2015.08.26
Wed

山荘でカルテット

伊豆の山荘で、カルテット三昧の3日間を過ごしてきました。

例年よくおじゃましている山荘で、オーナーの第1バイオリンに、オーケストラでご一緒している第2バイオリンとビオラ、それに私の4人。この組み合わせでのカルテットは初めて。

暑い東京を逃れたつもりが、今回は台風接近の影響もあってか、高原の上は肌寒い雨模様。聞けば都内も涼しかったよう。

いつものように、街に食料の買い出しに行き、みんなで料理と食事。 目玉はなんといっても近くでとれた新鮮な魚の干物をテラスの七輪であぶって、地元のお酒といっしょに。 夜は遅くまで音楽三昧。2日目は近くの温泉に浸かって、帰りに買い出し。戻ってまた練習…。

今回4人で主に練習したのは、メンデルスゾーンの1番Op.12と、シューマンの1番Op.41-1の2曲。 この2曲、超有名曲というほどではないけど、美しく楽しい旋律がちりばめられていて、 弾けば弾くほど、これらがどうしてもっと有名曲にならなかったのかと不思議に思えてくる。ところが、この2曲のことは、あの「クヮルテットのたのしみ」の中ですら、たった数行ずつ、ごくあっさりとしか触れられていないし、そもそもメンデルスゾーンとシューマンの2人の弦楽四重奏作品について1ページずつしか触れられていないのは、この2人の作曲家に対しては、不当な扱いではなかろうか?…

とにかく室内楽というものは、いい曲がいくらでもころがっているもののようだ。

それにしても、別荘というものは、自分のものにするのはもちろん大変なことなのだろうけど、 自宅とは別にもう一つ居心地のいい住処を維持し続けるには、よほどマメでなければならない。自分のような者が快適な別荘ライフを楽しむには、自分で別荘を持つよりは、「別荘に呼んでもらえるチェロ弾きになること」のほうが近道かも。

タグ : カルテット 

2015.07.14
Tue

アンサンブル夏の陣

夏恒例となったアンサンブル発表会に向けて練習中。

  • ハイドン弦楽四重奏曲第79番Op.76-5「ラルゴ」 1,2楽章
    2楽章ラルゴの旋律が美しい。時間の関係で速い3,4楽章をカットすることになったのは、残念なような少し気が楽になったような…
  • グリーグ「2つのノルウェーの旋律」Op.63 (弦五部)
    「民謡風」「牛飼いの歌」にチェロにも美しい旋律。「農夫の踊り」は楽しくユーモラス。
  • ショスタコーヴィチ セカンドワルツなど3曲 (弦五部)
    ショスタコーヴィチとロシア民謡と日本の演歌までの系譜をつなげる企画物。
  • ヴィヴァルディ フルート協奏曲第3番RV.428「五色鶸(ごしきひわ)」
    フルートトップを引き立てる通奏低音。

どれも有名曲というほどではないけど、美しい旋律があり、この曲をやりたいと言ってくれた人の思いや趣味の良さが感じられる、いい曲ばかり。

4組もあるのは、僕が人気だからというわけではなく、それだけチェロが必要とされるから。 暑い季節、練習を渡り歩くのはちょっと大変だけど、声を掛けてもらえるうちが花だと思って、1つ1つおろそかにしないようにさらっているつもり。

この本番が終わったら、とまた別の組合せのカルテットに声を掛けて頂いていて、 メンデルスゾーンとシューマンのそれぞれ1番も譜読みを始めたところ。これがまたどちらもいい曲。

タグ : カルテット 

2015.03.16
Mon

先週の練習

今年の弦楽四重奏の初合わせ。前に書いたハイドンの「ラルゴ」Op.76-5シューベルトの第13番「ロザムンデ」D804の2曲。 まずは合わせてみて、今後練習する曲を絞ろうという話だったのだが、2曲それぞれにいい曲で、似たような構成の4楽章ものでありながら全く趣が違っていて面白い。1回の合わせでお蔵入りさせるのも忍び難く、引き続き2曲を並行して練習することになった。

技術的な難易度で言えばシューベルト「ロザムンデ」のほうが(「クヮルテットのたのしみ」によれば有名な「死と乙女」ほどではないにしても)難しい。 終楽章の速い6連符に気を取られていたら、ピチカートと弓の持ち替えで落ちてしまった。

それにしても、弦楽四重奏2曲を同じ日に初合わせするなどということは、 以前なら「初見だから」とか「アルコールが入っているから」とかの言い訳でもないとできなかったのが、 それができるだけ少しは力がついたということかも知れないと心密かに思った。

先週はこの他、デュポールの2番、ブラームスのソナタ1番を引き続き。 今週はもう3月最後のレッスン。週末にオーケストラで合わせる新曲の序曲がもう1曲。

タグ : カルテット 

2015.02.19
Thu

チェロ多毛作

3月になったら合わせてみる約束の弦楽四重奏曲を譜読み中。 ここ数年、秋冬はチェロアンサンブル、春夏は室内楽、秋にはオーケストラの本番があり、その他に年間を通して何かソロ曲をレッスンで見てもらい…と、同じチェロを弾きながらそれぞれ違った音楽を「三毛作」「四毛作」する機会に恵まれているのはたいへん幸運なことだと思う。

もちろん初めから計画的にこのようにしようとしてなったわけではなく、 チェロを弾くからにはひととおりの楽しみ方は経験したいと思いつつ、いっぺんに何でもこなす力はないので、色々あった末にこうなった、というのが正しい(だから例えば秋冬以外はチェロアンサンブルはやりません、と言っているわけではないです…)。

ただ、この「多毛作」のいいところは、すべてを同時並行でやるよりも負担が少ないし、メリハリがつき飽きがこない。 それにチェロアンサンブルで学んだことが室内楽で活かせたりといった具合に、互いに相乗効果がある。 そうして一年経って一周巡ってみると、螺旋階段を一階分上ったように、前の年よりちょっとは上達したかな、と思えるのだ。 今回の弦楽四重奏では少しは上達したと言ってもらえるだろうか…

***

譜読みをしている曲の1つが、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76-5「ラルゴ」ニ長調。 「皇帝」「日の出」「五度」などのOp.76のシリーズの1曲で、いかにもハイドンらしく整った美しさと楽しさがあり、勉強になりそう。 どの楽章もファーストバイオリンが弾いた旋律をまもなくチェロが受け継ぎ、密かに責任重大。 2楽章のラルゴが特に美しく印象的なので、曲全体がその名で呼ばれているらしい。

この2楽章ラルゴだけがなぜか嬰へ長調(♯6つ)。「クヮルテットの楽しみ」では、♯をドイツ語ではKreuz=十字架というので、十字架がたくさんあることから「墓場のラルゴ」と書いていた。音程を正しくとるのが難しいから…という意味もありそう。

アメリカのジャスパー・カルテットによる演奏。 こんな風に楽しく弾けたらどんなにいいか!2楽章のラルゴは 5分過ぎから。

タグ : カルテット 

2015.02.10
Tue

機内で「狩り」

飛行機で「いい話」も…8日日曜日、アメリカのシアトルから飛び立とうとしていたアラスカ航空の出発が機器の不調で遅れる中、乗り合わせたシアトル交響楽団の弦楽奏者たちが演奏を始めて乗客たちを和ませたのだそう。モーツァルトの弦楽四重奏「狩り」。

[SlippedDisc経由King5より]

少し前にも、中国をツアー中のフィラデルフィア管弦楽団のメンバーが、北京空港に足止め中の機内でドボルザークの「アメリカ」を弾いて乗客たちに喜ばれたことがありました。

タグ : カルテット 

2014.11.02
Sun

原田禎夫さんのインタビュー記事

すばらしい記事だと思ったので。東京クヮルテットのチェロ奏者として活躍された原田禎夫さんのインタビュー。カルテットで演奏するということについて、師・斎藤秀雄氏について、など。

チェロ奏者のご紹介: 原田 禎夫(はらだ さだお) [cello-cafe.com チェロカフェ 14.10.31]

こういう話をうかがうと、アマチュアとして、こういうかたが打ち込んできたカルテットの世界、そしてチェロの世界が少しでも垣間見られたら、という気になるし、プロの音楽家への尊敬を深くします。

原田禎夫さんについては、2年前、東京・春・音楽祭の春祭ジャーナルにライターの一志治夫さんというかたが書いた記事があり、このときも「よくここまで話せた(書けた)な」と思いました。

チェリスト・原田禎夫 [春祭ジャーナル 文・一志治夫 12.03.17]

上のチェロカフェのインタビューと重なる内容の部分もありますが、今回のチェロカフェのインタビューは、最新のインタビューなのと、原田さんの生の声が聞こえてきそうなところがいいです。アマチュアについても。

原田禎夫さんの人間的魅力については、チェリストの山本裕康さん(@celloyasu)が書いておられる語録が好きです。

最強・世界の原田禎夫語録 [togetter.com]

タグ : カルテット 

2014.08.30
Sat

あのカルテットも氷水

ソロ・チェリストオーケストラと来たら弦楽四重奏団も…あのエマーソン弦楽四重奏団のバイオリン、ユージン・ドラッカー氏もALSアイス・バケツ・チャレンジ。

ドラッカー氏もバイオリニストだった父親をALSで亡くしているのだそうで、こうして見てくると、ALSってたくさんの方がかかっている病気なんですね…

ドラッカー氏の次の指名が、同じエマーソン弦楽四重奏団のビオラのローレンス・ダットン氏、それにチェロのポール・ワトキンス氏、それからピアノのエマニュエル・アックス!カルテットのもう一人のバイオリン、フィリップ・セッツァー氏を指名しなかったのは、同じカルテットのバイオリン同士の「微妙な人間関係」というものでありましょうか。

なお、昨年までエマーソン弦楽四重奏団のチェロ奏者だったデヴィッド・フィンケル氏は、ここでは指名されていませんが、 イギリスのバイオリン奏者ダニエル・ホープに指名されていました。ホープ氏に氷水をかけているのは、メゾソプラノのアンネ=ゾフィー・フォン・オッター。フィンケル氏がチャレンジを受けたかどうか、まだわかっていません。

ドラッカー氏の裸の動画だけでは申し訳ないので、エマーソン弦楽四重奏団の紹介ビデオ。

タグ : カルテット  デヴィッド・フィンケル 

2014.08.11
Mon

アンサンブル発表会

10日、団内のアンサンブル発表会本番。台風11号の影響を受けた風雨の中、 チェロと衣装を持って、時折吹きつける雨を傘でよけながら、リハーサルのある区民会館、そこから本番のある公会堂まで歩くのは、ちょっと大変だった。衣装は前半が黒、後半が白のシャツ。ズボンと靴は濡れても大丈夫そうなもので行った。 140803-1.jpg

ベートーベンの弦楽四重奏Op.18-4(1,3,4楽章)は、練習してきたことは出せたと思う。 チェロのソロは、かなり思い切って弾いたつもりだけど、音量や伸びは「それなり」でしかなかったかも知れない。でもそれが今の実力ということ。 一番早くから練習を重ねてきた4人なので安定していたし、誰か1人に細かなミスがあっても、残りの3人が崩れなかった。

モーツァルトのディベルティメントK.136(1楽章)は、カルテット初挑戦の第1バイオリン、K.138(全3楽章)はシニア組に加えてもらって、皆やさしく、練習が楽しかった。この2曲では個人的に「きざみ」をテーマにした。

エルガーの弦楽セレナーデOp.20は快調にすべり出したものの、3楽章で事故が起こった。 途中で生じたズレが修復不可能と判断した第1バイオリンのKさんが弓を止めた。3楽章冒頭から弾き直し…2度めはうまくいった。

終わってから舞台裏でビオラが近寄って来て、
「なんでだろうねえ...ほら、チェロのあそこのメロディ、あるじゃない...」。
ズレたのはチェロのせいだ、と言いたそうだった。まあ、後で録音を聴いてみればわかること。

だいたい本番では、練習でさんざん苦労した所は意外とすんなりと切り抜けることができたりし、その代わり練習では起こったことがない事故が起こったりするもののようだ。

最後のオーボエとフルートの協奏曲2曲は、ホッとして集中力を切らさないようにと気をつけた。 特に、長い休みの小節のカウントを間違えないように。 楽器を握った左手の指を折る動作と同時に、目の前にデジタル表示の掲示板を思い浮かべるようにした。

忙しかった練習の日々が終わった。この後は、秋の定期演奏会に向けてがんばらないと。

タグ : カルテット 

2014.08.02
Sat

今週の練習

来週のアンサンブル発表会で弾く曲の練習が佳境。 ベートーベン弦楽四重奏曲Op.18-4は2楽章だけを除いて1,3,4楽章を弾かせてもらうことになった。 エルガーの弦楽セレナーデOp.20は美しい曲(特に2楽章)。 モーツァルトのディベルティメントK.136とK.138は刻みの弾き方を研究してみたつもり。 それにフルート協奏曲とオーボエ協奏曲のTuttiが1曲ずつの計6曲。 それぞれについてあれこれ言い出せばきりがないけど、とにかくこれだけ弾かせてもらえることに感謝。

1つだけ。ベートーベンの18-4の1楽章、それまでもっぱら伴奏役をしていたチェロが突如としてソロを弾き始めるところについて、 指導のS先生に「あー忙しい!って台所から手を拭きながら出て来るんじゃなくて…」と言われたのがおかしくて、そこをさらうたびに笑えてくる。

ボッケリーニの協奏曲は3楽章。ピアッティのカプリースは、スピッカートの5番をゆっくり。この5番も旋律と和声とがあって面白い曲だと思うのだが、まだそれが聞こえるまでには弾けない。

指の痛みは気にならなくなってきた。やはり指には4番がいけなかったか。

タグ : カルテット 

2014.06.29
Sun

カルテット・レッスン

8月に本番で弾くベートーベンの弦楽四重奏Op.18-4のS先生のレッスン。 このS先生に室内楽を見てもらうといつもパッと視界が開けるような、その曲がますます面白くなってくるような、そんな気がする。

このベートーベンOp.18-4についても先生の言うことが面白い。1楽章の冒頭はオーケストラになったつもりで。 2楽章、謹厳実直な職人が仕事をしている感じ。3楽章、ミステリー要素。4楽章、何か油っこいものを食べてから… もちろんその一言に続いて具体的な箇所の弾き方をわかりやすく指導してくれるから、 1時間も経つとずいぶん曲の理解が進み、自分たちが少し上手くなった気がしてくる。

そんなわけで大変有意義なレッスンになった。

問題は本番で何楽章を弾くかまだ決まっていないこと。まあどう転んでも1楽章は弾くことになるけど、あとの楽章はもらえる時間しだい。 個人的には2楽章がどことなくユーモラスで気にいっているし、3楽章メヌエットも捨てがたい。華々しく終わるなら4楽章も欠かせない。 いっそ「全楽章弾かせて」と捻じ込んでみたらと思っているのだが。

タグ : カルテット 

»