2016.07.26
Tue

BBCプロムスで12人のチェロのコンサート

先日イギリスで開幕したBBCプロムス2016のコンサートの1つで、 今年3月来日してN響とも共演したイギリスのチェリスト、ガイ・ジョンストンをはじめとする12人のチェリストが25日に行ったコンサートが、BBCのインターネット・ラジオで聴けるようになっていました。

PCM 2: Guy Johnston and friends [BBC Proms] (PCM: Proms Chamber Music)

曲目は:
ブラームス ハンガリー舞曲第5番
J.S.バッハ モテット「おおイエス・キリスト、わが命の光」BWV118
エルガー エニグマ変奏曲より「ニムロッド」
ヴィラ=ロボス ブラジル風バッハ第5番
クレンゲル 「讃歌」
アンコール: サン=サーンス「白鳥」

7月25日、ロンドンのCadogan Hallでの録音で、約1時間ほどの番組。公開期間はたぶん1ヶ月ですが、お早めに。

ステージの様子。ガイ・ジョンストン氏のツイッターのリツイートより。


2016.07.25
Mon

二刀流

ユリア・フィッシャー&ダニエル・ミュラー=ショット:デュオ・セッションズ

ドイツのチェリスト、ダニエル・ミュラー=ショットフェースブックをチェックしていて知ったのですが、 このたびヴァイオリンのユリア・フィッシャーとのデュオ・アルバムが発売になるそう[amazon]。

この二人は10年以上にわたってよく共演していたとのことですが、今月、CD発売に合わせてドイツとフランスとで行ったコンサートツアーでは、CDに収録したヴァイオリンとチェロのデュオ(コダーイとラヴェル)以外に、ユリア・フィッシャーのピアノ伴奏によるシューベルトのアルペジオーネ・ソナタも披露したそう。

これまで知らなかったのですが、ユリア・フィッシャーは優れたヴァイオリニストであるだけでなく優れたピアニストでもあり、一晩のコンサートでサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番と、休憩をはさんでグリーグのピアノ協奏曲を両方弾いたこともあるそうです[NYTimes]。

よく指揮者が優れた楽器奏者だということはありますが、ふたつの楽器でソリストをつとめるほどの「二刀流」は、珍しいのではないでしょうか?

なお、ユリア・フィッシャーという名前では、ドイツの陸上競技円盤投げでリオ・オリンピックに出場する女子選手がいて、 こちらも金髪のなかなかの美人ですが、身長192センチで、さすがに同姓同名の別人。

CDのための写真の一枚。これは二人で楽器を取り替えてみただけ。
dms_jf.jpg
[Facebook - Daniel Müller-Schott Official Siteより]

ユリア・フィッシャーとダニエル・ミュラー=ショットの二人による「パッサカリア」。

2016.07.24
Sun

チェロサロン

日本チェロ協会主催の「チェロサロン」。今回の講師は向山佳絵子さん。

前半のクリニックは、ベテランの男性がエルガーの協奏曲、女子中学生がカバレフスキーの協奏曲で20分ずつ。 エルガーの協奏曲はついこの前まで弾いていたばかりで、この曲で今回のクリニックに申し込むことを、ほんの少しだけ、考えないでもなかったので、ドキドキしながら聴いた。

こうした公開レッスンやマスタークラスといった場では、皆の前で弾く受講者は、本当に緊張してこの日のために準備をして演奏されるのだろうけど、 講師の先生が、おおぜいの聴講者に配慮して「一般化」してお話されたりすることも多く、 それはそれでありがたいことなのだが、勇気を出してこの場で演奏した受講者の方は果たして満足しただろうか?と気になってしまうことがある。 短い時間の制約もある。

その点、向山さんは、わりあいズバリと問題点を指摘され、受講者に向かって話されることが多かったように思う。「スケールとか、やってます?」という言葉にビクリとなった聴講者は多かったはず。

後半のアンサンブルレッスンで、スーザ「星条旗を永遠なれ」を選ばれたのは、この曲では旋律・ベースライン・後打ち…といった役割がわかりやすく、しかも全パートがその役割を入れ替わるようにできているからとのこと。 アンサンブルでいま自分がどういう役割かを、周りをよく聴きながら考えて弾く…というのが今回のテーマだったように思う。

アンサンブル参加が20数人、聴講のみの方が10数人。終了後には向山さんを囲んで懇親会。写真はチェロ協会のフェースブックに後日載るかも

2016.07.22
Fri

レッスン #306

ポッパー12番。長いスラーの中で高いポジションのシフトと移弦が4ページ。何箇所か音程をチェックされてクリア。

次の13番が難しいので「無理かも知れません」と予防線を張ったら、R子先生「いやいや、だいじょうぶでしょ」と笑ってまったく意に介さない。

ハイドンの協奏曲D-dur。新しく2楽章を通して聴いてもらう。
haydnd-2.png
重音の音程をチェックされた後、この楽章を「どんなふうに弾きたいですか?」という話から、ビブラートを遅らせても良くて…という話になる。

1楽章に戻るつもりが、ここで時間切れ。

タグ : チェロレッスン 

2016.07.22
Fri

踊るヨーヨー・マ

チェロを弾きながら楽しそうに踊るヨーヨー・マ(60)とシカゴ交響楽団のチェリストたち…

チェロを立って歩きながら弾けるストラップの普及につとめているチェリストのマイク・ブロック氏がフェースブックに投稿していました。

ブロック氏はシルクロード・プロジェクトの"もう一人"のチェリストで、6月にシカゴ交響楽団のメンバーにヨーヨー・マとブロック氏が加わって開かれたコンサートのリハーサルの合間に撮られたものと思われます。

タグ : ヨーヨー・マ 

2016.07.20
Wed

中国で「星条旗よ永遠なれ」

アメリカのデンバー・フィルハーモニー管弦楽団(DPO)が今月4日、演奏ツアー先の中国・重慶江北国際空港ロビーで突然、スーザ「星条旗よ永遠なれ」の演奏。

この日ちょうどアメリカでは独立記念日の祝日。母国で祝えないのならここで演奏してしまおう、ということだったよう。

米中の国際関係が緊張している時代だったら考えられなかったと思いますが、それだけ今は平和だということですね。

個人的には、ちょうど今週末「チェロサロン」のアンサンブル・レッスンでこの曲をチェロで弾くことになっているので、タイムリーでした。

タグ : フラッシュモブ 

2016.07.20
Wed

ポッパーのエチュードの難易度

ポッパー : チェロ奏法のための上級教本 Op.73/インターナショナル・ミュージック社

ポッパーのエチュードの「次の次」の13番を先読みしていたら、これが8度から始まってずっと重音のシリーズで難しい…

ポッパー「チェロ奏法のための上級教本」Op.73をここまでやってみて気がついたのだが、どうやら1番から40番までの順番と難易度には関係がなさそう。

ポッパーのこの教本について、アメリカのチェロの先生が考察した記事があって、 この教本が単に左手のテクニックを鍛えるだけではなく、右手も含めた技術要素、ポジション、調性まで含めてバランス良く網羅されていることが示されているのだが、この記事で1番から40番までの40曲の難易度は以下のように分類されている。

Relatively easy[比較的易しい] -- 1,3,6,11,16,19,27(if spiccato),36
Moderately demanding[やや難しい] -- 2,5,8,10,15,17,18,21,22,23,25,26,30,31,34,35
Difficult[難しい] -- 4,7,9,12,14,20,24,27(if sautillé, presto),28,32,37,39,40
Very Difficult[非常に難しい] -- 13,29,33,38(if presto)
※出典: A Player's Guide to the Popper Etudes, Richard Slavich, 初出 ASTA Journal, 2001. [ ]内は筆者注

大きく前半と後半に分ければ「後半の方が難しい曲が多い」とは言えそうなものの、 番号が進めば難しくなるわけではなく、難しい曲と比較的易しい曲が入り混じっているのがわかる。 いま練習中の12番までやってきて感じた難易度の感覚ともほぼ合っている。

その次の13番が、初めて出てくる「非常に難しい」レベルの曲なわけ。

どうもこれは、練習し続けようにも「心が折れそう」な気がしてきた。 おそらくシュレーダーを全巻やってきたときと同じように、最初はテンポを落とし、弓を切り、毎日少しずつ練習すれば「弾ける」ようにはなるのだろうと思う。でも、その根気と集中力を発揮できる自信がない。

それは、このところの「けっこう難しい曲が"弾ける"ようになったのに、依然として"下手は下手"じゃないか…」という気分のせいでもあるのだが、それはあまり深く考えると暗くなるので、このへんで…

2016.07.16
Sat

今週の練習

5月から合わせてみているチェロアンサンブルでヨンゲン(Joseph Jongen,1873-1953)の「4本のチェロのための2つの小品」Op.89を練習中。

シャコンヌ 4本のチェロのための作品集  Original recording ラ・クァルティーナ この曲はプロの演奏会で時々とりあげられる他、N響のチェロ4人組クァルティーナのCDにも収録されている。 半音階的に移り変わるハーモニーに不思議な魅力がある曲で、 ドイツ風のようなフランス風のような(ヨンゲンはベルギーの作曲家)、 19世紀のような20世紀のような、人によってピンと来る人とそうでない人とが分かれそうな曲 [演奏例-YouTube, 楽譜-同人音楽の森]。

この曲を弾いてみませんかと「チェロの日」で一緒だった仲間どうしで話がまとまったもの。 この4人の組み合わせでアンサンブルするのは初めてだけど、いつも一緒に練習してきて気心が知れた仲間どうしだから、お互い何でもすぐに言い合える。この4人で、決して易しくはないこの曲を一緒に"探検の旅"をするように合わせられることが楽しくうれしい。

4人で話し合って決めているのは「いつか"本番"で弾く」「全員がどのパートも弾けるようにする」「いつかプロの先生のレッスンを受ける」ということくらい。 レッスンについては、人のつながりのおかげでびっくりするような先生に見ていただけそうだという話もあり、果たしてどうなるか…

***

24日に日本チェロ協会の「チェロサロン」で 向山佳絵子さんに指導を受けることになっているアンサンブル曲、クレンゲル「讃歌」スーザ「星条旗よ永遠なれ」

スーザの「星条旗…」は、2011年にチェロ・コングレスのアンコールで弾いた「雷神」と同じ Douglas B. Mooreという人の編曲。 Moore氏は色々な曲をチェロアンサンブルに編曲・出版していて、 前に見つけたハイドンのチェロ協奏曲1番のチェロ四重奏版なんていうのもそのひとつ。

「星条旗…」のハイライトは、何と言っても後半の1番と2番チェロに出てくるピッコロのオブリガート。 ここは初心者の頃に一度"遊び"で挑戦して全く歯が立たなかった。今回は割とすんなりフィンガリングが思い浮かんだのは歳月のさせるわざか。

上のヨンゲンの4人で少し合わせてみた。事務局からメールで送られてきたボウイングの指示を、自分以外のパートも含めて隅々まで目を通しておかないといけないかも…

(1番パートに書いてあるボウイングは、同じ音型を弾く2~4番も共通で、以下同様ですよね…とかいうことは見落としそう)

***

個人練習ではスケールを長めにした後、ポッパーの12番、ハイドンの協奏曲2番D-Durの1,2楽章を少しずつ。

2016.07.13
Wed

キャメロン首相の鼻歌

イギリスの国民投票でEU離脱が決まったことを受けて退任を表明したキャメロン英首相(49)が、11日の会見の後、マイクを外すのを忘れたまま鼻歌…映像の10秒過ぎから。

これに対してインターネットでは、キャメロン首相が歌ったのは何の曲かで様々な意見が飛び交うのと同時に、 この鼻歌を"Cameron's Lament"(キャメロンの嘆き)と題して楽譜に書き起こす人、さらにそれをモチーフにした曲を作曲して投稿する人まで現れて盛り上がっていました[ClassicFM]。

一番感心したのは、イギリスの作曲家が作曲した、チェロとピアノによる"Fantasy on David Cameron"(キャメロンの主題による幻想曲)。

これはドラマの主題曲か何かでもおかしくない気がしますし、普通にチェロの曲として弾いてみたいとさえ思いました。

[追記14日: …と言っていたら本当に楽譜がClassicFMからダウンロードできるようになっていた!]

他にも、この鼻歌をモチーフにした、ピアニストのガブリエラ・モンテーロ(この人はオバマ大統領就任式のときヨーヨー・マと共演した)による即興演奏にも感心しました。

このガブリエラ・モンテーロが過去にやった即興演奏にもありますが、私はキャメロン首相が歌おうとしたのは「風と共に去りぬ(Gone with the Wind)」だったんじゃないかと思いました。ただし、音程が低めの…

2016.07.12
Tue

世界最大のオーケストラ

ドイツのフランクフルトで9日、世界最大のオーケストラによる演奏が行われ、 サッカースタジアム Commerzbank Arena に7,548人の演奏者が集まってベートーベンの交響曲第9とドボルザークの交響曲第9などを演奏したそう [ロイターなどから]。

主催者側が後日アップした抜粋映像。

これまでの記録は、オーストラリアのブリスベーンで2013年7月に打ち立てられた7,224人による演奏で、このときの動画も残っていましたが、これを300人ちょっと上回る記録だそう。

今回のオーケストラは、指揮者を巨大スクリーンに写したり、ちょっと探すとこの指揮者の映像が3月には公開されていて参加者が練習できるようにしていたり、さすがに入念な準備があったことをうかがわせますね。

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