2017.08.01
Tue

モーツァルトのピアノ四重奏曲第1番

今回弾いたモーツァルトのピアノ四重奏曲第1番K.478には、おもしろい話があって、元はウィーンの音楽家で出版者のホフマイスター(Franz Anton Hoffmeister, 1754–1812)が、アマチュアが家庭で演奏する音楽を出版してひと稼ぎしようと目論み、モーツァルトに3曲のピアノ四重奏曲を作曲するよう依頼したもの。

ところが、モーツァルトからこの楽譜を受け取ったホフマイスターは、これではアマチュアには難しすぎて楽譜が売れないと判断し、残り2曲の契約を打ち切ったのだそう[Wikipedia]。

モーツァルトのもう一曲のピアノ四重奏曲第2番K.493は、別の出版社から出版されたらしいです。

当時のアマチュアが演奏するのにぎりぎり──モーツァルトはアマチュア向けのつもりだった──という加減がどんなものか味わえるのが、この曲のおもしろいところじゃないかと思います。もちろん、それでいてとてもシンプルな美しさがあるのですが。

この曲については前にも書いたように、チェロもさほど難しくなく楽しく弾けるものの、 1ヶ所だけ緊張するいやな箇所がありました。1楽章後半の193小節、一瞬、チェロのソロになるところ(楽譜はIMSLPより。下の動画では8:55くらいのところ)。
K478.png

最近、参考に見ていた動画。チェロはベルリン・ドイツ交響楽団のミッシャ・マイヤー氏。

この他にも、アンドレ・プレヴィンのピアノとN響の堀正文さん、佐々木亮さん、チェロの藤森亮一さんが共演した動画があって、何度も見させてもらいましたが、おそらく10年近く前の放映の個人の録画だと思うのでそっとリンクを張るだけにしておきます。

いずれも映像を見ると、この193小節でチェリストがアップで映るのです! 本番でもここは緊張しましたが、夢中だったので、ちゃんと弾けたかどうかよく覚えていません。

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2017.07.30
Sun

室内楽発表会

所属するオケの室内楽発表会を、区内の医療施設のホールをお借りして聴いていただきました。私が弾いたのは、このところ練習してきたモーツァルトのピアノ四重奏曲第1番K.478の1楽章と、バッハのブランデンブルク協奏曲第3番。2曲ともここまで仲間と練習してきてとても勉強になりました。 170730.jpg

ピアノ四重奏は、一人一人がソロというところがあるので自分の課題でもある「音量」を、ブランデンブルク協奏曲は指揮なしの総勢20名余りの弦で「どうアンサンブルするか」というところを、自分なりのテーマにして取り組んできたつもり。

ピアノ四重奏の本番、中盤を過ぎたところで、エンドピンが引っ込んでしまうハプニング…実は午前中のリハーサルのときにも、思い返せば2年前このホールで弾かせてもらったときにも同じトラブルがあったのです。少し先に3小節の休みがあったので、ここしかないと思って、そこでどうにか復帰しましたが、気をつけないといけないと思いました。

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2016.12.08
Thu

ピアノ・カルテット2

この秋から始めたピアノ・カルテットの第2回。前回の第1番K.478に続いてモーツァルトのピアノ四重奏曲第2番変ホ長調K.493。この2曲が、ピアノ四重奏という編成では「それぞれの楽器をつかって最もよい状況をつくりだすことのできる作品はまずモーツァルトである」(「クヮルテットの楽しみ」、アカデミア)と言われる2曲。

この2番は、美しさと楽しさにおいて1番にひけをとらないほどのいい曲だけど、弦楽器は第1番より少し易しい[参考にしたYouTubeの演奏]。 2楽章がうっとりするほどの美しさ。3楽章は裏拍から始まるところがちょっとカウントを間違えやすいところ。

それにしてもピアノのMさんは、さすがに本職だけあって、音がキラキラとして、指がよく動く…

モーツァルトがなかなかうまくいったものだから皆、気を良くして、次はもっと本格的な曲にもチャレンジしようということになった。 そこで名前が挙がった曲の1つが、ブラームスのピアノ四重奏曲第3番ハ短調Op.60!

この曲は、3楽章のチェロの旋律がとりわけ美しいので、「究極の一曲に取っておきたい」と言ったら、それがかえって他の3人にこの楽章の美しさを再認識させることになってしまい、3楽章だけでもぜひやろうということになってしまった。「"千里の道も一歩から"と言うから、これを第一歩にしたらいいじゃないか」とよくわからない理屈で…

ブラームスのピアノ四重奏曲第3番3楽章。チェロはゲーリー・ホフマン。今年7月、ドイツのコンスタンツ音楽祭での演奏。

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2016.11.30
Wed

ドラマ「カルテット」

新年1月からのテレビで、カルテットの男女4人を描くドラマが始まるそうです。それも第一バイオリンが松たか子、第二バイオリンが松田龍平、ビオラが高橋一生、そしてチェロが満島ひかりさんという実力派のそろった豪華キャスト!脚本は"Woman"などの坂元裕二氏のオリジナルだそう。すでにツイッターで評判になっていたので知りました。

松たか子×満島ひかり×高橋一生×松田龍平、冬の軽井沢で四重奏! [シネマトゥデイ 16.11.30]
火曜ドラマ『カルテット』 [TBS公式]

ある日、4人は"偶然"出会った。女ふたり、男ふたり、全員30代。
4人は、夢が叶わなかった人たちである。
人生のピークに辿り着くことなく、ゆるやかな下り坂の前で立ち止まっている者たちでもある。
彼らはカルテットを組み、軽井沢でひと冬の共同生活を送ることになった。
しかし、その"偶然"には、大きな秘密が隠されていた――。

(満島ひかりさんのコメントより) …私はチェロ弾きの役ですが、正直大変です。あと3年は練習したいし、どんなことになるのか未知です。ですが、ドラマを見た方が何だか癒される作品になるといいなと思います。

カルテットという特殊な人間関係の中で4人がどんな演技を見せてくれるのか、そしてチェリストとして満島ひかりさんがどんなキャラクターを演じてくれるのかが楽しみです。

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2016.10.13
Thu

ピアノ・カルテット

オーケストラの仲間とモーツァルトのピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478の初合わせ。実はピアノつきの室内楽をやるのは初めて。

オーケストラに加わってチェロを弾いていると、弦楽四重奏をやる機会にはわりあい恵まれるものだけど、ピアノつきの室内楽となると意外と機会が少ない。ピアノを誰に弾いてもらうか?というのがなかなか難しい問題だからだ。

ピアノが弾ける人ならたくさんいる。場合によってはプロのピアニストにお願いしたっていいのだが、十分な技量があって、なおかつ(ここが大事なところなのだが)室内楽仲間として対等の関係で、継続的に付き合ってくれるピアニストというと、なかなかいないもののようなのだ。これは、一概にピアノを弾く人の問題というわけではなく、単に「出会い」の問題なのかも知れないが…

今回幸運だったのは、オーケストラのヴァイオリンに、本業がピアノの先生という方がいて、弾いてくれることになったこと。ひと月くらい前にヴァイオリンとヴィオラから誘われて譜読みしていた。

重々しいテーマで始まるドラマチックなト短調の1楽章と、変ロ長調の美しい旋律のある緩徐楽章の2楽章、楽しくユーモラスなト長調の3楽章とがあって、チェロは数か所を除いてさほど難しくなく、楽しく弾ける。 楽譜はIMSLPにあるPetersのものを使った。

ピアノ四重奏曲といえばシューマンやブラームス…と思っていたけど、モーツァルトもすでにこんなに美しい曲を書いていたのかと思った。なんといってもこうしたシンプルで整っていて、それでいて美しい曲に触れると、心が洗われるような気がしてくるのだった。

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2016.09.11
Sun

ARDコンクール弦楽四重奏部門

ドイツで開かれているミュンヘンARD国際音楽コンクールの弦楽四重奏部門で、日本から参加のカルテット・アマービレが第3位に入賞したそうです。

カルテット・アマービレは桐朋学園の4人が結成したカルテットで、ヴァイオリンの篠原悠那さん、北田千尋さん、ヴィオラの中恵菜さん、そしてチェロが笹沼樹さんという4人。 カルテット・アマービレはあわせて委嘱現代曲の優れた解釈に与えられる特別賞も受賞したそうです[コンクールFacebookより]。

各参加者の演奏のオンデマンド映像はこちらから[ドイツ・バイエルン放送]。

カルテット・アマービレの演奏は、8日のセミファイナルがこちら。10日のファイナルの演奏はこちらとYouTubeにも(バルトークの弦楽四重奏曲第4番と29:30頃からシューベルト「死と乙女」)。

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2016.05.03
Tue

アタッカ・カルテットのメッセージ

アメリカを中心に活動している弦楽四重奏団で、2011年大阪国際室内楽コンクールで1位になったアタッカ・カルテットが、震災のあった熊本・益城町へのメッセージ。アタッカ・カルテットは大阪国際室内楽コンクール優勝団体のグランプリ・ツアーで益城町を訪れて公演した縁があるのだそう。

attacca_quartet.jpg 第2ヴァイオリンの徳永慶子さんのメッセージと、ハイドンの弦楽四重奏「皇帝」からの演奏。説明にもあるように、ハイドンは晩年、病のため作曲できなくなり、これから自分がどうなってしまうのだろうと不安に苛まれたとき、この曲を何度もピアノで奏でることで心を慰めたのだそう。

アタッカ・カルテットは、「弦楽四重奏の父」とも言われるハイドンの弦楽四重奏曲全68曲を全て演奏する長期プロジェクトに取り組んでいて、この5月12日にニューヨーク市内の教会で開くコンサートでその6年がかりのプロジェクトが完結することが、ニューヨークタイムズの記事でも紹介されていました。※後日追記

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2015.08.26
Wed

山荘でカルテット

伊豆の山荘で、カルテット三昧の3日間を過ごしてきました。

例年よくおじゃましている山荘で、オーナーの第1バイオリンに、オーケストラでご一緒している第2バイオリンとビオラ、それに私の4人。この組み合わせでのカルテットは初めて。

暑い東京を逃れたつもりが、今回は台風接近の影響もあってか、高原の上は肌寒い雨模様。聞けば都内も涼しかったよう。

いつものように、街に食料の買い出しに行き、みんなで料理と食事。 目玉はなんといっても近くでとれた新鮮な魚の干物をテラスの七輪であぶって、地元のお酒といっしょに。 夜は遅くまで音楽三昧。2日目は近くの温泉に浸かって、帰りに買い出し。戻ってまた練習…。

今回4人で主に練習したのは、メンデルスゾーンの1番Op.12と、シューマンの1番Op.41-1の2曲。 この2曲、超有名曲というほどではないけど、美しく楽しい旋律がちりばめられていて、 弾けば弾くほど、これらがどうしてもっと有名曲にならなかったのかと不思議に思えてくる。ところが、この2曲のことは、あの「クヮルテットのたのしみ」の中ですら、たった数行ずつ、ごくあっさりとしか触れられていないし、そもそもメンデルスゾーンとシューマンの2人の弦楽四重奏作品について1ページずつしか触れられていないのは、この2人の作曲家に対しては、不当な扱いではなかろうか?…

とにかく室内楽というものは、いい曲がいくらでもころがっているもののようだ。

それにしても、別荘というものは、自分のものにするのはもちろん大変なことなのだろうけど、 自宅とは別にもう一つ居心地のいい住処を維持し続けるには、よほどマメでなければならない。自分のような者が快適な別荘ライフを楽しむには、自分で別荘を持つよりは、「別荘に呼んでもらえるチェロ弾きになること」のほうが近道かも。

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2015.07.14
Tue

アンサンブル夏の陣

夏恒例となったアンサンブル発表会に向けて練習中。

  • ハイドン弦楽四重奏曲第79番Op.76-5「ラルゴ」 1,2楽章
    2楽章ラルゴの旋律が美しい。時間の関係で速い3,4楽章をカットすることになったのは、残念なような少し気が楽になったような…
  • グリーグ「2つのノルウェーの旋律」Op.63 (弦五部)
    「民謡風」「牛飼いの歌」にチェロにも美しい旋律。「農夫の踊り」は楽しくユーモラス。
  • ショスタコーヴィチ セカンドワルツなど3曲 (弦五部)
    ショスタコーヴィチとロシア民謡と日本の演歌までの系譜をつなげる企画物。
  • ヴィヴァルディ フルート協奏曲第3番RV.428「五色鶸(ごしきひわ)」
    フルートトップを引き立てる通奏低音。

どれも有名曲というほどではないけど、美しい旋律があり、この曲をやりたいと言ってくれた人の思いや趣味の良さが感じられる、いい曲ばかり。

4組もあるのは、僕が人気だからというわけではなく、それだけチェロが必要とされるから。 暑い季節、練習を渡り歩くのはちょっと大変だけど、声を掛けてもらえるうちが花だと思って、1つ1つおろそかにしないようにさらっているつもり。

この本番が終わったら、とまた別の組合せのカルテットに声を掛けて頂いていて、 メンデルスゾーンとシューマンのそれぞれ1番も譜読みを始めたところ。これがまたどちらもいい曲。

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2015.03.16
Mon

先週の練習

今年の弦楽四重奏の初合わせ。前に書いたハイドンの「ラルゴ」Op.76-5シューベルトの第13番「ロザムンデ」D804の2曲。 まずは合わせてみて、今後練習する曲を絞ろうという話だったのだが、2曲それぞれにいい曲で、似たような構成の4楽章ものでありながら全く趣が違っていて面白い。1回の合わせでお蔵入りさせるのも忍び難く、引き続き2曲を並行して練習することになった。

技術的な難易度で言えばシューベルト「ロザムンデ」のほうが(「クヮルテットのたのしみ」によれば有名な「死と乙女」ほどではないにしても)難しい。 終楽章の速い6連符に気を取られていたら、ピチカートと弓の持ち替えで落ちてしまった。

それにしても、弦楽四重奏2曲を同じ日に初合わせするなどということは、 以前なら「初見だから」とか「アルコールが入っているから」とかの言い訳でもないとできなかったのが、 それができるだけ少しは力がついたということかも知れないと心密かに思った。

先週はこの他、デュポールの2番、ブラームスのソナタ1番を引き続き。 今週はもう3月最後のレッスン。週末にオーケストラで合わせる新曲の序曲がもう1曲。

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