2017.08.12
Sat

山の上でバッハ

「山の日」は1日過ぎましたが、スイスのヴェルビエ音楽祭の合間にスペインのヴィオラ奏者サラ・フェランデスさんが、山の上でバッハ…無伴奏チェロ組曲4番ブーレ[ClassicFMより]。

Schumann/Dvorak: Cello Concert

もしかして、と思ったらやはり、チェロのパブロ・フェランデス(26, HP)の妹さんでした。 パブロ・フェランデスは、おととしのチャイコフスキー・コンクールのファイナリストで、 来日したこともあり、現在は日本音楽財団からストラディバリウス1696年のチェロ「ロード・アイレスフォード」を貸与されて弾いているチェリスト。

チェロの兄とヴィオラの妹とくればもう一人(か二人)、ヴァイオリンのきょうだいがいるんじゃないかと思いましたが、そこまではわかりませんでした。

2017.08.11
Fri

アルバン・ゲルハルトのシューマン協奏曲@プロムス

ドイツのチェリスト、アルバン・ゲルハルトがきのう10日、イギリスの音楽祭BBCプロムスで弾いたシューマンのチェロ協奏曲がオンデマンドで聴けるようになっていました。 10日夜、ロンドンのロイヤルアルバートホールで開かれたコンサートのラジオ中継で、オーケストラは、ヨン・ストルゴールズ指揮のBBCフィルハーモニック。

Prom 33: Grieg, Sibelius, Schumann and Hindemith [BBC]

2時間半ほどの放送のうち、アルバン・ゲルハルトのシューマンのチェロ協奏曲は1時間24分くらいから20分ちょっとでソリスト・アンコールはなし。この日のプログラムは、グリーグの組曲「ペールギュント」抜粋、シベリウスの交響詩「大気の精(Luonnotar)」組曲「カレリア」、それにシューマンのチェロ協奏曲をはさんでヒンデミットの交響曲「画家マティス」。公開期間は1ヶ月。

この演奏を終えたアルバン・ゲルハルトは、エンドピンのトラブルがあったとツイート。客席にいたと思われる人も「チェロをあんなにうまく宙に浮かせて弾くところを初めて見た!」と書いていたので、不謹慎とは思いながら、ワクワクしながら聴いてしまいました…私もつい先日の本番中にエンドピンのトラブルがあったばかりなので。でも、録音だけではどこでそんなトラブルがあったのか全くわからないすばらしい演奏で、拍子抜けした、と言ったらやっぱり不謹慎でしょうね。

タグ : アルバン・ゲルハルト 

2017.08.09
Wed

レッスン #330 「最後」のレッスン

思うところがあって、チェロを始めてからこれまで13年余り続けてきたレッスンを、これで「最後」とさせて頂くことにした。

きっかけはこのところ指を痛めていたことで、現状の自己評価も踏まえて、これからどのようにチェロと付き合っていくかを考えたとき、一度このあたりでチェロへの取り組み方を見直した方がいいのではないか、と考えたようなわけ。

チェロを初めて触った日から13年と8ヶ月の間、チェロが次第に自分の大切な部分になり、 チェロを通じて友だちが増え、アンサンブルやオーケストラにも加わって弾けるようになり、 ソナタやコンチェルトといった名曲まで自分の手で弾いてみることができるようになり...一言でいえば、チェロを通して世界が広がったのも、すべてR子先生のおかげと感謝しています。 これからもR子先生に導かれて多くの生徒の世界が広がりますように!

***

最後に弾いたのは、ポッパーの36番。ハ長調の速い3拍子。 ポッパーのエチュードらしく不均衡なボウイングや転調や跳躍が出てくるものの、これはバッハの組曲3番ジーグのオマージュに違いない。

ポッパーの40番まであるエチュードをあと4曲やり残してしまったのは少し口惜しいけど、ここまでやってきたことは“財産”になると思う。

タグ : チェロレッスン 

2017.08.08
Tue

ヨーヨー・マが迷子犬の発見に一役

アメリカ・ボストン近郊のタングルウッド音楽祭で6日、ヨーヨー・マがボストン交響楽団とシューマンのチェロ協奏曲を弾いたその壇上から、指揮者デイヴィッド・ジンマン(81,写真右)の生後4ヶ月の子犬が当日朝から迷子になっており捜索に協力して欲しいと聴衆に呼びかけたところ、その日のうちに無事子犬が見つかり、ジンマンのもとに返されたのだそう。ニューヨークタイムズの記事にもなっていました[AP経由]。

170808.jpg

この公演は、現地6日日曜日午後2時半からタングルウッドの半野外のホールで開かれたコンサートで、聴衆は約1万4千人ほど。タングルウッドの路上で子犬を発見したのは、その日の夕方7時頃、家族やコンサートに行った人から噂を聞いていた若い女性(写真左)だったのだそう。

先日の「コンサート船」が救済されるかも知れない話といい、今回の迷子犬の捜索といい、ヨーヨー・マなら世の中のあらゆる問題を解決してくれそうですね!

[追記] この日のヨーヨー・マとボストン交響楽団の演奏は現地ラジオ局WGBHのサイトで聴けるようになっていたけど、ヨーヨー・マの聴衆への呼びかけは、初めの"...I never do this, but(こんなことはしないんだけど)..."というところで、編集で切られていた。

タグ : ヨーヨー・マ 

2017.08.07
Mon

2CELLOSの新作ビデオ

このところ映画音楽を題材にしたアルバム「スコア」から1曲ずつ新作動画を発表している2 CELLOSが4日に発表した「ゴッドファーザー・愛のテーマ」。演奏動画じたいが映画「ゴッドファーザー」(米1972年)そのもののような…

結婚式での演奏に呼ばれた2CELLOSの二人を狙う怪しい二人組。 黒幕は花嫁の父でマーロン・ブランド風のゴッドファーザーか?2CELLOSあやうし!と思ったら…

この新作ビデオを知らせる2CELLOSのフェースブックには、拳銃で人を撃つ描写があまり適切でないのではないかというコメントも一部ありました。確かに元の映画が作られた約半世紀前とは社会背景も人の感じ方も違うから、もう少し間接的でマイルドな映像表現でも十分だったかも知れない。 スコア 2CELLOS

この撮影は、二人の母国クロアチアのイストリア半島のワイナリーで行われたのだそう。 左のステパン・ハウザーは同じイストリア半島のプーラという街の出身だから、これも郷土愛か。

ちょうど上の動画のニュースを探していたら、やはりイストリア半島のラカリという街の海をのぞむ遊歩道にステパン・ハウザーの名前がつくことが決まり、きのう6日、ステパンも出席してその開通式があったそうです[Total Croatia News, Stjepan Hauser Facebook]。 そういえば、ステパン・ハウザーはどこでも何時間でも歩くのが好きだと以前インタビューで言っていたのを思い出しました。

タグ : 2CELLOS 

2017.08.04
Fri

ヨーヨー・マとコンドリーザ・ライス元国務長官の演奏

今年5月6日、ヨーヨー・マが元国務長官のコンドリーザ・ライス氏とワシントンのケネディセンターで共演したシューマン「幻想小曲集」Op.73全曲の演奏が、ケネディセンターの公式YouTubeチャンネルからアップされていました。

このときのことは5月にも書きましたが、正式な演奏動画が公開されたのは初めてじゃないかと思います。ヨーヨー・マとの共演がそのまま公式な動画になる“アマチュア・ピアニスト”、ライス元長官はすごいと思います。

タグ : ヨーヨー・マ 

2017.08.03
Thu

エンドピンがズルッと引っ込む問題

先週の本番演奏中にチェロのエンドピンが引っ込んでしまうトラブルがあったことを書いたところ、読んでくださった某プロ奏者の方から対策のアドバイスをいただきました。

エンドピンを留めているネジは、いつも同じ所で止まるので、長い間に削れてミゾが出来てしまい、固定できなくなってくる。 そこで、 170803endpin.jpg

  1. ネジを外して、
  2. 接点の面を金属用のヤスリで平らにする
…というもの。

エンドピンのネジを外してみると、確かに接点の面にミゾとつぶれたような凸凹ができていましたので(写真)、ホームセンターで千円ちょっとで買える金属用ヤスリで平らにしてみました。 なお、ホームセンターの工具専門家は「削り過ぎてネジ山までつぶさないように(ネジが入らなくなる)」と注意してくれました。※追記

効果のほどは、しばらく弾いてみないとわかりませんが、長年の経験があるプロからのアドバイスなので心強いです(ありがとうございました!)。

タグ : チェロ道具 

2017.08.03
Thu

リハーサル・ライブ

開催中のヴィルビエ音楽祭で2日、ヴァイオリンのヴァディム・レーピン、ジャニーヌ・ヤンセン、チェロのミッシャ・マイスキーら、一流奏者たちが揃った室内楽コンサートの、本番だけでなく、その前のリハーサルのようすがライブ中継され、オンデマンドで見られるようになっていました。

Verbier Artists in Rehearsal [medici.tv] 170803.jpg

曲はショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲Op.57で、ヴィオラはマクシム・リサノフ、ピアノはウラディーミル・フェルツマン。

ショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲は、5楽章からなる30分ほどの曲ですが、リハーサルは1時間45分ほど。 音楽祭のディレクターStephen McHolm氏がマイクを持って実況したり、奏者にインタビューしたりしていました。公開期間は本番・リハーサルとも約3ヶ月間。

奏者どうしのやりとりは英語。一度レーピンがピアノのフェルツマンに複雑そうなことを伝えるのに、ロシア語を使う場面もありました。 リハーサルをリードしているのは、やっぱり二人のヴァイオリニスト、でしょうか。

一流奏者たちの室内楽のリハーサルのようすが見られる機会というのは少ないので興味深いです。

夏は国内外各地で音楽祭が開かれていますが、こうしたリハーサルのライブ中継もやってくれたらいいのに、と思いました。

タグ : ミッシャ・マイスキー 

2017.08.01
Tue

モーツァルトのピアノ四重奏曲第1番

今回弾いたモーツァルトのピアノ四重奏曲第1番K.478には、おもしろい話があって、元はウィーンの音楽家で出版者のホフマイスター(Franz Anton Hoffmeister, 1754–1812)が、アマチュアが家庭で演奏する音楽を出版してひと稼ぎしようと目論み、モーツァルトに3曲のピアノ四重奏曲を作曲するよう依頼したもの。

ところが、モーツァルトからこの楽譜を受け取ったホフマイスターは、これではアマチュアには難しすぎて楽譜が売れないと判断し、残り2曲の契約を打ち切ったのだそう[Wikipedia]。

モーツァルトのもう一曲のピアノ四重奏曲第2番K.493は、別の出版社から出版されたらしいです。

当時のアマチュアが演奏するのにぎりぎり──モーツァルトはアマチュア向けのつもりだった──という加減がどんなものか味わえるのが、この曲のおもしろいところじゃないかと思います。もちろん、それでいてとてもシンプルな美しさがあるのですが。

この曲については前にも書いたように、チェロもさほど難しくなく楽しく弾けるものの、 1ヶ所だけ緊張するいやな箇所がありました。1楽章後半の193小節、一瞬、チェロのソロになるところ(楽譜はIMSLPより。下の動画では8:55くらいのところ)。
K478.png

最近、参考に見ていた動画。チェロはベルリン・ドイツ交響楽団のミッシャ・マイヤー氏。

この他にも、アンドレ・プレヴィンのピアノとN響の堀正文さん、佐々木亮さん、チェロの藤森亮一さんが共演した動画があって、何度も見させてもらいましたが、おそらく10年近く前の放映の個人の録画だと思うのでそっとリンクを張るだけにしておきます。

いずれも映像を見ると、この193小節でチェリストがアップで映るのです! 本番でもここは緊張しましたが、夢中だったので、ちゃんと弾けたかどうかよく覚えていません。

タグ : カルテット 

2017.07.31
Mon

トルルス・モルク@ヴェルビエ音楽祭

トルルス・モルクがきのう30日、スイスのヴェルビエ音楽祭で弾いた演奏会がmedici.tvで見られるようになっていました。

Truls Mørk and Kirill Gerstein perform Brahms, Janáček, and Prokofiev [medici.tv]

現地30日にヴェルビエ教会で行われた1時間半ほどのコンサートで、ピアノはキリル・ゲルシュタイン。曲目はブラームスのチェロソナタ1番、ヤナーチェクの「おとぎ話」、プロコフィエフのチェロソナタ1番。オンデマンド映像の公開期間は今年11月6日まで。視聴中にメールアドレスの登録を求められるかも知れませんが、登録は無料。下記のmedici.tvのツイートより。

実は同じきのう30日、ヴェルビエの別の会場の公演では、ミッシャ・マイスキーがピアノのエフゲニー・キーシンらと、私がきのう弾いたのと同じモーツァルトのピアノ四重奏曲第1番K.478を弾いていたと知ってなんだかうれしかったのですが、こちらの映像・録音は(まだ)見つかりませんでした。

タグ : トルルス・モルク 

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