるそうで、ニューヨーク・タイムズの13日付けの記事でも、サロネンとヨーヨー・マの対談と共に紹介されていました。
「数年前、二人はコンサートの後、マティーニを飲みながらチェロ協奏曲を書く約束をした。問題は、その翌朝、何を約束したかよく思い出せないことだった…」。

先日、プロコフィエフの交響的協奏曲を聴いたときに読んだ話ですが、かのロストロポーヴィチが同時代の作曲家に書かせた曲は、チェロ協奏曲だけで70曲以上あるそう。 その演奏家のために作曲家がどれだけ新しい曲を書いてくれるかも演奏家の偉大さを示すものと言えましょう。

タグ : ヨーヨー・マ 

2017.02.05
(Sun)

国境の街でジョイントコンサート

アメリカのトランプ大統領がメキシコとの国境に壁を作ると言っている中、 アメリカとメキシコ、2つのユースオーケストラがジョイントコンサートを開いて2つの国の人々が音楽でつながれることをアピールし、拍手喝采を受けたそうです[dallasnews.com 17.01.31]。

このニュースを、あのヨーヨー・マが称えるツイートをしていたので知りました。ヨーヨー・マは、トランプ大統領とその政策について、選挙期間も含めて、立場を表明するようなことはありませんでしたが、間接的に触れるのは、先日のシリア人クラリネット奏者の件に続いて二度目だと思います。

"The Bridge"と題したこのジョイントコンサートを開いたのは、アメリカ・テキサス州エルパソのエルパソ・ユース交響楽団と、メキシコのエスペランサ・アステカ交響楽団の若者たち。1月28日にはエルパソで、29日にはエルパソと国境で接するメキシコのシウダー・フアレスの街で、両国国歌のあとヴェルディ「アイーダ」の「勝利の行進」、ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」などを演奏したそう。

アンコールの様子。楽しそう!

タグ : ヨーヨー・マ 

2017.01.31
(Tue)

ヨーヨー・マの仲間がアメリカ入国禁止の危機?

トランプ米大統領が27日、テロの懸念がある国からの入国を制限する大統領令に署名したことで、実際にアメリカへの入国を拒否されるケースが出ている中、ヨーヨー・マ率いるシルクロード・アンサンブルのシリア人クラリネット奏者が、アメリカに再入国できるか懸念されているそう。→Syrian musician in limbo after travel ban [FOX NEWS経由AP 17.01.29]

このクラリネット奏者はキナン・アズメ氏(40)で、アズメ氏はニューヨークに16年住んでグリーンカードも取得しているものの、最近はヨーヨー・マと一緒に中国とヨーロッパをツアーしたのち、現在はレバノンのベイルートに滞在しており、今週アメリカへの再入国が認められるかどうか定かでないとのこと。

アズメ氏のケースは、永住権を意味するグリーンカードまで取得しているので、実際に再入国を拒否される可能性は低いんじゃないかと思いますが、このニュースには、ふだん一貫して政治から距離をとっているヨーヨー・マに、この件で何か言ったり行動したりすることを(メディアが)期待する、ちょっと危うい匂いを感じます。

ヨーヨー・マとアズメ氏の去年の対談[Silkroad Ensembleより]。

[追記] このニュースが流れた後の31日、ヨーヨー・マはツイッターとフェースブックで、26日ドイツ・ハンブルクでアズメ氏はじめシリア人音楽家たちと公演を行ったことを紹介し、「音楽がいかに境界を乗り越えられるかを探究した」とだけ書き込み。

[2月3日追記] アズメ氏は2日夜、無事ニューヨークに戻れたことをFacebookで報告していた。

タグ : ヨーヨー・マ 

2016.11.08
(Tue)

ヨーヨー・マのインタビュー

英ガーディアン紙文化欄の、音楽家に共通した質問をするシリーズにヨーヨー・マ(61)が登場していました。

Facing the music: Yo-Yo Ma [theguardian.com 16.11.07]

以下抄訳。

─アナログ・レコードかデジタルかでは?
両方。

─最初に買ったレコードは?
ピアノのマレイ・ペライアが最初に録音したシューマン「ダヴィッド同盟舞曲集」Op.6と「幻想小曲集」Op.12 [amazon]。

─音楽に関してちょっと恥ずかしい楽しみ(guilty pleasure)は?
妻と録音を聴くこと。

─もし半年間与えられて新しい楽器を習えるとしたら?
テルミン。すばらしい音と歴史を持つ初期の電子楽器です。

─音楽家以外の人生を考えたことがありますか?それは何ですか?
あります。神経科学者か人類学者。これらは音楽と連続性を感じる仕事です。 音楽に力を与えているものと同じものを探究する仕事だと思うからです。 神経科学は心の構造の探究で、人類学はわれわれがコミュニティーとか社会と呼んでいるものを決定づける価値観のわずかな違いの研究です。 音楽はこうした分野をまたがって、ある心の状態を表現したり、聴衆に共通の体験を持つコミュニティーに加わってもらうことができます。

─クラシックの演奏会のスタイルを1つだけ改善するとしたら何ですか?
ステージと聴衆の間の垣根を取り払うこと。 われわれは聴衆と演奏者とを結ぶ共通の目的を見つけなければいけません。 それは何かそれまで違う見方に達したいという欲求です。

─クラシック音楽で一つ誰かに紹介したい作品があるとすると何ですか?
シューベルトのピアノ三重奏曲第2番変ホ長調のカザルス、ホルショフスキー、シュナイダーの演奏。 12才の時から聞いている好きな録音です[YouTube]。

─これまで演奏した中で一番変わった場所は?
ナミビアにあるカラハリ砂漠。ドキュメンタリー映画"The Music of Strangers"[過去記事]に出てきます。

─タイムマシーンがあったら音楽の歴史上どの時代に時間旅行してみたいですか?そのわけは?
100年後の未来に行って帰ってきたい。そうしたら今後正しい選択ができるかも知れない。

─音楽祭の監督として全面的に任せると言われたら、オープニング・イベントに何がしたいですか?
コミュニティーの人がみんな参加できる曲の作曲を委嘱したい。 すべての世代、アマチュアもプロも、音楽をやらない人も巻き込みたい。

─シャワーで歌う歌は何ですか?
シャワーでは何をしても気持ちがいいんだよ。

同じコーナーでアルバン・ゲルハルトがインタビューされていたときの記事はこちら[過去記事]。

タグ : ヨーヨー・マ 

2016.10.29
(Sat)

ヨーヨー・マとボストン交響楽団のエルガー

ヨーヨー・マが先日ボストン交響楽団と弾いたエルガーのチェロ協奏曲が、地元ラジオ局WGBHのサイトでオンデマンドで聴けるようになっていました。

The Boston Symphony Orchestra in Concert: Yo-Yo Ma Plays Elgar [WGBH.org] ソングス・フロム・アーク・オブ・ライフ 
ヨーヨー・マ (アーティスト)

10月22日、ボストンシンフォニーホールでの収録で、指揮は80歳になったシャルル・デュトワ。

ラジオ番組に編集されているためかアンコールはなく、代わりにヨーヨー・マのアルバムから「愛の挨拶」。後半のプログラムはホルスト「惑星」。公開期間は1年間。

いつもながらヨーヨー・マ、すばらしい…。

ヨーヨー・マは今週アメリカ国内での演奏が忙しく、 20日から25日までにボストンでエルガーを4回公演、28日にはシンシナティ交響楽団とドボコン、30日には今度はルイビル管弦楽団と再びエルガー...というスケジュール。

それだけでなく、きのう28日のシンシナティ交響楽団との公演では、ドボルザークのチェロ協奏曲を弾いた後、後半のブラームスの交響曲第2番もチェロセクションに加わって演奏したのだそうです。下がその証拠写真。

[追記] 30日のルイビル管弦楽団の公演でもヨーヨー・マは、エルガーのチェロ協奏曲の後、ドボルザークの交響曲第9番「新世界」の演奏に加わったのだそう。

ヨーヨー・マはこれまで何度もこうしてオーケストラに飛び入りしていますが[過去記事]、その疲れ知らずのスタミナとサービス精神には恐れ入ってしまいます。

タグ : ヨーヨー・マ 

2016.10.25
(Tue)

ヨーヨー・マのマスタークラス

きのう24日、ボストンのニューイングランド音楽院(NEC)で開催されライブ中継された、ヨーヨー・マのマスタークラスのもようがYouTubeで見られるようになっていました。

NECの学生3人のマスタークラスとトークで2時間半ほど行われた全体はいったんYouTubeから削除されましたが、上は再アップされた一部でエルガーの協奏曲

タグ : ヨーヨー・マ 

2016.09.21
(Wed)

ヨーヨー・マのドキュメンタリー映画の日本公開が決定

ちょうど今来日しているヨーヨー・マと、彼が2000年に結成したシルクロード・アンサンブルに密着したドキュメンタリー映画"The Music of Strangers"(2015,過去記事)が、日本でも来年3月公開されることになったそうです。邦題は、なんだか旅行会社のツアー名みたいですが、「ヨーヨー・マと旅するシルクロード」。

ドキュメンタリー映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』来年3月公開決定 [CDJournal 16.09.17]

本作では、音楽界のトップ・スターを影で支えてきた“バックシンガー”に焦点を合わせた『バックコーラスの歌姫たち』(2013年)でアカデミー賞・長編ドキュメンタリー賞を受賞したモーガン・ネヴィル監督がヨーヨー・マに密着。幼少期の貴重な映像や本人へのインタビューをはじめ、親交の深いジョン・ウィリアムズ(作曲家 / 指揮者)、タン・ドゥン(作曲家)、ボビー・マクファーリン(ジャズ・シンガー)らの証言、「J.S.バッハ: 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007」「オリヴィエ・メシアン: 世の終わりのための四重奏曲」「サン=サーンス: 組曲《動物の謝肉祭》より白鳥」などの演奏シーン、音楽仲間たちとのセッションなどから、アグレッシヴな彼の軌跡・生き様を辿る内容となっています。また、ヨーヨー・マが2000年に立ち上げ、日本ではNHK「新シルクロード」(2005年)のテーマ曲を演奏した“シルクロード・アンサンブル”のメンバーにもフォーカスし、伝統と現在の音楽がクロスオーヴァーする様子をフィーチャーしています。

上映はBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座など全国公開だそう。

予告編。

タグ : ヨーヨー・マ 

2016.09.05
(Mon)

ヨーヨー・マ@タングルウッド

ヨーヨー・マが8月27日、ボストン郊外のタングルウッドでボストン交響楽団と共演した演奏会のもようが、クラシック音楽専門ラジオ局WGBHのオンデマンド放送で聴けるようになっていました。

The Boston Symphony Orchestra in Concert - Yo-Yo Ma Plays Haydn and Williams [WGBH] ヨーヨー・マ・プレイズ・ザ・ミュージック・オブ・ジョン・ウィリアムズ

この日のプログラムは、バーンスタインの映画「波止場(On the Waterfront)」から組曲の後、31分頃からヨーヨー・マが登場してハイドンのチェロ協奏曲第1番。 さらに後半にもヨーヨー・マのチェロで、ジョン・ウィリアムズのオーケストラとソロ・チェロのためHeartwood, それにRosewood and Pickin'という曲(右のCDにも所収)。最後はレスピーギ「ローマの松」。演奏はマイケル・スターン指揮のボストン交響楽団。全体で2時間ほどの番組で、公開期間は1年間。

タングルウッドには小澤征爾さんの名をとったセイジ・オザワ・ホールがありますが、この日の会場は Koussevitzky Music Shed(shed=納屋)といって、屋根だけがある半野外の音楽堂のようなホールだったようです。

演奏中のヨーヨー・マ。

タグ : ヨーヨー・マ 

2016.07.22
(Fri)

踊るヨーヨー・マ

チェロを弾きながら楽しそうに踊るヨーヨー・マ(60)とシカゴ交響楽団のチェリストたち…

チェロを立って歩きながら弾けるストラップの普及につとめているチェリストのマイク・ブロック氏がフェースブックに投稿していました。

ブロック氏はシルクロード・プロジェクトの"もう一人"のチェリストで、6月にシカゴ交響楽団のメンバーにヨーヨー・マとブロック氏が加わって開かれたコンサートのリハーサルの合間に撮られたものと思われます。

タグ : ヨーヨー・マ 

« new old »