善福寺手帳

ぜんぷくじてちょう

ベートーベン弦楽四重奏第4番

[ 2014/03/10 Mon] チェロと音楽

土曜日、二日酔いを押してベートーベン弦楽四重奏第4番Op.18-4の合わせ。1~4楽章を行きつ戻りつ、2時間ほど。

これまでカルテットというと、初めて弾いたドボルザーク「アメリカ」がずいぶん背伸びだったものの、 以降はモーツァルト「狩り」、ベートーベンの1番Op.18-1、そしてボロディンの2番(1楽章)とわりあい「健全」な道を歩んでいる中で、S先生にもアドバイスをもらって選んでもらったのがこの曲。ベートーベンらしい情熱が溢れていて、初めてでも合わせやすいという印象。

第1楽章Allegroはハ短調の深刻な主題から始まるものの、すぐにヘ長調の明るい旋律が出てきて、チェロにも短いソロがある。 第2楽章Scherzoは3拍子のフーガのよう。第3楽章はメヌエット。第4楽章Allegroは華やか。

本番で限られた時間に弾くとしたらやはり聴き映えのしそうな1,4楽章だろうか(繰り返しありなしで調節できるし)。 アンサンブルの勉強としては2,3楽章もしっかり練習したいところ。弦楽四重奏曲はどれもそうだが、第1バイオリンが忙しくて大変そう。

楽譜はIMSLPからダウンロードしたパート譜に ベーレンライターのスコアを見て修正を入れた。忙しい第4楽章の途中にめくりが入るまま製本したのはうかつだった。 それと、C線(ときにG)の開放弦を使わざるを得ないところがありチューニングに注意しないと。

参考にさせてもらっている若いひとたちの演奏。

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東京クヮルテットのストラディバリウスセットがハーゲン・クァルテットへ

[ 2014/03/07 Fri] 雑記
ハーゲン弦楽四重奏団 - ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第3番/第5番/第16番[SACD-Hybrid]

昨年までで活動を終えた東京クヮルテットが使っていた日本音楽財団所有のストラディヴァリウスセット「パガニーニ・セット」は、ハーゲン・クァルテットに貸与されることになったそうです[やくぺん先生うわの空 14.03.06 より]。

発表リリース。

Since summer of 2013, the Hagen Quartett has been performing on instruments made by Antonio Stradivari, known as the "Paganini" quartet, generously on loan by the Nippon Music Foundation. [Impresariat Simmenauer - News]

日本音楽財団の保有楽器紹介にも、すでにハーゲン・クァルテットの名前で紹介されていました。

ストラディヴァリウス「パガニーニ・クヮルテット」

1680年製ヴァイオリン「パガニーニ」
1727年製ヴァイオリン「パガニーニ」
1731年製ヴィオラ「パガニーニ」
1736年製チェロ「パガニーニ」

アントニオ・ストラディヴァリ(1644~1737)製作による楽器で構成されたクヮルテットは、世界で6セットの存在が知られている。このクヮルテットはその1つであり、19世紀の伝説的なヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニ(1782~1840)が所有していたことでも有名である。日本音楽財団は1994年にアメリカ・ワシントンD.C.のコーコラン美術館よりこのクヮルテットを購入した。同美術館にこのクヮルテットを寄贈した米国のアンナ・E・クラーク夫人の意志を受け継ぎ、当財団は4挺を常にセットとして四重奏団に貸与している。

長期貸与者
・1995年 9月 - 2013年7月東京クヮルテット
・2013年12月 - ハーゲン・クァルテット
[日本音楽財団 保有楽器]

貴重な名器の行き先が決まったのはよかったと思いますし、元々馴染みの深いハーゲン・クァルテットと日本の結びつきもより一層強くなりそうですね。

追記1:
また、このようにストラディバリウスだけのクヮルテットが、世界で6セットだけあるというのも今回初めて知りましたが、以前撮影中にネックが折れたスペイン王室保有のチェロもそうしたセットの1つだと読んだ記憶があります。それだけ貴重なものなんですね。

追記2:
ストラディバリウスの行方といえば、ロストロポーヴィチが弾いていたチェロ"デュポール"(1711年)はその後、誰かに引き継がれたという話を聞かないけれど、どうしたのだろう…と気になっています。

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新国立劇場「OPUS」

[ 2013/09/26 Thu] ステージ

弦楽四重奏団を描いた演劇「OPUS」を新国立劇場で観てきました。

リーダーで第1バイオリンの段田安則、少し調子者の第2バイオリンの相島一之、 天才肌で最も厳しい耳を持つが精神が不安定なビオラの加藤虎之介、 何かにつけ丸くおさめようとするチェロの近藤芳正、そこに新しく加わる若いビオラの伊勢佳世という配役と、そこで展開される人間関係のもつれは、いかにもそんな弦楽四重奏団がありそうな感じ。

キャストはこの5人だけ。舞台は四方を客席が囲む舞台に4人のイスと譜面台があるだけのシンプルなもの。

場面は4人が揃った練習風景が中心で、ここで交わされる音楽の専門的な台詞が妙にもっともらしいと思ったら、作者のマイケル・ホリンガーという人はビオラ奏者として音大を出た人なのだそう。

俳優たちもまた、楽器をケースから出したり演奏したりする仕草が手慣れた感じ。 演奏シーンでは、左手はほとんど動かしていないのですが、右手の弓の動きが音楽に合っていて、それだけでも相当リアリティが出るものだと思いました。

同じように弦楽四重奏団の人間模様を描き、偶然にも(?)ベートーベンの作品131が重要な意味を持ち、女性の新メンバーが現れ、 チェロ奏者が病気(?)…といったところで映画「25年目の弦楽四重奏」との符合がありますが(僕はこの映画、結局観に行っていないのですが…) この舞台は5人の会話のやりとりやちょっとした表情にも大人の笑いがあり、楽しめました。

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山の上でシューベルト

[ 2013/08/17 Sat] チェロと音楽

毎年、イタリア北部ドロミテの山の上にチェロを担いで登るマリオ・ブルネロが、今年7月に弾いたシューベルトの弦楽五重奏の映像がYouTubeにありました。

このシューベルトの弦楽五重奏曲D.956 Op.163といえば、チェロ2本が活躍する曲というだけでなく、あの「クヮルテットのたのしみ」の中でも「この編成で最も素晴らしい」とされていた曲。

...まったく信じられぬほどの美しい響きを5つの楽器からつくりあげた。この形式の扱いは驚くほど巧みであり、あらゆる音の色彩の可能性を充分に使っている。1つの例は第1楽章の第2主題の出だしのところで、2つのチェロがデュエットで唱い、ヴィオラがピチカートで低音を受持っている。...[「クヮルテットのたのしみ」増補改訂版 p.178]
クヮルテットのたのしみ(改訂版) [単行本(ソフトカバー)]
エルンスト ハイメラン (著)

ただし、

実はこのセカンドチェロはファーストチェロよりも難しいから怒りださないように [同p.35]
とも書かれています。

上の動画では、ブルネロがセカンドチェロを弾いているようです。チェロのデュエットが出てくる1楽章第2主題は2分13秒あたりから。

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コメントをチラッ。

アンサンブル発表会が終わってこれからの予定

[ 2013/08/14 Wed] チェロと音楽

11日のアンサンブル発表会は、本番を迎えるまでがちょっと大変で、少々疲れた。 なにしろ4組6曲は多すぎた。 これだけあると個人練習の時間はともかく、合わせ練習のスケジュール調整が大変になる。 時間だけでなく、人とのやりとりに疲れたりすることもある。

グループによって、慎重に練習を重ねるグループと「まあなんとかなるよ」と早々と割り切るグループもある。 だいたい後者のほうがあぶない。

アンサンブルは、スポーツで言えば団体戦、あるいはテニスのダブルスのようなもので、 個人として上手くできたかどうかということとチームとしてどうだったかとはまた別物になる。 個人として出来が悪くてもチームとしてはオーケーということもあるし、逆に個人としてはまあまあだと思っていたとしても「負けは負け」ということもある。 だから結果をどう評価しどう次につなげるか、結論を言葉にするのは中々難しい。

それでもアンサンブルは楽しいし、これからも続けようと思う。 チェロを始めたいじょうソロだけでなくチェロアンサンブル、室内楽、オーケストラと、チェロで楽しめることは一通り何でも楽しみたい。 それらは互いに別物ではなく、どれか一つで学んだことが残りの3つに活きるもののようだ。 それにこのように幅広く楽しめる人生の時間は、どの道それほど長くない。

これからの予定:

  • 11月17日 オーケストラ定期演奏会。シューマンの4番、ハイドン104番など。
  • 12月6日 R子先生の教室発表会。シューマン「アダージョとアレグロ」など予定。
  • 来年2月8~9日 日本チェロ協会「第4回チェロの日」[HP,Facebook]。
    アマチュアチェリスト50名余りが集まる"チェロオーケストラ"に参加してヴィラ=ロボス「ブラジル風バッハ1番」、クレンゲル「ヒムヌス」など4曲を弾く予定。

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アンサンブル発表会

[ 2013/08/11 Sun] チェロと音楽
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オーケストラ団内のアンサンブル発表会本番。 4組6曲で本番を迎えるというのは初めての経験で、おのずと準備にも濃淡が出てしまうもの。

その点いちばんよく合わせ練習をしたボッケリーニの弦楽三重奏は安心して、楽しみながら弾くことができた。

問題のボロディン弦楽四重奏第2番1楽章は、練習してきただけのことはできたように思うが、今回個人的にはいちばん練習した冒頭のチェロの旋律はどうだったか…。もっと音量が出せたのではないか、と言ってくれた人もいた。 チームとしての反省は、色々あり。

最後に弾いたブリテンのシンプル・シンフォニーは、よく持ちこたえたな、という感じ。指揮者がいれば難なく揃えられそうなところも、互いの約束事を頼りにしながら弾くのは、スリリングな体験だった。

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本番直前ボロディン合わせ

[ 2013/08/05 Mon] チェロと音楽

11日に発表会で弾く曲の中で最も時間をかけて準備してきた曲のひとつ、 ボロディンの弦楽四重奏曲第2番1楽章の合わせとS先生のレッスン。

なにしろこの曲はチェロのために書かれたと言ってもいいほど「チェロがおいしい」曲。 その曲を弾いて、なるほどいい曲だね(おーいお茶のCMでも流れているし…)と言ってもらえる──あいつが弾くと台無しだ、とは言われない── 程度には弾きたい、というのが今回の目標。

そのために冒頭の旋律がすべてというつもりで練習してきた。個人レッスンでR子先生のアドバイスを仰いだりもしたし、 何度も自分で録音してみたりもした。
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その結果、3ヶ月前とではずいぶん音もつながるようになったし、音程もあまりひどくは外さなくなり、「まし」になってきたように思う。 ただ、まだ録音を聴くと細かく急いだり淀んだりするところがある。 また、冒頭と同じ旋律でもオクターブ下や転調して弾くところで途端にぎこちなくなる (冒頭はすべてA線のポジションで取っているが、それ以外はどうしても移弦が発生するのでまた別の欠点が出る)。 正直なところ、録音を聴いてよくなっているように感じるのは単に「耳が慣れた」せいではないか? 「ぎこちない」という印象が正しいとして、あとどうしたら少しでも改善できるのか?よくわからなくなっていた。

S先生のレッスンは、旋律を弾く第1バイオリンとチェロよりは、裏に回ることの多い第2バイオリンとビオラに 対するアドバイスが中心になった。そこが、絵で喩えるなら背景であり下地だということのよう。

旋律の部分については、レッスンが終わってからS先生に相談してみた。 「弓の中から先を使うこと」(これはR子先生にも言われた)、 「ボウイングをつなげて練習をしてみてはどうかしら」(今は楽譜通りに切っているが、例えば1小節1ボウで弾いたり、アップから弾いたりしてみてはどうか)... といったアドバイスをもらった。

ちょっと面白かったのは、4人の話し合いの末、最後のTranquilloのところを、いかにも「大曲」のおしまいですというようにぐっとテンポを落とし、チェロにある2オクターブ半の上昇のフレーズもぐっと「ため」を入れていたところ、S先生は「ちょっとやりすぎ」。今回披露するのは1楽章だけとはいえ、あくまで4楽章ものの1楽章の終わりなのだから、ということのよう。 このあたり、趣味の問題もあるかも知れないが、曲のスケール感の理解、ということかも。

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MLB試合前のアメリカ国歌をあのカルテットが演奏

[ 2013/06/26 Wed] 雑記

今月初め、出発が遅れた飛行機の中で演奏を披露したフィラデルフィア管弦楽団のメンバーは、ニュースでとりあげられて一躍有名になったらしく、今月19日の地元フィラデルフィアでのMLBフィリーズの試合前、アメリカ国歌を弦楽四重奏で演奏したようです。

MLBの試合前の国歌といえばアカペラ独唱が定番ですが、弦楽四重奏での演奏はめずらしいのではないでしょうか?

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週末のアンサンブル

[ 2013/06/23 Sun] チェロと音楽
ボッケリーニ:作品集

土曜日、公会堂でボッケリーニの弦楽三重奏の合わせ。

ボッケリーニ(Luigi Boccherini, 1743-1805)にはあまり知られていない弦楽三重奏、四重奏、五重奏…の曲がたくさんあり、どの曲も形式がかっちりしているところはハイドンやモーツァルトに似ている一方、ボッケリーニ自身が優れたチェロ奏者だったためか、チェロがよく動く。 今回、弦指導のS先生が見つくろってくれたこの曲も、チェロに短いソロがあるほか、2本のバイオリンと代わる代わる旋律を弾き、そのあいだもう1本のバイオリンがリズムを刻む…といった少し変わったところがある。

サッカーでいうなら最終ラインがどんどん攻撃参加する代わりに、守備(通奏低音)がやや手薄になる頼りなさを感じなくもないが、チェロとしてはなかなか楽しい。

日曜日は、都議選の投票に行く前に区民センターで、ボロディンの弦楽四重奏第2番の合わせ。CMでも流れる1楽章冒頭の旋律をきれいに弾くのは、本当に難しい。ここをずいぶん練習してきて、まだまだ人に聴いてもらうのに満足できる出来ではないけど、この一か月「自分比」でほんの少しだけ改善したのが救い。 8月の本番までにもう少し上達できればうれしい。

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弦楽四重奏団を描くコメディ

[ 2013/06/13 Thu] ステージ

映画「25年目の弦楽四重奏(A Late Quartet)」が間もなく日本でも公開ですが、これとは別にやはり弦楽四重奏団を描いた「OPUS/作品」(オーパス)という演劇がこの秋、新国立劇場で上演されるそうです。

弦楽カルテットの4人の男性を中心に、メンバーの心にうずまく嫉妬や裏切りを、コミカルに描いた大人のコメディ。人間のエゴや欲望が、シニカルな台詞で描き出されます。[公演HP]

このカルテットの男性4人のキャスト(段田安則、相島一之、近藤芳正、加藤虎ノ介)を見ただけで面白い舞台になることは間違いなさそう。

しかし「カルテットもの」がこうも続くのはどうしたわけか…やはり弦楽四重奏団の特殊そうな人間関係が劇作家の創作意欲をわかせるのでしょうか。

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