2015.03.16
Mon

先週の練習

今年の弦楽四重奏の初合わせ。前に書いたハイドンの「ラルゴ」Op.76-5とシューベルトの第13番「ロザムンデ」D804の2曲。 まずは合わせてみて、今後練習する曲を絞ろうという話だったのだが、2曲それぞれにいい曲で、似たような構成の4楽章ものでありながら全く趣が違っていて面白い。1回の合わせでお蔵入りさせるのも忍び難く、引き続き2曲を並行して練習することになった。

技術的な難易度で言えばシューベルト「ロザムンデ」のほうが(「クヮルテットのたのしみ」によれば有名な「死と乙女」ほどではないにしても)難しい。 終楽章の速い6連符に気を取られていたら、ピチカートと弓の持ち替えで落ちてしまった。

それにしても、弦楽四重奏2曲を同じ日に初合わせするなどということは、 以前なら「初見だから」とか「アルコールが入っているから」とかの言い訳でもないとできなかったのが、 それができるだけ少しは力がついたということかも知れないと心密かに思った。

先週はこの他、デュポールの2番、ブラームスのソナタ1番を引き続き。 今週はもう3月最後のレッスン。週末にオーケストラで合わせる新曲の序曲がもう1曲。

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2015.02.19
Thu

チェロ多毛作

3月になったら合わせてみる約束の弦楽四重奏曲を譜読み中。 ここ数年、秋冬はチェロアンサンブル、春夏は室内楽、秋にはオーケストラの本番があり、その他に年間を通して何かソロ曲をレッスンで見てもらい…と、同じチェロを弾きながらそれぞれ違った音楽を「三毛作」「四毛作」する機会に恵まれているのはたいへん幸運なことだと思う。

もちろん初めから計画的にこのようにしようとしてなったわけではなく、 チェロを弾くからにはひととおりの楽しみ方は経験したいと思いつつ、いっぺんに何でもこなす力はないので、色々あった末にこうなった、というのが正しい(だから例えば秋冬以外はチェロアンサンブルはやりません、と言っているわけではないです…)。

ただ、この「多毛作」のいいところは、すべてを同時並行でやるよりも負担が少ないし、メリハリがつき飽きがこない。 それにチェロアンサンブルで学んだことが室内楽で活かせたりといった具合に、互いに相乗効果がある。 そうして一年経って一周巡ってみると、螺旋階段を一階分上ったように、前の年よりちょっとは上達したかな、と思えるのだ。 今回の弦楽四重奏では少しは上達したと言ってもらえるだろうか…

***

譜読みをしている曲の1つが、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76-5「ラルゴ」ニ長調。 「皇帝」「日の出」「五度」などのOp.76のシリーズの1曲で、いかにもハイドンらしく整った美しさと楽しさがあり、勉強になりそう。 どの楽章もファーストバイオリンが弾いた旋律をまもなくチェロが受け継ぎ、密かに責任重大。 2楽章のラルゴが特に美しく印象的なので、曲全体がその名で呼ばれているらしい。

この2楽章ラルゴだけがなぜか嬰へ長調(♯6つ)。「クヮルテットの楽しみ」では、♯をドイツ語ではKreuz=十字架というので、十字架がたくさんあることから「墓場のラルゴ」と書いていた。音程を正しくとるのが難しいから…という意味もありそう。

アメリカのジャスパー・カルテットによる演奏。 こんな風に楽しく弾けたらどんなにいいか!2楽章のラルゴは 5分過ぎから。

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2015.02.10
Tue

機内で「狩り」

飛行機で「いい話」も…8日日曜日、アメリカのシアトルから飛び立とうとしていたアラスカ航空の出発が機器の不調で遅れる中、乗り合わせたシアトル交響楽団の弦楽奏者たちが演奏を始めて乗客たちを和ませたのだそう。モーツァルトの弦楽四重奏「狩り」。

[SlippedDisc経由King5より]

少し前にも、中国をツアー中のフィラデルフィア管弦楽団のメンバーが、北京空港に足止め中の機内でドボルザークの「アメリカ」を弾いて乗客たちに喜ばれたことがありました。

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2014.11.02
Sun

原田禎夫さんのインタビュー記事

すばらしい記事だと思ったので。東京クヮルテットのチェロ奏者として活躍された原田禎夫さんのインタビュー。カルテットで演奏するということについて、師・斎藤秀雄氏について、など。

チェロ奏者のご紹介: 原田 禎夫(はらだ さだお) [cello-cafe.com チェロカフェ 14.10.31]

こういう話をうかがうと、アマチュアとして、こういうかたが打ち込んできたカルテットの世界、そしてチェロの世界が少しでも垣間見られたら、という気になるし、プロの音楽家への尊敬を深くします。

原田禎夫さんについては、2年前、東京・春・音楽祭の春祭ジャーナルにライターの一志治夫さんというかたが書いた記事があり、このときも「よくここまで話せた(書けた)な」と思いました。

チェリスト・原田禎夫 [春祭ジャーナル 文・一志治夫 12.03.17]

上のチェロカフェのインタビューと重なる内容の部分もありますが、今回のチェロカフェのインタビューは、最新のインタビューなのと、原田さんの生の声が聞こえてきそうなところがいいです。アマチュアについても。

原田禎夫さんの人間的魅力については、チェリストの山本裕康さん(@celloyasu)が書いておられる語録が好きです。

最強・世界の原田禎夫語録 [togetter.com]

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2014.08.30
Sat

あのカルテットも氷水

ソロ・チェリストオーケストラと来たら弦楽四重奏団も…あのエマーソン弦楽四重奏団のバイオリン、ユージン・ドラッカー氏もALSアイス・バケツ・チャレンジ。

ドラッカー氏もバイオリニストだった父親をALSで亡くしているのだそうで、こうして見てくると、ALSってたくさんの方がかかっている病気なんですね…

ドラッカー氏の次の指名が、同じエマーソン弦楽四重奏団のビオラのローレンス・ダットン氏、それにチェロのポール・ワトキンス氏、それからピアノのエマニュエル・アックス!カルテットのもう一人のバイオリン、フィリップ・セッツァー氏を指名しなかったのは、同じカルテットのバイオリン同士の「微妙な人間関係」というものでありましょうか。

なお、昨年までエマーソン弦楽四重奏団のチェロ奏者だったデヴィッド・フィンケル氏は、ここでは指名されていませんが、 イギリスのバイオリン奏者ダニエル・ホープに指名されていました。ホープ氏に氷水をかけているのは、メゾソプラノのアンネ=ゾフィー・フォン・オッター。フィンケル氏がチャレンジを受けたかどうか、まだわかっていません。

ドラッカー氏の裸の動画だけでは申し訳ないので、エマーソン弦楽四重奏団の紹介ビデオ。

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2014.08.11
Mon

アンサンブル発表会

10日、団内のアンサンブル発表会本番。台風11号の影響を受けた風雨の中、 チェロと衣装を持って、時折吹きつける雨を傘でよけながら、リハーサルのある区民会館、そこから本番のある公会堂まで歩くのは、ちょっと大変だった。衣装は前半が黒、後半が白のシャツ。ズボンと靴は濡れても大丈夫そうなもので行った。 140803-1.jpg

ベートーベンの弦楽四重奏Op.18-4(1,3,4楽章)は、練習してきたことは出せたと思う。 チェロのソロは、かなり思い切って弾いたつもりだけど、音量や伸びは「それなり」でしかなかったかも知れない。でもそれが今の実力ということ。 一番早くから練習を重ねてきた4人なので安定していたし、誰か1人に細かなミスがあっても、残りの3人が崩れなかった。

モーツァルトのディベルティメントK.136(1楽章)は、カルテット初挑戦の第1バイオリン、K.138(全3楽章)はシニア組に加えてもらって、皆やさしく、練習が楽しかった。この2曲では個人的に「きざみ」をテーマにした。

エルガーの弦楽セレナーデOp.20は快調にすべり出したものの、3楽章で事故が起こった。 途中で生じたズレが修復不可能と判断した第1バイオリンのKさんが弓を止めた。3楽章冒頭から弾き直し…2度めはうまくいった。

終わってから舞台裏でビオラが近寄って来て、
「なんでだろうねえ...ほら、チェロのあそこのメロディ、あるじゃない...」。
ズレたのはチェロのせいだ、と言いたそうだった。まあ、後で録音を聴いてみればわかること。

だいたい本番では、練習でさんざん苦労した所は意外とすんなりと切り抜けることができたりし、その代わり練習では起こったことがない事故が起こったりするもののようだ。

最後のオーボエとフルートの協奏曲2曲は、ホッとして集中力を切らさないようにと気をつけた。 特に、長い休みの小節のカウントを間違えないように。 楽器を握った左手の指を折る動作と同時に、目の前にデジタル表示の掲示板を思い浮かべるようにした。

忙しかった練習の日々が終わった。この後は、秋の定期演奏会に向けてがんばらないと。

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2014.08.02
Sat

今週の練習

来週のアンサンブル発表会で弾く曲の練習が佳境。 ベートーベン弦楽四重奏曲Op.18-4は2楽章だけを除いて1,3,4楽章を弾かせてもらうことになった。 エルガーの弦楽セレナーデOp.20は美しい曲(特に2楽章)。 モーツァルトのディベルティメントK.136とK.138は刻みの弾き方を研究してみたつもり。 それにフルート協奏曲とオーボエ協奏曲のTuttiが1曲ずつの計6曲。 それぞれについてあれこれ言い出せばきりがないけど、とにかくこれだけ弾かせてもらえることに感謝。

1つだけ。ベートーベンの18-4の1楽章、それまでもっぱら伴奏役をしていたチェロが突如としてソロを弾き始めるところについて、 指導のS先生に「あー忙しい!って台所から手を拭きながら出て来るんじゃなくて…」と言われたのがおかしくて、そこをさらうたびに笑えてくる。

ボッケリーニの協奏曲は3楽章。ピアッティのカプリースは、スピッカートの5番をゆっくり。この5番も旋律と和声とがあって面白い曲だと思うのだが、まだそれが聞こえるまでには弾けない。

指の痛みは気にならなくなってきた。やはり指には4番がいけなかったか。

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2014.06.29
Sun

カルテット・レッスン

8月に本番で弾くベートーベンの弦楽四重奏Op.18-4のS先生のレッスン。 このS先生に室内楽を見てもらうといつもパッと視界が開けるような、その曲がますます面白くなってくるような、そんな気がする。

このベートーベンOp.18-4についても先生の言うことが面白い。1楽章の冒頭はオーケストラになったつもりで。 2楽章、謹厳実直な職人が仕事をしている感じ。3楽章、ミステリー要素。4楽章、何か油っこいものを食べてから… もちろんその一言に続いて具体的な箇所の弾き方をわかりやすく指導してくれるから、 1時間も経つとずいぶん曲の理解が進み、自分たちが少し上手くなった気がしてくる。

そんなわけで大変有意義なレッスンになった。

問題は本番で何楽章を弾くかまだ決まっていないこと。まあどう転んでも1楽章は弾くことになるけど、あとの楽章はもらえる時間しだい。 個人的には2楽章がどことなくユーモラスで気にいっているし、3楽章メヌエットも捨てがたい。華々しく終わるなら4楽章も欠かせない。 いっそ「全楽章弾かせて」と捻じ込んでみたらと思っているのだが。

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2014.05.21
Wed

室内楽コンクール

大阪で行われていた大阪国際室内楽コンクールのようすを少しだけインターネット中継で見た。室内楽に取り組む若手(15~35歳)のトップレベルの奏者たちが世界から集まる3年に1度のコンクールで、出場団体を見るとすでに実績ある常設のグループが遠く欧米からも参加しているのが目についた。

音楽を学ぶ過程としてでなく、ひとつの到達点として室内楽に賭ける彼らの精妙なアンサンブルを見ていると、 この人たちはどのように室内楽を──ソリストやオーケストラ奏者でなく──選ぶに至ったのだろう?と考えずにはいられなかった。

室内楽のアンサンブルを作り上げるには長い時間が必要で、他の演奏活動もしながらでは難しいという。 いきおいどうしてもスペシャリスト化する。その割には、同じ楽器奏者としてソリストなどと比べるとどうしても陽が当たらない、という点でテニスのダブルス・スペシャリストたちと似ているように思う。 彼らも比較的若い段階からシングルスでなくダブルスに専念して、決まったパートナーと世界を転戦する。

彼らのプレーを見たくてコートサイドに足を運ぶ熱心なファンは多い(ただしテレビ中継しても視聴率は低いらしい)。 大会ではどうしてもシングルス優先で、ダブルスは前座的に扱われることが多い。 ダブルスの人気を盛り上げるために過去いろいろと知恵が絞られたことがあるけどどれもあまり効果がなく、 双子のブライアン兄弟のようなスターが出ると少し足を運ぶ人が増える…。

室内楽コンクールでは、特にチェロが女性のグループに目が行ってしまった。 第2部門、ピアノ三重奏で3位に入ったフランスのアタナソフ・トリオのSarah Sultanさんはケラスに学んだそう。 第1部門で2位になったイギリスのカヴァレリ・カルテットのRowena Calvertさんは、Stradによると本選直前に弓の毛が外れてしまうトラブルがあり、急遽ひとの弓を借りて、それでも2位に入る演奏をやりとげたのだそう。

今回、インターネット中継で見られたのはよかった。公式サイトに出場順だけでなく演奏曲と出場団体のプロフィールくらいはあったらいいのにと思った。

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2014.03.10
Mon

ベートーベン弦楽四重奏第4番

土曜日、二日酔いを押してベートーベン弦楽四重奏第4番Op.18-4の合わせ。1~4楽章を行きつ戻りつ、2時間ほど。

これまでカルテットというと、初めて弾いたドボルザーク「アメリカ」がずいぶん背伸びだったものの、 以降はモーツァルト「狩り」、ベートーベンの1番Op.18-1、そしてボロディンの2番(1楽章)とわりあい「健全」な道を歩んでいる中で、S先生にもアドバイスをもらって選んでもらったのがこの曲。ベートーベンらしい情熱が溢れていて、初めてでも合わせやすいという印象。

第1楽章Allegroはハ短調の深刻な主題から始まるものの、すぐにヘ長調の明るい旋律が出てきて、チェロにも短いソロがある。 第2楽章Scherzoは3拍子のフーガのよう。第3楽章はメヌエット。第4楽章Allegroは華やか。

本番で限られた時間に弾くとしたらやはり聴き映えのしそうな1,4楽章だろうか(繰り返しありなしで調節できるし)。 アンサンブルの勉強としては2,3楽章もしっかり練習したいところ。弦楽四重奏曲はどれもそうだが、第1バイオリンが忙しくて大変そう。

楽譜はIMSLPからダウンロードしたパート譜に ベーレンライターのスコアを見て修正を入れた。忙しい第4楽章の途中にめくりが入るまま製本したのはうかつだった。 それと、C線(ときにG)の開放弦を使わざるを得ないところがありチューニングに注意しないと。

参考にさせてもらっている若いひとたちの演奏。

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