善福寺手帳

ぜんぷくじてちょう

あのカルテットも氷水

[ 2014/08/30 Sat] 雑記

ソロ・チェリストオーケストラと来たら弦楽四重奏団も…あのエマーソン弦楽四重奏団のバイオリン、ユージン・ドラッカー氏もALSアイス・バケツ・チャレンジ。

ドラッカー氏もバイオリニストだった父親をALSで亡くしているのだそうで、こうして見てくると、ALSってたくさんの方がかかっている病気なんですね…

ドラッカー氏の次の指名が、同じエマーソン弦楽四重奏団のビオラのローレンス・ダットン氏、それにチェロのポール・ワトキンス氏、それからピアノのエマニュエル・アックス!カルテットのもう一人のバイオリン、フィリップ・セッツァー氏を指名しなかったのは、同じカルテットのバイオリン同士の「微妙な人間関係」というものでありましょうか。

なお、昨年までエマーソン弦楽四重奏団のチェロ奏者だったデヴィッド・フィンケル氏は、ここでは指名されていませんが、 イギリスのバイオリン奏者ダニエル・ホープに指名されていました。ホープ氏に氷水をかけているのは、メゾソプラノのアンネ=ゾフィー・フォン・オッター。フィンケル氏がチャレンジを受けたかどうか、まだわかっていません。

ドラッカー氏の裸の動画だけでは申し訳ないので、エマーソン弦楽四重奏団の紹介ビデオ。

タグ : カルテット  デヴィッド・フィンケル 

アンサンブル発表会

[ 2014/08/11 Mon] チェロと音楽

10日、団内のアンサンブル発表会本番。台風11号の影響を受けた風雨の中、 チェロと衣装を持って、時折吹きつける雨を傘でよけながら、リハーサルのある区民会館、そこから本番のある公会堂まで歩くのは、ちょっと大変だった。衣装は前半が黒、後半が白のシャツ。ズボンと靴は濡れても大丈夫そうなもので行った。 140803-1.jpg

ベートーベンの弦楽四重奏Op.18-4(1,3,4楽章)は、練習してきたことは出せたと思う。 チェロのソロは、かなり思い切って弾いたつもりだけど、音量や伸びは「それなり」でしかなかったかも知れない。でもそれが今の実力ということ。 一番早くから練習を重ねてきた4人なので安定していたし、誰か1人に細かなミスがあっても、残りの3人が崩れなかった。

モーツァルトのディベルティメントK.136(1楽章)は、カルテット初挑戦の第1バイオリン、K.138(全3楽章)はシニア組に加えてもらって、皆やさしく、練習が楽しかった。この2曲では個人的に「きざみ」をテーマにした。

エルガーの弦楽セレナーデOp.20は快調にすべり出したものの、3楽章で事故が起こった。 途中で生じたズレが修復不可能と判断した第1バイオリンのKさんが弓を止めた。3楽章冒頭から弾き直し…2度めはうまくいった。

終わってから舞台裏でビオラが近寄って来て、
「なんでだろうねえ...ほら、チェロのあそこのメロディ、あるじゃない...」。
ズレたのはチェロのせいだ、と言いたそうだった。まあ、後で録音を聴いてみればわかること。

だいたい本番では、練習でさんざん苦労した所は意外とすんなりと切り抜けることができたりし、その代わり練習では起こったことがない事故が起こったりするもののようだ。

最後のオーボエとフルートの協奏曲2曲は、ホッとして集中力を切らさないようにと気をつけた。 特に、長い休みの小節のカウントを間違えないように。 楽器を握った左手の指を折る動作と同時に、目の前にデジタル表示の掲示板を思い浮かべるようにした。

忙しかった練習の日々が終わった。この後は、秋の定期演奏会に向けてがんばらないと。

タグ : カルテット 

今週の練習

[ 2014/08/02 Sat] チェロと音楽

来週のアンサンブル発表会で弾く曲の練習が佳境。 ベートーベン弦楽四重奏曲Op.18-4は2楽章だけを除いて1,3,4楽章を弾かせてもらうことになった。 エルガーの弦楽セレナーデOp.20は美しい曲(特に2楽章)。 モーツァルトのディベルティメントK.136とK.138は刻みの弾き方を研究してみたつもり。 それにフルート協奏曲とオーボエ協奏曲のTuttiが1曲ずつの計6曲。 それぞれについてあれこれ言い出せばきりがないけど、とにかくこれだけ弾かせてもらえることに感謝。

1つだけ。ベートーベンの18-4の1楽章、それまでもっぱら伴奏役をしていたチェロが突如としてソロを弾き始めるところについて、 指導のS先生に「あー忙しい!って台所から手を拭きながら出て来るんじゃなくて…」と言われたのがおかしくて、そこをさらうたびに笑えてくる。

ボッケリーニの協奏曲は3楽章。ピアッティのカプリースは、スピッカートの5番をゆっくり。この5番も旋律と和声とがあって面白い曲だと思うのだが、まだそれが聞こえるまでには弾けない。

指の痛みは気にならなくなってきた。やはり指には4番がいけなかったか。

タグ : カルテット 

カルテット・レッスン

[ 2014/06/29 Sun] チェロと音楽

8月に本番で弾くベートーベンの弦楽四重奏Op.18-4のS先生のレッスン。 このS先生に室内楽を見てもらうといつもパッと視界が開けるような、その曲がますます面白くなってくるような、そんな気がする。

このベートーベンOp.18-4についても先生の言うことが面白い。1楽章の冒頭はオーケストラになったつもりで。 2楽章、謹厳実直な職人が仕事をしている感じ。3楽章、ミステリー要素。4楽章、何か油っこいものを食べてから… もちろんその一言に続いて具体的な箇所の弾き方をわかりやすく指導してくれるから、 1時間も経つとずいぶん曲の理解が進み、自分たちが少し上手くなった気がしてくる。

そんなわけで大変有意義なレッスンになった。

問題は本番で何楽章を弾くかまだ決まっていないこと。まあどう転んでも1楽章は弾くことになるけど、あとの楽章はもらえる時間しだい。 個人的には2楽章がどことなくユーモラスで気にいっているし、3楽章メヌエットも捨てがたい。華々しく終わるなら4楽章も欠かせない。 いっそ「全楽章弾かせて」と捻じ込んでみたらと思っているのだが。

タグ : カルテット 

室内楽コンクール

[ 2014/05/21 Wed] チェロと音楽

大阪で行われていた大阪国際室内楽コンクールのようすを少しだけインターネット中継で見た。室内楽に取り組む若手(15~35歳)のトップレベルの奏者たちが世界から集まる3年に1度のコンクールで、出場団体を見るとすでに実績ある常設のグループが遠く欧米からも参加しているのが目についた。

音楽を学ぶ過程としてでなく、ひとつの到達点として室内楽に賭ける彼らの精妙なアンサンブルを見ていると、 この人たちはどのように室内楽を──ソリストやオーケストラ奏者でなく──選ぶに至ったのだろう?と考えずにはいられなかった。

室内楽のアンサンブルを作り上げるには長い時間が必要で、他の演奏活動もしながらでは難しいという。 いきおいどうしてもスペシャリスト化する。その割には、同じ楽器奏者としてソリストなどと比べるとどうしても陽が当たらない、という点でテニスのダブルス・スペシャリストたちと似ているように思う。 彼らも比較的若い段階からシングルスでなくダブルスに専念して、決まったパートナーと世界を転戦する。

彼らのプレーを見たくてコートサイドに足を運ぶ熱心なファンは多い(ただしテレビ中継しても視聴率は低いらしい)。 大会ではどうしてもシングルス優先で、ダブルスは前座的に扱われることが多い。 ダブルスの人気を盛り上げるために過去いろいろと知恵が絞られたことがあるけどどれもあまり効果がなく、 双子のブライアン兄弟のようなスターが出ると少し足を運ぶ人が増える…。

室内楽コンクールでは、特にチェロが女性のグループに目が行ってしまった。 第2部門、ピアノ三重奏で3位に入ったフランスのアタナソフ・トリオのSarah Sultanさんはケラスに学んだそう。 第1部門で2位になったイギリスのカヴァレリ・カルテットのRowena Calvertさんは、Stradによると本選直前に弓の毛が外れてしまうトラブルがあり、急遽ひとの弓を借りて、それでも2位に入る演奏をやりとげたのだそう。

今回、インターネット中継で見られたのはよかった。公式サイトに出場順だけでなく演奏曲と出場団体のプロフィールくらいはあったらいいのにと思った。

タグ : カルテット 

ベートーベン弦楽四重奏第4番

[ 2014/03/10 Mon] チェロと音楽

土曜日、二日酔いを押してベートーベン弦楽四重奏第4番Op.18-4の合わせ。1~4楽章を行きつ戻りつ、2時間ほど。

これまでカルテットというと、初めて弾いたドボルザーク「アメリカ」がずいぶん背伸びだったものの、 以降はモーツァルト「狩り」、ベートーベンの1番Op.18-1、そしてボロディンの2番(1楽章)とわりあい「健全」な道を歩んでいる中で、S先生にもアドバイスをもらって選んでもらったのがこの曲。ベートーベンらしい情熱が溢れていて、初めてでも合わせやすいという印象。

第1楽章Allegroはハ短調の深刻な主題から始まるものの、すぐにヘ長調の明るい旋律が出てきて、チェロにも短いソロがある。 第2楽章Scherzoは3拍子のフーガのよう。第3楽章はメヌエット。第4楽章Allegroは華やか。

本番で限られた時間に弾くとしたらやはり聴き映えのしそうな1,4楽章だろうか(繰り返しありなしで調節できるし)。 アンサンブルの勉強としては2,3楽章もしっかり練習したいところ。弦楽四重奏曲はどれもそうだが、第1バイオリンが忙しくて大変そう。

楽譜はIMSLPからダウンロードしたパート譜に ベーレンライターのスコアを見て修正を入れた。忙しい第4楽章の途中にめくりが入るまま製本したのはうかつだった。 それと、C線(ときにG)の開放弦を使わざるを得ないところがありチューニングに注意しないと。

参考にさせてもらっている若いひとたちの演奏。

タグ : カルテット 

東京クヮルテットのストラディバリウスセットがハーゲン・クァルテットへ

[ 2014/03/07 Fri] 雑記
ハーゲン弦楽四重奏団 - ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第3番/第5番/第16番[SACD-Hybrid]

昨年までで活動を終えた東京クヮルテットが使っていた日本音楽財団所有のストラディヴァリウスセット「パガニーニ・セット」は、ハーゲン・クァルテットに貸与されることになったそうです[やくぺん先生うわの空 14.03.06 より]。

発表リリース。

Since summer of 2013, the Hagen Quartett has been performing on instruments made by Antonio Stradivari, known as the "Paganini" quartet, generously on loan by the Nippon Music Foundation. [Impresariat Simmenauer - News]

日本音楽財団の保有楽器紹介にも、すでにハーゲン・クァルテットの名前で紹介されていました。

ストラディヴァリウス「パガニーニ・クヮルテット」

1680年製ヴァイオリン「パガニーニ」
1727年製ヴァイオリン「パガニーニ」
1731年製ヴィオラ「パガニーニ」
1736年製チェロ「パガニーニ」

アントニオ・ストラディヴァリ(1644~1737)製作による楽器で構成されたクヮルテットは、世界で6セットの存在が知られている。このクヮルテットはその1つであり、19世紀の伝説的なヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニ(1782~1840)が所有していたことでも有名である。日本音楽財団は1994年にアメリカ・ワシントンD.C.のコーコラン美術館よりこのクヮルテットを購入した。同美術館にこのクヮルテットを寄贈した米国のアンナ・E・クラーク夫人の意志を受け継ぎ、当財団は4挺を常にセットとして四重奏団に貸与している。

長期貸与者
・1995年 9月 - 2013年7月東京クヮルテット
・2013年12月 - ハーゲン・クァルテット
[日本音楽財団 保有楽器]

貴重な名器の行き先が決まったのはよかったと思いますし、元々馴染みの深いハーゲン・クァルテットと日本の結びつきもより一層強くなりそうですね。

追記1:
また、このようにストラディバリウスだけのクヮルテットが、世界で6セットだけあるというのも今回初めて知りましたが、以前撮影中にネックが折れたスペイン王室保有のチェロもそうしたセットの1つだと読んだ記憶があります。それだけ貴重なものなんですね。

追記2:
ストラディバリウスの行方といえば、ロストロポーヴィチが弾いていたチェロ"デュポール"(1711年)はその後、誰かに引き継がれたという話を聞かないけれど、どうしたのだろう…と気になっています。

タグ : カルテット 

新国立劇場「OPUS」

[ 2013/09/26 Thu] ステージ

弦楽四重奏団を描いた演劇「OPUS」を新国立劇場で観てきました。

リーダーで第1バイオリンの段田安則、少し調子者の第2バイオリンの相島一之、 天才肌で最も厳しい耳を持つが精神が不安定なビオラの加藤虎之介、 何かにつけ丸くおさめようとするチェロの近藤芳正、そこに新しく加わる若いビオラの伊勢佳世という配役と、そこで展開される人間関係のもつれは、いかにもそんな弦楽四重奏団がありそうな感じ。

キャストはこの5人だけ。舞台は四方を客席が囲む舞台に4人のイスと譜面台があるだけのシンプルなもの。

場面は4人が揃った練習風景が中心で、ここで交わされる音楽の専門的な台詞が妙にもっともらしいと思ったら、作者のマイケル・ホリンガーという人はビオラ奏者として音大を出た人なのだそう。

俳優たちもまた、楽器をケースから出したり演奏したりする仕草が手慣れた感じ。 演奏シーンでは、左手はほとんど動かしていないのですが、右手の弓の動きが音楽に合っていて、それだけでも相当リアリティが出るものだと思いました。

同じように弦楽四重奏団の人間模様を描き、偶然にも(?)ベートーベンの作品131が重要な意味を持ち、女性の新メンバーが現れ、 チェロ奏者が病気(?)…といったところで映画「25年目の弦楽四重奏」との符合がありますが(僕はこの映画、結局観に行っていないのですが…) この舞台は5人の会話のやりとりやちょっとした表情にも大人の笑いがあり、楽しめました。

タグ : カルテット 

山の上でシューベルト

[ 2013/08/17 Sat] チェロと音楽

毎年、イタリア北部ドロミテの山の上にチェロを担いで登るマリオ・ブルネロが、今年7月に弾いたシューベルトの弦楽五重奏の映像がYouTubeにありました。

このシューベルトの弦楽五重奏曲D.956 Op.163といえば、チェロ2本が活躍する曲というだけでなく、あの「クヮルテットのたのしみ」の中でも「この編成で最も素晴らしい」とされていた曲。

...まったく信じられぬほどの美しい響きを5つの楽器からつくりあげた。この形式の扱いは驚くほど巧みであり、あらゆる音の色彩の可能性を充分に使っている。1つの例は第1楽章の第2主題の出だしのところで、2つのチェロがデュエットで唱い、ヴィオラがピチカートで低音を受持っている。...[「クヮルテットのたのしみ」増補改訂版 p.178]
クヮルテットのたのしみ(改訂版) [単行本(ソフトカバー)]
エルンスト ハイメラン (著)

ただし、

実はこのセカンドチェロはファーストチェロよりも難しいから怒りださないように [同p.35]
とも書かれています。

上の動画では、ブルネロがセカンドチェロを弾いているようです。チェロのデュエットが出てくる1楽章第2主題は2分13秒あたりから。

タグ : マリオ・ブルネロ  カルテット 

コメントをチラッ。

アンサンブル発表会が終わってこれからの予定

[ 2013/08/14 Wed] チェロと音楽

11日のアンサンブル発表会は、本番を迎えるまでがちょっと大変で、少々疲れた。 なにしろ4組6曲は多すぎた。 これだけあると個人練習の時間はともかく、合わせ練習のスケジュール調整が大変になる。 時間だけでなく、人とのやりとりに疲れたりすることもある。

グループによって、慎重に練習を重ねるグループと「まあなんとかなるよ」と早々と割り切るグループもある。 だいたい後者のほうがあぶない。

アンサンブルは、スポーツで言えば団体戦、あるいはテニスのダブルスのようなもので、 個人として上手くできたかどうかということとチームとしてどうだったかとはまた別物になる。 個人として出来が悪くてもチームとしてはオーケーということもあるし、逆に個人としてはまあまあだと思っていたとしても「負けは負け」ということもある。 だから結果をどう評価しどう次につなげるか、結論を言葉にするのは中々難しい。

それでもアンサンブルは楽しいし、これからも続けようと思う。 チェロを始めたいじょうソロだけでなくチェロアンサンブル、室内楽、オーケストラと、チェロで楽しめることは一通り何でも楽しみたい。 それらは互いに別物ではなく、どれか一つで学んだことが残りの3つに活きるもののようだ。 それにこのように幅広く楽しめる人生の時間は、どの道それほど長くない。

これからの予定:

  • 11月17日 オーケストラ定期演奏会。シューマンの4番、ハイドン104番など。
  • 12月6日 R子先生の教室発表会。シューマン「アダージョとアレグロ」など予定。
  • 来年2月8~9日 日本チェロ協会「第4回チェロの日」[HP,Facebook]。
    アマチュアチェリスト50名余りが集まる"チェロオーケストラ"に参加してヴィラ=ロボス「ブラジル風バッハ1番」、クレンゲル「ヒムヌス」など4曲を弾く予定。

タグ : カルテット