2015.08.04
Tue

サティとその時代展

渋谷BUNKAMURAで開催中の「エリック・サティとその時代展」を、猛暑の中、見に行ってきました。エリック・サティ(1866-1925)は「ジムノペディ」「ジュ・トゥ・ヴ」など書いたフランスの作曲家として馴染み深いものの、音楽家としては異端・異色という形容がつきまとう人。

展示では、サティと作家や美術家たちとの交友関係を示すものが中心で、中でも脚本ジャン・コクトー、音楽エリック・サティ、美術パブロ・ピカソというバレエ「パラード」は、現代から見ても「前衛的」だし、 サティ独特の詩のような書き込み付き楽譜と挿絵からなる曲集「スポーツと気晴らし」の展示と演奏(映像)は、サティの世界に浸らせてくれるものだった。

サティというと、異端視され、不遇で、屈折した人というイメージだったのが、展示を見ていると、あんがい人生後半まで楽しそうにやっていたんじゃないか、という気がしてきた。 サティについてはNHKがドキュメンタリー「サティのうた」(2008年) を放映していて、サティの二面性を「白サティ」「黒サティ」と分けて描いていたが、これは「白サティ」の側面なのかも知れない。

ただ、この展示会、サティと音楽家たちとの交流を示す物というと、ドビュッシーによる「ジムノペディ」オーケストラ編曲楽譜くらいしかなく、結局のところサティが「音楽家としてどういう人だったのか」を知りたい目から見ると、やや物足らない印象が残った。 展示会のサイトにあるサティの交友関係を示す相関図にも、ドビュッシーら音楽家の名前が出てこないのはどうしたわけか。

「サティとその時代展」は8月30日まで無休。一般1,400円。猛暑を逃れてひととき涼むのにはいいけど、ゆっくり見ていると冷えるので、一枚羽織るものがあれば完璧。

2015.07.31
Fri

レッスン #283

酷暑の中、先生のご都合もあって、早や8月分のレッスンを1回先取り。

シュレーダー162番、コスマンの Concert Etudes Op.10の2番。
cosmann10-2.png
長いボウイングでウネウネと弾き続けるエチュードで、これがこのあと3度になったり高いポジション上ったりしたとき、少しでももたつくと弓の長さがもたなくなる。終盤の難しいところは6スラーくらいに切って、音程がそこそこ取れたので甘めのマル。次は163番。

シュレーダーの教本も全部で170曲ある曲の残りがひとケタにまでなった時には、約10年越しでやってきたシュレーダーも、ついに今年中に「卒業」ではないか?!…と思っていたけど、161番から急に難しく、長さも長いエチュードが多くなって、どうやら最終170番を終えるのは来年になりそう。

ドボルザークのチェロ協奏曲2楽章。先生のピアノで通し。 R子先生「うーん、音質かな…」。強弱など課題は色々あるものの、部分を取り出したら出せているビブラートが、通したときに出せていない。ひき続き2楽章。

タグ : チェロレッスン 

2015.07.30
Thu

米ナショナル・ユース・オーケストラのチェリストたち

夏休みの間、全米から選ばれた若い音楽家たちがオーケストラを組んでツアーする米国ナショナル・ユース・オーケストラは、昨年も楽しい動画を見せてくれましたが、今年はチェロセクションの3人がディズニー・メドレー。

メンバーの一人、18歳のイザベラさん(右端)のアレンジだそうです。ビヨンセなどポップス・メドレーも。

昨年の「...12人のチェリストたち」風もカッコ良かったのですが、これはこれで「部活の延長」みたいで微笑ましいです。もちろん、チェロはとても上手い。

2015.07.29
Wed

ヴェルビエ音楽祭

今年もスイスのリゾート、ヴェルビエで開かれているヴェルビエ音楽祭のコンサートが順次、medici.tvで視聴できるようになっていました。

チェリストでは、28日にミッシャ・マイスキーが演奏したサン=サーンスのチェロ協奏曲[このリンク先の後半]。アンコールはそのままオーケストラをバックにサン=サーンスの「白鳥」!

同じ28日にヴェルビエ教会で行われていたトルルス・モルクリサイタルでは、ベートーベンのチェロソナタ4番、シューマンの幻想小曲集、ショパンのチェロソナタ、アンコールにシベリウス「ロマンス」。[追記] モルクは31日のコンサートにも出演し、シューマンのチェロ協奏曲を演奏。アンコールはバッハの組曲2番サラバンド。

また、同じヴェルビエ教会で24日に行われたエドガー・モローリサイタルもありました。 こちらの曲は、ブラームスのチェロソナタ1番、シューマン「アダージョとアレグロ」、プーランクのチェロソナタ、ショパン「序奏と華麗なるポロネーズ」、アンコールがフォーレ「夢のあとに」。

このヴェルビエ音楽祭、夏のリゾート地で音楽家たちが皆リラックスしていて、気持ちよさそうなんですよね。下はマイスキーのインタビュー。

タグ : ミッシャ・マイスキー  トルルス・モルク 

2015.07.25
Sat

ブラームスのチェロソナタ第1番ホ短調を贈られ"初演"したのはアマチュアチェリスト

七夕の会で弾いたブラームスのチェロソナタ1番ホ短調Op.38について、チェリストの山本裕康さんがツイッターで紹介しておられたエピソードが面白く、個人的にもタイムリーだったので、調べてみました。

ブラームス 作曲家別名曲解説ライブラリー 7 調べてみるとこのチェリストは、ブラームスがウィーンで知り合い親友になった声楽教師ヨゼフ・ゲンスバッハー(Josef Gänsbacher,1829-1911)で、ブラームスはこのチェロソナタ1番を、チェリストとしては"アマチュア"のゲンスバッハーに捧げているのです! ゲンスバッハーは、ブラームスが探していたシューベルトの楽譜を手に入れたりするのに助力したので、その感謝のしるしだったようです[「作曲家別名曲解説ライブラリー・ブラームス」音楽之友社,1993]。

チェロソナタ1番が完成した1865年の夏、ゲンスバッハーのチェロ、ブラームス自身のピアノで「試演」されたことは「ブラームスの音楽と生涯」(吉田秀和,音楽之友社,2000)に書かれています。このときのブラームスのピアノの音量をめぐるエピソードを書いた日本語の文献を見つけることができませんでしたが、Wikipediaでは英語版にだけ書かれていて、その出典とされている "The Chamber Music of Johannes Brahms"(Henry S. Drinker,Philadelphia: Elkan-Vogel Co.,1932)によると:

... In the course of this performance Brahms played so loud that the worthy Josef complained that he could not hear his cello at all — "Lucky for you, too", growled Brahms, and let the piano rage on.
[このとき演奏する光栄を得たヨゼフ(ゲンスバッハー)は、ブラームスのピアノの音量があまりに大きいので、自分のチェロが聴こえないと不平を言ったところ、ブラームスは「それも君には幸運なことだよ!」と怒鳴るとかまわずピアノをかき鳴らし続けた。※拙訳.原文はarchive.orgから]

同じエピソードをドイツ語で紹介しているバイエルン放送の曲目解説では"Lucky for you"のところは、"Glücklicherweise!"(幸いなことに!)と。

なお、正式な公開初演は6年も経って1871年、ライプツィヒでエミール・ヘーガー(ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者でユリウス・クレンゲルの先生)のチェロとカール・ライネッケのピアノによるものだったようです[上記「作曲家別...」より]。

ブラームスの、チェロソナタ1番ほどのチェロの名曲を捧げられて"初演"したのがアマチュアチェリストだったというのは驚きなのと同時に、親しみを感じるエピソードです。 また、この曲やベートーベンのチェロソナタのように、正式には「ピアノとチェロのためのソナタ」と名付けられている曲におけるピアノとチェロの関係 ──ピアノとチェロとが対等の関係で音量はピアノの方が圧倒的に大きい──を顕著に示したエピソードだともいえると思います。

たしかにこの曲は、演奏技術的な難易度としてはあまり高くなく、大人からチェロを始めたアマチュアチェリストでも挑戦できるソナタですが、ピアニストと対等の関係で、この曲にふさわしい憂愁を帯びた深い音色で奏でるには、一生かかっても追いつかないと思わせる難しい曲なのですよね…

2015.07.24
Fri

レッスン #282

午後の豪雨で交通が乱れ、地下街では浸水もあった中、レッスン。

シュレーダー161番(Cossmann Op.10-1)の最後の2ページ。 かなり音程に気をつけたつもりだったけど、コスマンのエチュードは普段なら何でもないはずのポジションの指並びが乱れやすくできているよう。 2回弾いてなんとかクリア。小節内の臨時記号を見落としていた箇所が1つあったのが悔しい。次回は162番。

1ヶ月半ぶりにドボルザークのチェロ協奏曲2楽章。 速いところは前よりも弾けるようになったけど、テンポを揺らしているようでいて、実はテンポを見失っていた。特に後半。

一番の問題は、フォルテの音量。フォルテの箇所を順に抜き出して繰り返し。アップが特に弱い。 教室の楽器だと、コンチェルトに出てくるフォルテは音が割れるくらい鳴らさなければいけないようだ。次回も2楽章。

タグ : チェロレッスン 

2015.07.23
Thu

松江でブラタモリ

NHKの「ブラタモリ」で次回、松江がとりあげられるとのこと! 8月1日午後7:30からの放送。 ちょうど国宝に指定されたばかりの松江城と城下町の様子が中心になるよう。 生まれ育った町がタモリの目にどう映るのか楽しみです。

実は、松江城については昔から、歴史的にあまり大きな争いもなかったこの土地にどうしてこれだけのりっぱな城を構える必要があったのだろう?と疑問に思っていました。 天守閣には銃を構える狭間や石落としなどの跡があるけど、おそらく実戦で使われたことはなかったはず。 立地としても、軍事的にどういう意味があったのか疑問です。 そう考えていくと、松江藩の当時のポジションもなんだか微妙…でも、松江で生まれ育っていると、こういう疑問はなんとなく口にしにくいもので…。

タモリには新鮮な目で「この城、必要だったんですかね?」といった、身も蓋もない質問をしてくれることを期待します。

[8月1日放送後追記] 放送見ました。松江城が“なぜ”作られたかではなく、低湿地だった松江に城下町を“どう”作ったかという話で、松江に生まれ育っても知らなかった話がありました。松江の堀川の風景は懐かしかったです。再放送は2日午後1:05から。

2015.07.21
Tue

発泡スチロール製のチェロ

ベルギーの大学生が、弦楽器製作のとき加工が容易で、いい音が出せる素材を研究した結果、発泡スチロール製のチェロを作ったそうです。

This is what a Styrofoam cello sounds like [Flanders News 15.06.08. 動画. ICS Cello Chat経由で知りました]

うーん…これでいい音が出るというなら、発泡スチロールは軽いでしょうから、持ち運びにも助かるかも知れませんね。

ただ、色が白いままだと、いかにも「子どもの夏休みの自由製作」みたいに見えるので、そこは少し考えて欲しいところです…

***

これまでに変わった素材のチェロというと、カーボンファイバーはすでに実用の域に達した別格として、その他にアルミポリウレタンガラスなどがありました。

2015.07.20
Mon

川のほとりでバッハ

暑くなってきましたが、チェロの練習に励む皆さんは、こんなところで弾くのを思い浮かべてみてはいかがかと。

[Paul Goossens氏より]

»