2015.06.06
Sat

アルバン・ゲルハルトのロココ変奏曲

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また海外ラジオ局のオンデマンド放送ものですが、ドイツのアルバン・ゲルハルトが先月演奏したチャイコフスキー「ロココ風の主題による変奏曲」の演奏が、ドイツの公共ラジオ局WDRのオンデマンド放送で聴けます。

WDR 3 STADTEKONZERTE NRW - 02.06.2015 [WDR3]

6月2日の放送で、公開期間は放送後30日間。 オーケストラはMihkel Kütson指揮のニーダーライン交響楽団。後半はスメタナ「わが祖国」抜粋。5月19日ドイツ・クレーフェルトでの演奏。アルバン・ゲルハルトのFacebookで知りました。

このコンサートで面白いのは、ロココ変奏曲ともう1曲、アルバン・ゲルハルトが演奏したフィッツェンハーゲンのチェロ協奏曲第2番イ短調Op.4というもの。フィッツェンハーゲン(Wilhelm Fitzenhagen, 1848-1890)は、ロココ変奏曲に手を入れたことやチェロ4本のための「アヴェ・マリア」などでチェロ弾きの間では有名だと思いますが、彼のチェロ協奏曲を聴いたことがある人は少ないのではないかと思います(3曲か4曲あるそうです)。埋もれた曲に光を当てようという意図だったよう。 上記番組では初めの20分くらいがロココ変奏曲、そのあと20分くらいがフィッツェンハーゲンのチェロ協奏曲。

聴いてみると、なかなかロマンチックな旋律のあるいい曲だと思いましたし、またさすがに高い技巧を要する曲だと思いました。

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2015.04.13
Mon

アルバン・ゲルハルトのインタビュー

先週イギリスのガーディアン紙に載ったドイツのチェリスト、アルバン・ゲルハルト(45)のインタビュー。ドボコン1楽章の後なら拍手があったっていい、という話に共感したのと、音楽家へのインタビューとして質問項目が面白いと思ったので。以下抄訳。

─音楽はどのように聴きますか?
年を経るにつれて生演奏を聴くのが好きになり、最近はコンサートに出かけるようにしている。

─最近買ったCDは?
次のCDに入れる曲の候補を検討するため、ロストロポーヴィチの弾いたラフマニノフ「東洋風舞曲」。

─音楽に関してちょっと恥ずかしい趣味はありますか?
弾かないこと。2週間休みを取って練習もせず、オペラを観に行くこと。

─もし半年間与えられて新しい楽器を習えるとしたら何を選びますか?
指揮を習いたい。半年間小さなオペラハウスに弟子入りして技を盗みたい。

楽章間の拍手は許されますか?
もちろん。ドボルザークのチェロ協奏曲の1楽章のような壮大な楽章の後だったら、許されるどころか大歓迎だね。 でも、静かな終わり方のときに早すぎる拍手は、たとえ曲が完全に終わっていても困るね。

─クラシックの演奏会のスタイルを1つだけ改善するとしたら何ですか?
いろんなスタイルがあってもいいと思う。 夕方1時間だけのコンサートとか、演奏家のトークが入るとか、 ビデオや照明効果を加えるとか、リラックスできる席にするとか。 作品の全楽章でなく1つの楽章だけ演奏するというのも、19世紀にはされていたことで、あってもいいと思う。

─聴衆として最も記憶に残る経験は?
子どもの頃、偉大なピアニストのコンサートをたくさん聴くことができた。 その中でも最も記憶に残るのはホロヴィッツのベルリン・コンサート(1986)だね。 彼は僕のヒーローで、彼のLPは全部持ってるし、リストのLPにはサインももらった。

─最初に買ったレコードは?
カザルスが弾いたシューベルトの弦楽五重奏。

─ミュージカルは好きですか?
古いものが好き。「サウンド・オブ・ミュージック」「オズの魔法使い」一番好きなのは「ウェストサイド物語」。 新しいのはよく知らないけど、大衆受けのために音楽が単純化されているのを聴くと悲しくなるね。

─昔の指揮者で共演してみたい人は?
カルロス・クライバー。

─クラシック音楽以外で共演してみたい人は?
ビリー・ホリデイかエラ・フィッツジェラルド。

─ここロンドンで音楽祭の監督を全面的に任されたらどんなプログラムにしますか?
音楽と芸術、文学、料理やワイン、すべての楽しみを組み合わせたいね。

─お風呂の中で歌う曲は何ですか?
リゴレットのアリア。
[全文: Facing the Music: Alban Gerhardt - guardian.co.uk 15.04.06]

ガーディアン紙のこのコーナー、毎週同じ質問をいろいろなクラシック音楽家にぶつけて、その人となりや音楽への姿勢を浮き彫りにしようとする企画のよう。これまで出てきた音楽家は、バイオリンのタスミン・リトル、カウンターテナーのフィリップ・ジャルスキー、チェコ・フィル指揮者のビエロフラーベクなど。

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2014.11.26
Wed

アルバン・ゲルハルト@ウィグモア・ホール

アルバン・ゲルハルトが、今年6月、ロンドンのウィグモア・ホールで弾いたランチタイム・コンサート[過去記事]の動画を1時間丸ごとYouTubeで見られるようにしてくれていました。

曲は、バッハ無伴奏チェロ組曲第4番、24分過ぎからコダーイの無伴奏チェロソナタ、55分過ぎからアンコールでバッハの1番プレリュード。

[アルバン・ゲルハルト自身のツイートより]

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2014.10.13
Mon

ヨーヨー・マのマスタークラス

アメリカの若い音楽家のためのオーケストラ・アカデミー New World Symphonyが、いろいろな楽器のマスタークラス、オーケストラ・スタディ、演奏など音楽家を目指す人たちの役に立ちそうなビデオを集めたMUSAICというサイトを公開しているのを知りました。

MUSAIC : Curated by New World Symphony, America's Orchestral Academy

チェロ関係では、ヨーヨー・マによるバッハ無伴奏チェロ組曲第5番ロココ変奏曲のマスタークラス、 アルバン・ゲルハルトによるドボルザークのチェロ協奏曲ブラームスのチェロソナタ第1番のマスタークラスなどがありました。 収録時期などは不明ですが、探索してみれば貴重なビデオがたくさんありそうです。

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2014.08.25
Mon

マリオ・ブルネロが氷水かぶる→アルバン・ゲルハルトも

ALS支援のアイス・バケツ・チャレンジにクラシック音楽家がいないという話をしていたら、イタリアのチェリスト、マリオ・ブルネロがやってくれていました。

マリオ・ブルネロ 「アローン」 ブルネロは1960年生まれだから今年まだ54歳。愛用のチェロケースは、ブルネロが山に行くときにも担いでいるものですから、バケツの氷水くらいでは中の楽器に何も影響ないでしょう…

[追記] 動画の中でブルネロも言っているように、これはイタリアのALS協会の会長で元サッカー選手のマッシモ・マウロ氏から直々の指名。ブルネロは次の挑戦者に「ジョバンニ・ソッリマとすべてのイタリアのチェリスト」を指名しているようなのですが、どうなるんでしょうか…

***

このほかにチェリストでは、ドイツのアルバン・ゲルハルト(45)がチャレンジを受けると24日、フェースブックで宣言。アルバン・ゲルハルトは、母親をALSで亡くしているのだそうで、このアイス・バケツ・チャレンジに、指名を受ける前から「この難病のことを知ってもらうのにすばらしい方法」と賛同していました。

[追記] 25日、動画がアップされました。


Casals Encores [CD, Import]
Alban Gerhardt |

次の挑戦者に、番組に招かれて共演したことがある、ベルリン・フィルのホルン奏者のサラ・ウィリスを指名していますね。

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2014.06.16
Mon

アルバン・ゲルハルト@ウィグモア・ホール

アルバン・ゲルハルトが16日、ロンドンのウィグモア・ホールで演奏したランチタイム・コンサートの録音がBBC Radio3で聴けるようになっていました。今週日曜日まで5日間限定。

Wigmore Hall: Alban Gerhardt [BBC Radio3]

プログラムはバッハ無伴奏チェロ組曲第4番とコダーイ無伴奏チェロソナタ。 アンコールのバッハの1番プレリュードまで約1時間。

このBBCのサイトにある紹介文"Young German cellist ..."というところにアルバン・ゲルハルト自身がツイッターでツッコミ。

たしかにアルバン・ゲルハルトは1969年生まれで今年45歳。 クラシック界ではよくあることのような気がしますが、45歳で「若手」と言われては、普通の感覚では照れくさいでしょう。

ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 ケラス(ジャン=ギアン) そういえば先週、NHK-FMのベストオブクラシックで 「期待のチェリスト」としてジャン=ギアン・ケラスを紹介していましたが(6月11日)、 ジャン=ギアン・ケラスの実績からしても、今年47歳という年齢(もっと若く見えますが)からしても、「期待の」という紹介の仕方はふさわしくないのではないかな…とちょっと思いました。

タグ : アルバン・ゲルハルト  ジャン=ギアン・ケラス 

2014.06.14
Sat

楽器選びについてアルバン・ゲルハルトが語る

ドイツのチェリスト、アルバン・ゲルハルトが、楽器選びの難しさについて語っていました。

HOW TO BUY AN INSTRUMENT: Alban Gerhardt [Amati 14.06.13]

楽器選びが難しいのは、1つには楽器を同じ環境で比べるのが実質的には不可能なこと。
2つめには、楽器の音を、弾いている自分の耳で聴いても判断できないし、そのとき周りにいる人(楽器を売りたい人を含む)の褒め言葉は信用できないこと…できればよく乾燥した部屋でピアニストに伴奏してもらい、ブラームスのソナタを弾くところを信用できる友だちに聞いてもらうといいでしょう、と言ってます。 Casals Encores [CD, Import]
Alban Gerhardt |

結局のところ、自分に完璧にフィットする理想の楽器というものは存在せず、妥協・適応しないといけない、というのが彼の考え方のよう。

アルバン・ゲルハルトが、ベルリンフィルのバイオリン奏者だった父親から聞いたという話…ベルリンフィルと共演しに来たバイオリンのダヴィッド・オイストラフ(1908-1974)が、団員のバイオリンを手に取って弾いてみるとすばらしい音がする、それならとベルリンフィルの団員が次々に自分の楽器をオイストラフに渡すと、どの楽器も同じようにすばらしい音がした…結局は腕、練習だ、ということのようです。

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2013.09.03
Tue

サラ・ウィリスの番組

ベルリン・フィルのホルン奏者、サラ・ウィリスが毎回音楽家をキッチンに招いていっしょに料理と食事を楽しみながら話を聞く、というドイツのインターネット番組にチェリストのアルバン・ゲルハルトが招かれていました。

Sarah's Prelude & Food - Episode 2 with Alban Gerhardt [Finkernagel & Lück Medienproduktion]

サラ・ウィリスは多才な人で、イギリス人なのにドイツ語も堪能、トークも巧みで、ベルリン・フィル12人のチェリストのファミリー・コンサートで司会をしたりしていたひと。

番組は1時間ほどで、ドイツ語に英語の字幕つき。音楽家同士だし、食べ物とワインを前にしているせいもあって、なんだかリラックスした雰囲気で会話がはずんでいます。

35分頃からアルバン・ゲルハルトがバッハの無伴奏1番プレリュードを披露。エプロンをしたままですが、演奏前に耳栓をつけていますから[理由は過去記事参照]、彼にとってはちょっと「本気モード」なのかも。

下はYouTubeにあったこの番組から抜粋。ドボコンを弾こうとしていますが、手に鍋つかみ(オーブン手袋?)をつけたままだから、これはおふざけ。

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2013.02.26
Tue

リン・ハレル、50年間使ったチェロを手放す

チェリストのリン・ハレルが、50年間使ってきたチェロを手放すつもりだと、25日、自身のブログで発表しています。リン・ハレルのチェロは、モンタニアーナ1720年作のもの。

ブログでリン・ハレルは、50年間このチェロと過ごした日々を振り返った後、「これまでこのチェロが自分の“声”を見つけるのを手助けしてくれたことに感謝している…これからは別の音楽家がこのチェロで彼(彼女)の“声”を見つけるところが見たい。さらば友よ!」…と結んでいます。

このチェロがいったいだれの手に、どのくらいの値段で渡るのか?という興味ももちろん禁じえませんが、 50年間連れ添った楽器を手放す(しかもそれを堂々ブログで宣言する)なんて、まだ69歳のリン・ハレルの心境に何が起こっているのだろう?…とちょっと気がかりにもなります。 Lynn Harrell Plays Shostakovich & Liadov

なお、リン・ハレルはヨーヨー・マ同様、ニューヨークのタクシーにチェロを忘れたことがありますが、そのときはこのモンタニアーナでなく、ストラディバリ1673年作のチェロ[NYTimes]、 逆にヨーヨー・マが忘れたのが、モンタニアーナでした。

[追記 2013年8月]
その後、アルバン・ゲルハルトが、このモンタニアーナに興味があり、見せてもらおうと何度か連絡をとり、ロサンゼルスに立ち寄ったりしたけど、結局リン・ハレルには実物を見せてもらうことすら断られた、と2013年7月のブログで告白していました。リン・ハレルの真意は明らかではありませんが、とにかくこの時点ではまだモンタニアーナの行先は決まっていないよう。

タグ : リン・ハレル  アルバン・ゲルハルト 

2013.02.12
Tue

アルバン・ゲルハルト、空港職員に弓を折られる

ドイツのチェリスト、アルバン・ゲルハルトが今月6日、公演先に向かうために立ち寄ったシカゴ・オヘア空港で、保安検査職員にチェロケースの中身を調べられ、職員が弓をケースに戻す際に、あやまって弓を折られてしまったのだそうです!

このときの写真を、アルバン・ゲルハルト自身がFacebookにアップしているのを、ICSのCelloChat掲示板経由で知りました。アルバン・ゲルハルトが好きなしるくらさんもいち早くブログに書いておられたし、SlippedDiscThe Stradにも取り上げられていました。 ブリテン:無伴奏チェロ・ソナタ第1番/J. S. バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番/コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ アルバン・ゲルハルト

アルバン・ゲルハルト自身のコメントによると、折れた弓には保険が掛かっており、修理は可能。公演は借りた弓で無事行うことができたとのこと。

しかし、こういう話を聞くと、楽器だけでなく弓もたいへん精妙で高価な道具だということを理解していない人に扱われるのがこわくなりますね。

アルバン・ゲルハルトについては、演奏するとき耳栓をしているという話で以前、触れたことがありました。

***

そういえば今回の「チェロの日」で倉田澄子先生にうかがったお話で、以前、テレビ番組の収録で宮沢賢治のチェロを弾くよう依頼されたものの、番組スタッフが用意した弓は、地元の楽器店で安く買ってきたばかりの、松脂もついていない弓だった(音は別録り。それでも倉田先生は一生懸命弾いた)…ということでした。

一般の人は、楽器にはストラディバリなど高価なものがあることは知ってはいても、弓は
「ただの棒に“毛が生えたようなもの”」
だと思っている人は、案外多いんでしょうね。

[追記]: このあと2週間ほど経って、アルバン・ゲルハルトはゴフリラーのチェロ本体の不調にも気づいて、点検したところ、弓が折られた際に駒が押されたためと思われる裏板のヒビが見つかったとのこと[Slipped Disc 13.02.24]。災難でしたね…。

タグ : チェロ事件簿  アルバン・ゲルハルト 

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