2017.04.29
Sat

チェロカルテットレッスン2

GW初日、去年から仲間と練習しているチェロ四重奏、ヨンゲン「2つの小品」Op.89 [楽譜@ELISE] をプロ奏者Fさんにレッスンしていただく。 去年の暮れに1度レッスンをしていただいて、今回はパートを入れ替えて2回目。 全員が全パートを弾く企みは、3巡目になった。

第1曲を弾き終わると、やや間をおいてFさんが「減点法で言うと…」、何を言われるのかと思ったら「かなり高得点です」。 しかし、要するに、タテは揃っている、でも聴くお客さんの立場になってみるとおもしろくない、あとは音色や雰囲気、この曲の表現の大半は「弓の返し」にあって…という調子で始まり、音を1つ1つ細かく、実際に弾いて見せながら、ときどき絶妙なたとえ話をまじえながら、レッスンして下さった。

たとえ話の例を1つ挙げると、車を30センチ動かすペダルしか持ってないから、駐車場であと10センチだけ壁に寄せたいというときにガンと壁にぶつけてしまう…という話は、弓のコントロールについて誰でもが身に覚えのあることだと思う。

Fさんにレッスンのスケジュールをもらう経緯の中でそういうものかと思ったのは、プロの方は本番のスケジュールが決まっていると、アドバイスしやすいもののよう。そりゃ、本番が来週なのか3ヶ月後なのかによってアドバイスすることが違いますよね。

われわれアマチュアは、曲や演奏技術を学ぶという「インプット」が目標なのに対して、プロは本番で人に聴いてもらうという「アウトプット」が目標、といえると思う。だからプロは、本番が決まっていなくても練習し続けられるアマチュアのことは、ちょっと理解に苦しむのかも知れない。

そういうわけで、この曲はもう一度レッスンを受けてから5月と7月の2回、本番─とはいえごく内輪の会─で弾かせてもらうことにした。

2017.04.28
Fri

ドゥダメルがベネズエラの政情不安解決を訴え

指揮者で現在はロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽監督、グスターボ・ドゥダメル(36)が、 このところ反政府デモで多数の死傷者が出るなど政情不安が続く母国ベネズエラの現状を憂慮し、 政権の指導者たちに「エゴやイデオロギーはさておいて、国民の声を聞き、解決に努力して欲しい」というメッセージをフェースブックに投稿していました[Slippediscなどより]。

ドゥダメルといえば、現政権が路線継承するチャベス前大統領の下の音楽教育制度「エル・システマ」に育てられたベネズエラのヒーロー。そのドゥダメルがこういうメッセージを出すのはとても勇気のいることだったでしょうし、彼がそうせずにはいられないほど現在のベネズエラは危機的状況だということでしょう。

しかし動画につけられたコメントやツイッターを見ると、現政権に育てられた人物と見られているせいか、現政権に反発している人たちからも厳しい批判を浴びせられているよう。

このところ国際的に音楽家が政治的な発言をするのを多く見聞きする中、ドゥダメルのようなケースは、その立場においても情勢の深刻さにおいても、なかなか難しいだろうな…と考えさせられます。

ドゥダメル指揮シモン・ボリバル・ユースオーケストラの「マンボ」。

2017.04.26
Wed

ヨーヨー・マのバッハトリオ

ヨーヨー・マが25日、ボストンのラジオ局WUBRの番組に出演して、マンドリン奏者のクリス・シーリー、ベース奏者のエドガー・メイヤーと出した新しいアルバム"Bach Trios"の紹介と生演奏。以前、カントリー音楽のアルバムで共演した3人が、狭いスタジオの親密な空間でバッハを奏でる音色が、新鮮に感じました。

バッハ:トリオ ~チェロ、マンドリン、コントラバス
シーリー(クリス),メイヤー(エドガー) ヨーヨー・マ 曲はアルバムからWachet auf, ruft uns die Stimme(コラール「目覚めよと呼びわたる物見の声」), BWV 645。

番組全体の録音はこちら[WUBR]。右のイメージにはアマゾンへのリンクを張りました。収録曲情報はtower.jpなど。

タグ : ヨーヨー・マ 

2017.04.25
Tue

国歌メドレー

7月1日に建国150周年を迎えるカナダでは、いろいろな記念事業が行われているらしいですが、これはトロント交響楽団による世界各国国歌メドレー。

カナダ国歌「オー・カナダ」をはじめ約2分ほどの間に24ヶ国の国歌がちりばめられ、カナダが多くの国からの人々で成り立っていることを表しているそうです。日本の「君が代」は…

動画の最後のほうに出てくるMaxime Gouletさんの編曲。

トロント交響楽団はほかにもカナダ国歌を、カナダ国内でよく使われる12ヶ国の言語で歌う動画をアップしていました(さすがにそこに日本語はありませんでしたけど)。

なんだか、カナダが移民と多様性の国であることをアピールするのは、さいきんようすが変わった隣の国へのメッセージも含まれているのかな、と思いました。

2017.04.23
Sun

ヨハネス・モーザーのハイドン・チェロ協奏曲第1番

ヨハネス・モーザーが今月13日、イギリスのグラスゴーで弾いたハイドンのチェロ協奏曲第1番ハ長調が BBCのオンデマンド放送で聴けるようになっていました。

BBC SSO - Blacher, Haydn and Brahms [BBC Radio3]

クリストフ・ケーニッヒ指揮のBBCスコティッシュ交響楽団の公演のもようをBBCが17日に放送したもの。番組の公開期間は17日から1ヶ月間。 ヨハネス・モーザーのアンコールは、バッハの無伴奏チェロ組曲第1番サラバンド。この日のメインはブラームスの交響曲第1番。

この一週間前もBBCでロココ変奏曲を弾いたばかりのヨハネス・モーザーですが、さすが世界で最も忙しいチェリスト第5位、というところ。

タグ : ヨハネス・モーザー 

2017.04.22
Sat

俳優とチェリストがジョイントライブ

Bach: Cellosuiten 1-6 CD, Import Jan Vogler ロスト・イン・トランスレーション [DVD]ビル・マーレイ (出演), スカーレット・ヨハンソン

映画「ゴーストバスターズ」(1984年)や「ロスト・イン・トランスレーション」(2003年)などで有名なアメリカの俳優ビル・マーレイ(66)は、ドイツ生まれのチェリスト、ヤン・フォーグラー(53)と組んで、歌と詩の朗読、それに音楽を融合させた"New Worlds"という舞台をプロデュース。今年北米をツアーし、合わせてアルバムを発売するそうです [NYTimes, NPRmusic]。

この舞台をやることになったきっかけがなかなか面白くて、4年前ベルリンからニューヨークに向かう飛行機でたまたま乗り合わせた二人が意気投合し、いつか一緒に何かやろうと言っていたのが、ビル・マーレイの誘いで本当に実現することになったのだそう。

この舞台の予告動画。ビル・マーレイがすっかり渋いおじさんになってますね…。音楽が単なるBGMではなく、名優の演技・台詞と対等に近い関係で渡り合う舞台になっていそうです。


2017.04.21
Fri

レッスン #323

ポッパー29番。重音の難しいエチュードで、これは苦労した。難易度では13番に次ぐくらいというのが実感。 ダウンとアップとが不均衡な長いボウイングや、fis-moll(♯3つ)からFis-dur(♯6つ)へ、といった調性も難しい。

3週間くらい弾いてきて、ある程度曲が流れるようになったのは今週に入ってからだったか。 レッスン直前の待合室で楽譜を見ていて、練習で間違って弾いていたところを1箇所見つけてあわてた。 Piatti/Duport/Popper: Capricci Import
Antonio Meneses

それでも楽しんで練習してこれたのは、ポッパーにしてはめずらしく─というのは個人の感想です─美しい旋律があるからで、 前に書いたアントニオ・メネセス氏のCDには (後で気づいたのだが)ポッパーからはたった1曲だけ、この29番が選ばれているほどなのだ。

2回弾き終えるとR子先生「がんばりました…表彰状をあげたいくらいです」。

ショパンのノクターンOp.9-2(ポッパー編)。この曲を選んだのは、元々このピアノ曲が好きなのと、 耳に馴染んでいる曲を楽譜から読み起こすのも勉強になると思ったから。 ポッパーの教本もだいぶ進んできたので挑戦できるかも知れない、というのもあった。

(もちろん浅田真央選手がこの曲で滑ったことも印象深い。この曲に決めたのは浅田真央選手が引退を発表するほんの少し前だったわけだけど…)

1回目は譜読みの確認。2回目は後半のハーモニクスなど技巧的なところ。最後のカデンツァっぽいソロは、タテを気にせず音のかたまりでとらえて、もっと弾き込む必要あり。

[追記] 指の痛みはだいぶ和らいだものの、まだたまに少し痛む。

タグ : チェロレッスン 

2017.04.19
Wed

ルイス・クラレット氏がヨーロッパ人としてのルーツを語る

luis_claret.jpg

先日、アルバン・ゲルハルトが立ち上げたMusicians4Europeというグループには、来日してコンサートやマスタークラスもしたスペインのチェリスト、ルイス・クラレット氏(66)も名を連ねていてちょっと注目していたのですが、このクラレット氏がグループのフェースブックページに「ヨーロッパが連帯して他国の難民にも手を差し伸べるべき」という思いを書き込んでいました[写真は公式HPより]。

クラレット氏の書き込みは、チャップリンの映画「独裁者」(1960)の有名な演説シーンの動画をシェアするところから始まります。

[オリジナル英語字幕付き]

この感動的なスピーチは、私のヨーロッパ人としてのルーツを思い起こさせてくれます。
私の両親はスペイン内戦によりヨーロッパの中の難民でした。
両親の60年間にわたるラブストーリーは、フランコ政権の軍隊がカタルーニャに侵攻し、フランスに逃亡したときに始まります。 しかしその数か月後、ヒトラーの軍隊がフランスに侵攻します。 父はユダヤ人の友人をかくまったためにゲシュタポにとらえられますが、 パブロ・カザルスが、父は重病だから母国で死なせてやりたい、とゲシュタポを説得してくれたおかげで処刑を免れます (ゲシュタポはカザルスのことを知っていて「尊敬」はしていたのです)。
フランス解放のとき、父はカザルスが大戦で家族を失った子どもたちのための慈善コンサートを開くのを手伝いました。これはもちろんスペインの子どもたちのためだけではありませんでした。
何千人ものスペインからの難民は、他のヨーロッパの国々からの難民同様、海外、特に北米・南米で受け入れられ、新生活を始めることができました。
なぜヨーロッパの政治家たちはそのことを忘れてしまったのでしょう? そんなに昔のことではないのに!
ヨーロッパは連帯して、危機にある人たちが新生活を始められるよう手助けをする必要があります。 母国や友人や家族たちと離れ離れになることは(父は祖母やおじたちに20年以上会うことができませんでした) そうした手助けに値するほど大変な喪失なのです。
─ルイス・クラレット
[英語の原文はこちら※その後、このページはメンバーだけの非公開になったため読めなくなってしまった。拙訳にあたり、趣旨からして許して頂けるだろうと勝手に思って、氏の了解は頂いていません。]

ルイス・クラレット氏は「カザルスが名付け親」とよく紹介されますが、父親とカザルスとの間にここまでの結びつきがあったという話は初めて読んだ気がします(しかもご本人の文章で!)。

氏が1992年のバルセロナ五輪の閉会式で「鳥の歌」を演奏したときに特別な思いがあっただろうことも想像に難くありません。

穏やかで冷静に見えるクラレット氏が、重い歴史と熱い思いとを内に秘めた人であることがわかったような気がしました。

タグ : パブロ・カザルス 

2017.04.17
Mon

ライブ放送中にカップル破局を発表

イギリスの人気バイオリニスト、ニコラ・ベネデッティ(29)とドイツ生まれのチェリスト、レオナルト・エルシェンブロイヒ(32)は、音楽の上でも私生活の上でもパートナーとして知られていたところ、今月6日、フェースブック上でのライブ中継中、視聴者からの質問に答えて「もう付き合っていない」と公表したそうです。イギリスの大衆紙デイリーメール紙の記事にもなっていました。

このライブ中継の動画:

問題の質問は18分過ぎで、
「付き合っている人と演奏したりツアーしたりするのはどんなかんじ?」という質問に対して
「もう付き合っていないけど、見ての通りいい友だちだし、ツアーも続ける」との答え。
ベネデッティのほうは割合あっけらかんとしていますが、エルシェンブロイヒのほうは少し表情が固いようにも見えます...

エルシェンブロイヒは一緒に暮らしていたロンドンを離れ、すでにベルリンに移り住んでいるそう。

音楽家のカップルがくっついたり離れたりといったことは、普通はファンの間でひそひそと静かに広がるものですが、こうしてオープンに世界が同時に知ってしまうのが、今の時代らしい、というところでしょうか。

タグ : チェロ事件簿 

2017.04.16
Sun

指が痛い

今週はオケの練習はなく、ピアノ四重奏とチェロ四重奏の合わせ。日々の練習では、重音のポッパー29番と新曲の譜読み。

実は先週から左手の人差し指が痛い。痛くなったのは日曜日、チャイコフスキーの交響曲でオクターブの反復を1-4を開いて弾いた時だと思う。 月曜日には指を休めたが、火曜日からはテーピングをしながら控えめに練習再開した。

ポッパー29番は重音が多くて難しいエチュードだが、高いポジションが多く、オクターブの重音も親指と3とで弾けるので、1の指にあまり負担がかからないのが幸い。

オクターブの重音は得意ではないけど(得意な人なんているだろうか?)シュレーダーの3巻あたりから少しずつできるようになった。少しでもできるとR子先生が大げさにほめてくれるので嫌いではない。それにオクターブの重音ができるようになると、協奏曲にも挑戦しましょうか、ということになる。

オクターブの重音といえば、名手ダニイル・シャフラン(1927-1997)のシューベルトのアヴェ・マリアの演奏をずっと前、 都響の長谷部一郎さんのブログを通して知った。この演奏、独特の指使いやビブラートにも驚くのだが、後半2分55秒くらいから旋律をオクターブの重音、しかも低いポジションでは1-4の指で弾いているのだ!

今は、この動画を見ているだけで指がズキズキしてくる....

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